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第三章 イベントは危険な香り
保健室とマサトとわたし
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「先生なら今はいないわよ?」
平静を装ってマサトに声をかけた。ここはすぐに退散するのが吉ってもんだ。
「ハナコ、なんでお前がここに……!」
「保健室に来る理由なんてひとつに決まっているでしょう?」
冷たく言い放って、そのまま出て行こうとした。
ってか、この手はなんだ? 乱暴に二の腕掴まれて、ちょっと痛いんですけど。
「いい機会だ、お前に言っときたいことがある」
「なによ?」
マサト・コーガは脳筋キャラだ。運動は出来るけど、勉強はてんでダメってタイプ。
能天気で大食いで、攻略対象の中でもワンコキャラな位置づけとなっている。
学園には山田の護衛が目的で一緒に入学してきてるんだけど。
実はマサトとは子供のころから面識がある。
親同士がわりと仲が良くて、お茶会に誘ったりして昔はよく顔を合わせてたんだ。
言っても大きくなってからは疎遠の状態が続いていた。
それにマサトは子爵家の末っ子で、わたしは言わずと知れた公爵令嬢。
身分差もあるから学園では顔を合わせても、お互い干渉せず過ごしてたんだけど。
「お前、どうやって王子に取り入った?」
「は? 知らないわそんなこと。それにあなたには関係ないことでしょう?」
さっきから呼び捨てとかお前だとか、不敬にもほどがあるわね。
小さいころのノリのままでいるなんて、やっぱりお勉強はできないみたい。
ま、学園の規律として「身分は関係なく平等に過ごすべし」っていうのがあるから、別に問題にするつもりはないんだけど。
それでもほかの生徒たちは、忖度して礼儀をきちんと守ってるからねっ。
「関係あるから聞いてるんだろう? シュン王子を守るのが俺の役目だ」
「まぁ、まるでわたくしがシュン様に何かしているみたいな言いようね」
むしろ何かされてるのはこっちの方だっつうの。お前の目は節穴か。
「いつも王子の邪魔ばかりしてるじゃないか」
「邪魔? わたくしが一体どんな邪魔をしたのか、具体的に言ってごらんなさいな」
「それは……ハナコがいると王子が王子でなくなる。だからだ」
「言ってる意味が分からないんだけど」
「ハナコを見かけるたびに、王子は一目散にお前のところに行くだろうが。知らないとは言わせないぞ」
そりゃ迷惑なくらい知ってるけど。
ってか、それはわたしのせいか?
「わたくしはシュン様の行動をどうこうできる立場ではないわ」
「そ、そんなこと当たり前だろうっ。ハナコがいると生徒会長としての王子の仕事が滞ると言いたかったんだ」
「だったらなおさらわたくしに責任を押し付けないで。忠臣を名乗るなら、あなたが自分で苦言を呈すればいいでしょう?」
ほんと、知らんがなって感じ。生徒会のことは生徒会で解決してくれ。
「分かったら、いい加減に手を離して」
「おまっ、黙って聞いていれば……!」
おん? やんのかごるぁ。って、痛い、腕つかむ手に力を入れるな。
「昔っからお前は生意気なんだよ」
「昔から?」
もしかして今日絡んできたのはむしろそっちの恨みから?
わたし、マサトに何かしたっけ?
子供のころの記憶をたどっても、これといったことは思い出せない。
そのとき視界のはしっこで何かが動いて、ソレはマサトの袖口に止まった。
(あ、てんとう虫)
てんとう虫って見たらラッキーなことが起きるって聞いたことあるし。体に止まるともっといいことがあるんだっけ。
なんでマサトに止まるかなぁ。どうせならこっちにきてくれればいいのに。
「おい、人の話ちゃんと聞いてんのか?」
「聞いてるからもう手を離して」
「うおっ、む、虫っ」
ようやくマサトもてんとう虫に気づいたみたい。青くなって、ぶんぶん腕を振ってるし。
ってか、ちょっとそのリアクション、てんとう虫相手に大げさすぎやしない?
「てんとう虫は神の使いなのよ? そんなに怖がることないのに」
暴れるマサトの腕を押さえ、てんとう虫を指に乗せる。
指先に止まったまん丸いてんとう虫は、翅を広げ一瞬で飛び去ってしまった。
恩返しならいつでもウエルカム。なんて思ってると、マサトにぎりっと睨まれた。
わたし今、助けてあげたよね? なのにその態度はなんなん?
