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野営テントを少し小高い丘の上に設置することにしたので、テントから出て少し移動するだけで素晴らしく見晴らしのよい場所になった。目の前には広大な草原。しかしそれはこの月もない真夜中の暗闇の中では一面に広がる黒い海となる。それは手持ちのちいさな光源が届くことのない深い深い海。それはさわさわとかすかでたおやかな波音を響かせる海。そしてその海の上に広がるのは一面の星空。
もしかしたらあのどれかがぼくが元いた星の太陽。でも多分あのどれでもない。遠く地平線から乳白色の天の河が立ち上がっている。その中に夏の大三角形を探してみる。地球から遠く離れた、おそらく宇宙の境界すらも越えたところにあるこの星の夜空には、そんなものはもちろんない。
岩の上に腰掛けて空を見上げると、未だ見慣れぬ空に流星が一瞬輝く。そういえば、帚星に願いをかける風習がこちらの世界にもあるのかどうか、そんなことも知らないのだった。
いくつか教えてもらった星座を探しながら、ぼんやりと考え事をしていると、いつの間にかとなりに彼女が座っていた。
「なにやってるの?」
「んー星を見てる」
「星かあ」
「そっちこそなにしにきたの」
「テントいなかったからこっちにいるのかなあと見に来た」
「そっか」
「そうそう」
彼女が肩を寄せてくる。重みと髪の感触と、そして体温が伝わってくる。
しばしの間会話が止まる。そのまま二人で星空をぼんやりとながめる。広々とした暗闇のなかで密着していると、なんだか二人の体ががとても小さくなったようにも感じられる。無限に広がる世界と小さな自分。小さな、小さな自分。無限大と無限小。そう、それは……
「星を見てると思うことがあってさ」
「ふうん。またどうせろくでもないことなんでしょ」
「まあろくでもないっていったらろくでもないかな」
「そうだと思った。いいよ。言ってみ?」
また、しばしの間会話が止まる。心地よい沈黙。二人を南風がつつみこむ。
「ここにぼくがいるのは奇跡なんだけど、でも考えてみるとそんなに奇跡でもないのかなって」
「なにそれ」
「昔いた世界には人間原理って理論があってさ」
「なにそれ」
「簡単にいうと、奇跡は実は奇跡ではないかもしれないって理論」
「どういうこと?」
「えっとさ、考えてみると、この世界は人間にすごく都合よくできているわけじゃん。海があって陸地があって、陸地の上は砂漠ばっかりじゃなくて川があって森があって、普通に生き物が過ごせてる環境がある。別にこれが全部砂漠で水が全然なくってもいいわけでさ。つまり人間がこの世界で生きているのは奇跡ってのがある」
「でもこの世界はそういう風に作られたわけだから当然なんじゃないの」
「この世界はそうかもしれないけれど、ぼくの元いた世界は造物主さまみたいなのはいないってことになってたからね。だからそういう環境ができていたのはすごい奇跡だと思われているわけ」
「まあそれならそうかもね」
「それが実は奇跡ではないんじゃないのってのが人間原理。理屈は単なる発想の逆転で、現にこうやって人間がいるのだからそういう環境なのは当然で奇跡ではないっていう理論」
「変なの。人間がいるのは奇跡だけど人間がいるから奇跡じゃないとか意味わかんない」
「で、人間原理の話にはまだ続きがあって」
「今度はなに」
「少なくともぼくの世界は、人間にすごく都合はいいんだけれども、でも都合よすぎるわけではないじゃん。その辺にそのまま食べられる食べ物が落ちているわけじゃないし、夏は暑いし冬は寒いし。もし造物主さまみたいなのがいたらもっと都合よく作ってくれてるはずで、そこの調節をミスってるってことは、誰かがミスったと考えるよりもたまたま偶然そうなったって思う方がいいだろうと」
「しかし敬虔なんだか不敬なんだかわかんないな。それに偶然っていうならやっぱり奇跡じゃん」
「確かに世界が一つしかないなら奇跡としかいいようがないけどね」
「なにそれ。まるで世界がたくさんあるみたいな……あ、でも実際に移動する人がいたわけだからたくさんあるのか」
「そうそう。ぼくが証拠。それでぼくが元いた世界と今いる世界は物理法則とかが微妙にちがう。で、微妙に違う世界が二つあるってことはたぶんお互いに微妙に違う世界がもっともっと一杯あって、きっと微妙どころではなくものすごく物理法則が違う世界も山のようにあるって思った方が自然でしょ」