「……また言いふらすのかよ?」
「言いふらす? 何を?」
「とぼけるんじゃねぇ。俺が虫嫌いなの、昔も笑いものにしただろうっ」
ん? そういやそんなことあったっけかな。
いい天気の日、庭でお茶会か何かしてたんだよね。
大人たちのおしゃべりに飽きて、その場に居合わせた子供同士で遊んでたんだ。
そんでそのときカマキリかなんかが飛び出してきて……そうそう、女の子がひとり泣き出したんだよ。
当時から体力バカだったマサトは、子供たちの間でもちょっと頼れるお兄ちゃん的な存在でさ。
助けを求めてみんなの目がマサトに向けられたのは、まぁ必然的な流れなわけで。
でもマサトときたら、女の子以上にカマキリに怯えちゃってさ。
それを見かねたわたしがサッとカマキリを追い払って、みんなから尊敬のまなざしを一身に受けて……。
っていう感じの流れだっだような?
ってか、やっぱりわたしのせいじゃないし。被害妄想もたいがいにせいっ。
「別に笑いものなんかにしてないでしょう?」
「あのときお前、高笑いしてたじゃねぇかっ」
う、その笑い方、ハナコのゲーム仕様だからっ。
若気の至りな黒歴史であって、マサトを笑いものにしたわけじゃないんだよ。
「一体いつの話よ。わたくしはよく覚えていないし、おかしな言いがかりはやめて」
「そんなこと言って、また俺をコケにする気なんだろう?」
「しないわよ。それに誰にだって苦手なものくらいあるでしょう?」
何? ずっとこのこと根に持ってたの? 逆恨みってコワイわぁ。
なんて思ってたら、疑り深そうだったマサトの顔が、ちょっと戸惑った感じに変わってる。
「ほんとに誰にも言わないか?」
「言わないわ。そんなことしてわたしに何の得があるのよ?」
面倒くさくなって、わたしはマサトを置いて保健室を出た。
で、例のごとく、今日あった出来事を未希に報告したんだけど。
お願い、無言のまま長いため息つかないでっ。
「はぁ……ケンタは家族だからまぁ仕方ないにしてもさ」
「保健医はヨボじいだったし問題ないよねっ。マサトもね、なんか絡まれたけど、ちゃんと誤解も解いて来たからっ」
「そのてんとう虫……」
「え、ちょっと待って。まさかあれもヒロインイベントとか言わないよね?」
「そのまさかよ。そんな昔から伏線仕込んでたなんて、悪役令嬢が聞いてあきれるわ」
その悪役令嬢の座を返上するために、華子がんばってるんですけどっ。
「保健室、他にもイベント多いから気をつけて」
「も、二度と近づきませんっ」
っていうか、てんとう虫、幸運のしるしじゃなかったんか~い。
平静を装ってマサトに声をかけた。ここはすぐに退散するのが吉ってもんだ。
「ハナコ、なんでお前がここに……!」
「保健室に来る理由なんてひとつに決まっているでしょう?」
冷たく言い放って、そのまま出て行こうとした。
ってか、この手はなんだ? 乱暴に二の腕掴まれて、ちょっと痛いんですけど。
「いい機会だ、お前に言っときたいことがある」
「なによ?」
マサト・コーガは脳筋キャラだ。運動は出来るけど、勉強はてんでダメってタイプ。
能天気で大食いで、攻略対象の中でもワンコキャラな位置づけとなっている。
学園には山田の護衛が目的で一緒に入学してきてるんだけど。
実はマサトとは子供のころから面識がある。
親同士がわりと仲が良くて、お茶会に誘ったりして昔はよく顔を合わせてたんだ。
言っても大きくなってからは疎遠の状態が続いていた。
それにマサトは子爵家の末っ子で、わたしは言わずと知れた公爵令嬢。
身分差もあるから学園では顔を合わせても、お互い干渉せず過ごしてたんだけど。
「お前、どうやって王子に取り入った?」
「は? 知らないわそんなこと。それにあなたには関係ないことでしょう?」
さっきから呼び捨てとかお前だとか、不敬にもほどがあるわね。
小さいころのノリのままでいるなんて、やっぱりお勉強はできないみたい。
ま、学園の規律として「身分は関係なく平等に過ごすべし」っていうのがあるから、別に問題にするつもりはないんだけど。
それでもほかの生徒たちは、忖度して礼儀をきちんと守ってるからねっ。
「関係あるから聞いてるんだろう? シュン王子を守るのが俺の役目だ」
「まぁ、まるでわたくしがシュン様に何かしているみたいな言いようね」
むしろ何かされてるのはこっちの方だっつうの。お前の目は節穴か。
「いつも王子の邪魔ばかりしてるじゃないか」
「邪魔? わたくしが一体どんな邪魔をしたのか、具体的に言ってごらんなさいな」
「それは……ハナコがいると王子が王子でなくなる。だからだ」
「言ってる意味が分からないんだけど」
「ハナコを見かけるたびに、王子は一目散にお前のところに行くだろうが。知らないとは言わせないぞ」
そりゃ迷惑なくらい知ってるけど。
ってか、それはわたしのせいか?
「わたくしはシュン様の行動をどうこうできる立場ではないわ」
「そ、そんなこと当たり前だろうっ。ハナコがいると生徒会長としての王子の仕事が滞ると言いたかったんだ」
「だったらなおさらわたくしに責任を押し付けないで。忠臣を名乗るなら、あなたが自分で苦言を呈すればいいでしょう?」
ほんと、知らんがなって感じ。生徒会のことは生徒会で解決してくれ。
「分かったら、いい加減に手を離して」
「おまっ、黙って聞いていれば……!」
おん? やんのかごるぁ。って、痛い、腕つかむ手に力を入れるな。
「昔っからお前は生意気なんだよ」
「昔から?」
もしかして今日絡んできたのはむしろそっちの恨みから?
わたし、マサトに何かしたっけ?
子供のころの記憶をたどっても、これといったことは思い出せない。
そのとき視界のはしっこで何かが動いて、ソレはマサトの袖口に止まった。
(あ、てんとう虫)
てんとう虫って見たらラッキーなことが起きるって聞いたことあるし。体に止まるともっといいことがあるんだっけ。
なんでマサトに止まるかなぁ。どうせならこっちにきてくれればいいのに。
「おい、人の話ちゃんと聞いてんのか?」
「聞いてるからもう手を離して」
「うおっ、む、虫っ」
ようやくマサトもてんとう虫に気づいたみたい。青くなって、ぶんぶん腕を振ってるし。
ってか、ちょっとそのリアクション、てんとう虫相手に大げさすぎやしない?
「てんとう虫は神の使いなのよ? そんなに怖がることないのに」
暴れるマサトの腕を押さえ、てんとう虫を指に乗せる。
指先に止まったまん丸いてんとう虫は、翅を広げ一瞬で飛び去ってしまった。
恩返しならいつでもウエルカム。なんて思ってると、マサトにぎりっと睨まれた。
わたし今、助けてあげたよね? なのにその態度はなんなん?
「……また言いふらすのかよ?」
「言いふらす? 何を?」
「とぼけるんじゃねぇ。俺が虫嫌いなの、昔も笑いものにしただろうっ」
ん? そういやそんなことあったっけかな。
いい天気の日、庭でお茶会か何かしてたんだよね。
大人たちのおしゃべりに飽きて、その場に居合わせた子供同士で遊んでたんだ。
そんでそのときカマキリかなんかが飛び出してきて……そうそう、女の子がひとり泣き出したんだよ。
当時から体力バカだったマサトは、子供たちの間でもちょっと頼れるお兄ちゃん的な存在でさ。
助けを求めてみんなの目がマサトに向けられたのは、まぁ必然的な流れなわけで。
でもマサトときたら、女の子以上にカマキリに怯えちゃってさ。
それを見かねたわたしがサッとカマキリを追い払って、みんなから尊敬のまなざしを一身に受けて……。
っていう感じの流れだっだような?
ってか、やっぱりわたしのせいじゃないし。被害妄想もたいがいにせいっ。
「別に笑いものなんかにしてないでしょう?」
「あのときお前、高笑いしてたじゃねぇかっ」
う、その笑い方、ハナコのゲーム仕様だからっ。
若気の至りな黒歴史であって、マサトを笑いものにしたわけじゃないんだよ。
「一体いつの話よ。わたくしはよく覚えていないし、おかしな言いがかりはやめて」
「そんなこと言って、また俺をコケにする気なんだろう?」
「しないわよ。それに誰にだって苦手なものくらいあるでしょう?」
何? ずっとこのこと根に持ってたの? 逆恨みってコワイわぁ。
なんて思ってたら、疑り深そうだったマサトの顔が、ちょっと戸惑った感じに変わってる。
「ほんとに誰にも言わないか?」
「言わないわ。そんなことしてわたしに何の得があるのよ?」
面倒くさくなって、わたしはマサトを置いて保健室を出た。
で、例のごとく、今日あった出来事を未希に報告したんだけど。
お願い、無言のまま長いため息つかないでっ。
「はぁ……ケンタは家族だからまぁ仕方ないにしてもさ」
「保健医はヨボじいだったし問題ないよねっ。マサトもね、なんか絡まれたけど、ちゃんと誤解も解いて来たからっ」
「そのてんとう虫……」
「え、ちょっと待って。まさかあれもヒロインイベントとか言わないよね?」
「そのまさかよ。そんな昔から伏線仕込んでたなんて、悪役令嬢が聞いてあきれるわ」
その悪役令嬢の座を返上するために、華子がんばってるんですけどっ。
「保健室、他にもイベント多いから気をつけて」
「も、二度と近づきませんっ」
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