「なにか自然かはわからないけど確かにそうかもね」
「お互いに微妙にことなる世界がたくさんあれば、そのなかにたまたま人間にとってわりと都合がよい世界があるのは偶然というよりは必然に近くて、でもその人間に都合がよい世界のほとんどは人間にとって都合が良すぎる世界ではなくなる。なぜなら誰かが完璧に微調整しているわけではないから。」
「なるほど―それで奇跡が奇跡でなくなると。」
「そうそう。でね、実はぼくがここにいるってのも同じじゃないかなって思うんだよね。」
「なにそれ。この世界はすごく都合がいいんだけど都合がよすぎないってこと?」
「そうそう。この世界に転移してきたわけだけど、普通に考えたら転移して即死するのが当然って気がするんだよね。」
「あー確かに。現に私に最初にあった時はスライムに消化されかかってたしね。あんなところに人が通りかかるのたぶん十年に一度くらいだし、ほんとよく生きてたよね。感謝してね」
「その節はどうも。生きて君にあえて本当によかったです。それはそれとして」
「あっちょっと待って、いま変なこと聞こえたんだけど」
「とにかく普通すぐに死ぬところ生きてただけでもすごく都合がいいのだけれども、でも都合が良すぎるわけじゃない。都合がよければいきなりスライムのエサになりかけたり、どこにでもあって誰でも食べてる食材で食中毒とアレルギーになって死にかけたりはしないはずだし、言葉に苦労することもないはずだからね」
「確かに出会って最初の一年くらいはほんとよく死にかけてたよなあ」
「そうその通り。この世界はぼくにとってそこまで都合がよい世界ではない。そしてそこから導かれるのは」
「奇跡だけど奇跡ではない」
「そういうことなんだと思う。たぶんこの世界にも、ぼくが昔いた世界にも、他の世界から来ている人は、それなりの数はいたんだと思う。たとえば十年に一人世界のどこかから人が消えて、そのかわり世界のどこかに人が一人増えたとしても、異世界と行き来している人がいるということが気がつかれることは、実際のところほとんどないと思う。」
「十年に一人だと少ないものね」
「でも、あの星それぞれが人々の住む世界だと思えば、この一瞬一瞬でものすごい数の人間が世界間を行き来していることになる。だからきっとぼくのように都合のよい世界を行き来できる人間も必ずいるはず。ぼくが生きてここにいるのは奇跡なんだけど、でもこういう奇跡に遭遇する人間はきっといっぱいいて、だからそういう人がいるのは奇跡ではない。人間原理よりぼくがここにいるのは必然である……というのは嘘なんだけども」
「あーうん、そうだね。その何、人間原理ってのが正しいとしても、いえるのはどこかの世界で誰かがそこそこ都合
よく転移したってだけだろうし。それ考えるとやっぱり今の理屈は嘘だしここにいるのは奇跡」
「いや、もうちょっと先に進もう」
「先って何よ先って」
「ものすごいたくさんの世界があるってことは、ものすごい似た世界もたくさんあるってことだから、ほとんど君と同じ人間が生きているこことほとんど同じ世界もきっとたくさんあって、たくさんあればその中のどこかには、きっとぼくとほとんど同じ人間が転移してきたに違いないから、やっぱりどこかの世界でこの出会いが起きるのは必然と考えられる」
「でもそのほとんど同じ人間たちのほとんどは死んでるわけだよね」
「たぶんそうなんだろうね」
「その出会った世界がたまたまこの世界だったのは造物主さまの目からみると必然かもしれないけれども中に住んでる私たちからしてみれば偶然だよね」
「でもきっと出会えた人間もたくさんいる」
「でもさっきの死んだ人の方が多いという予想でしょ」
「それはまずそうだろうね」
「……まあいいとしよう。それで結論は?」
「つまり、ものすごく大きなスケールでみれば、君とぼくが出会えたのは必然でつまり運命、みたいな」
「ふーん、そう」
「それだけ?」
「変な話につきあってやったんだ感謝しろ」
「えーちょっと恥ずかしかったのに」
「うるさい。こっちだって……」
「ん、なに?」
「なんでもない」
彼女は呆れたのか面白がっているのかわからない口ぶりで繰り返しなんでもないなんでもないというと、僕の方にめいっぱい体重をかけてきた。
ゆらり、ゆらり。二人はリズムにのって、押しつ押されつ、ゆっくりと左右に揺れる。彼女が噴き出して、ぼくも一緒になって笑う。そのままぼくは後ろにたおれ、彼女はぼくの胸の上に頭をのせる。生暖かくしかし心地よい風が顔をなぜ、ゆっくりと上下する胸に彼女の体温が伝わる。
仰向けになると視界を三百六十度の大空が埋め尽くす。雲一つない大空にきらめくのは数え切れないほどの星の光。でもそこに夏の大三角形はないしまた冬の大三角形もあるいは南十字星もない。
そんな場所でもぼくは生きている。呼吸し食事し歩いて走って泣いて笑って新しい友人を作り彼女と出会い日々を過ごしている。そう、それはまさに奇跡で、でもそれゆえにきっと必然なのだ。
流星が夜空を駆け抜ける。風がなぎ、世界の音が消える。星明かりの下に残るのは二人の呼吸と、そしてちいさな鼓動だけだった。
もしかしたらあのどれかがぼくが元いた星の太陽。でも多分あのどれでもない。遠く地平線から乳白色の天の河が立ち上がっている。その中に夏の大三角形を探してみる。地球から遠く離れた、おそらく宇宙の境界すらも越えたところにあるこの星の夜空には、そんなものはもちろんない。
岩の上に腰掛けて空を見上げると、未だ見慣れぬ空に流星が一瞬輝く。そういえば、帚星に願いをかける風習がこちらの世界にもあるのかどうか、そんなことも知らないのだった。
いくつか教えてもらった星座を探しながら、ぼんやりと考え事をしていると、いつの間にかとなりに彼女が座っていた。
「なにやってるの?」
「んー星を見てる」
「星かあ」
「そっちこそなにしにきたの」
「テントいなかったからこっちにいるのかなあと見に来た」
「そっか」
「そうそう」
彼女が肩を寄せてくる。重みと髪の感触と、そして体温が伝わってくる。
しばしの間会話が止まる。そのまま二人で星空をぼんやりとながめる。広々とした暗闇のなかで密着していると、なんだか二人の体ががとても小さくなったようにも感じられる。無限に広がる世界と小さな自分。小さな、小さな自分。無限大と無限小。そう、それは……
「星を見てると思うことがあってさ」
「ふうん。またどうせろくでもないことなんでしょ」
「まあろくでもないっていったらろくでもないかな」
「そうだと思った。いいよ。言ってみ?」
また、しばしの間会話が止まる。心地よい沈黙。二人を南風がつつみこむ。
「ここにぼくがいるのは奇跡なんだけど、でも考えてみるとそんなに奇跡でもないのかなって」
「なにそれ」
「昔いた世界には人間原理って理論があってさ」
「なにそれ」
「簡単にいうと、奇跡は実は奇跡ではないかもしれないって理論」
「どういうこと?」
「えっとさ、考えてみると、この世界は人間にすごく都合よくできているわけじゃん。海があって陸地があって、陸地の上は砂漠ばっかりじゃなくて川があって森があって、普通に生き物が過ごせてる環境がある。別にこれが全部砂漠で水が全然なくってもいいわけでさ。つまり人間がこの世界で生きているのは奇跡ってのがある」
「でもこの世界はそういう風に作られたわけだから当然なんじゃないの」
「この世界はそうかもしれないけれど、ぼくの元いた世界は造物主さまみたいなのはいないってことになってたからね。だからそういう環境ができていたのはすごい奇跡だと思われているわけ」
「まあそれならそうかもね」
「それが実は奇跡ではないんじゃないのってのが人間原理。理屈は単なる発想の逆転で、現にこうやって人間がいるのだからそういう環境なのは当然で奇跡ではないっていう理論」
「変なの。人間がいるのは奇跡だけど人間がいるから奇跡じゃないとか意味わかんない」
「で、人間原理の話にはまだ続きがあって」
「今度はなに」
「少なくともぼくの世界は、人間にすごく都合はいいんだけれども、でも都合よすぎるわけではないじゃん。その辺にそのまま食べられる食べ物が落ちているわけじゃないし、夏は暑いし冬は寒いし。もし造物主さまみたいなのがいたらもっと都合よく作ってくれてるはずで、そこの調節をミスってるってことは、誰かがミスったと考えるよりもたまたま偶然そうなったって思う方がいいだろうと」
「しかし敬虔なんだか不敬なんだかわかんないな。それに偶然っていうならやっぱり奇跡じゃん」
「確かに世界が一つしかないなら奇跡としかいいようがないけどね」
「なにそれ。まるで世界がたくさんあるみたいな……あ、でも実際に移動する人がいたわけだからたくさんあるのか」
「そうそう。ぼくが証拠。それでぼくが元いた世界と今いる世界は物理法則とかが微妙にちがう。で、微妙に違う世界が二つあるってことはたぶんお互いに微妙に違う世界がもっともっと一杯あって、きっと微妙どころではなくものすごく物理法則が違う世界も山のようにあるって思った方が自然でしょ」
「なにか自然かはわからないけど確かにそうかもね」
「お互いに微妙にことなる世界がたくさんあれば、そのなかにたまたま人間にとってわりと都合がよい世界があるのは偶然というよりは必然に近くて、でもその人間に都合がよい世界のほとんどは人間にとって都合が良すぎる世界ではなくなる。なぜなら誰かが完璧に微調整しているわけではないから。」
「なるほど―それで奇跡が奇跡でなくなると。」
「そうそう。でね、実はぼくがここにいるってのも同じじゃないかなって思うんだよね。」
「なにそれ。この世界はすごく都合がいいんだけど都合がよすぎないってこと?」
「そうそう。この世界に転移してきたわけだけど、普通に考えたら転移して即死するのが当然って気がするんだよね。」
「あー確かに。現に私に最初にあった時はスライムに消化されかかってたしね。あんなところに人が通りかかるのたぶん十年に一度くらいだし、ほんとよく生きてたよね。感謝してね」
「その節はどうも。生きて君にあえて本当によかったです。それはそれとして」
「あっちょっと待って、いま変なこと聞こえたんだけど」
「とにかく普通すぐに死ぬところ生きてただけでもすごく都合がいいのだけれども、でも都合が良すぎるわけじゃない。都合がよければいきなりスライムのエサになりかけたり、どこにでもあって誰でも食べてる食材で食中毒とアレルギーになって死にかけたりはしないはずだし、言葉に苦労することもないはずだからね」
「確かに出会って最初の一年くらいはほんとよく死にかけてたよなあ」
「そうその通り。この世界はぼくにとってそこまで都合がよい世界ではない。そしてそこから導かれるのは」
「奇跡だけど奇跡ではない」
「そういうことなんだと思う。たぶんこの世界にも、ぼくが昔いた世界にも、他の世界から来ている人は、それなりの数はいたんだと思う。たとえば十年に一人世界のどこかから人が消えて、そのかわり世界のどこかに人が一人増えたとしても、異世界と行き来している人がいるということが気がつかれることは、実際のところほとんどないと思う。」
「十年に一人だと少ないものね」
「でも、あの星それぞれが人々の住む世界だと思えば、この一瞬一瞬でものすごい数の人間が世界間を行き来していることになる。だからきっとぼくのように都合のよい世界を行き来できる人間も必ずいるはず。ぼくが生きてここにいるのは奇跡なんだけど、でもこういう奇跡に遭遇する人間はきっといっぱいいて、だからそういう人がいるのは奇跡ではない。人間原理よりぼくがここにいるのは必然である……というのは嘘なんだけども」
「あーうん、そうだね。その何、人間原理ってのが正しいとしても、いえるのはどこかの世界で誰かがそこそこ都合
よく転移したってだけだろうし。それ考えるとやっぱり今の理屈は嘘だしここにいるのは奇跡」
「いや、もうちょっと先に進もう」
「先って何よ先って」
「ものすごいたくさんの世界があるってことは、ものすごい似た世界もたくさんあるってことだから、ほとんど君と同じ人間が生きているこことほとんど同じ世界もきっとたくさんあって、たくさんあればその中のどこかには、きっとぼくとほとんど同じ人間が転移してきたに違いないから、やっぱりどこかの世界でこの出会いが起きるのは必然と考えられる」
「でもそのほとんど同じ人間たちのほとんどは死んでるわけだよね」
「たぶんそうなんだろうね」
「その出会った世界がたまたまこの世界だったのは造物主さまの目からみると必然かもしれないけれども中に住んでる私たちからしてみれば偶然だよね」
「でもきっと出会えた人間もたくさんいる」
「でもさっきの死んだ人の方が多いという予想でしょ」
「それはまずそうだろうね」
「……まあいいとしよう。それで結論は?」
「つまり、ものすごく大きなスケールでみれば、君とぼくが出会えたのは必然でつまり運命、みたいな」
「ふーん、そう」
「それだけ?」
「変な話につきあってやったんだ感謝しろ」
「えーちょっと恥ずかしかったのに」
「うるさい。こっちだって……」
「ん、なに?」
「なんでもない」
彼女は呆れたのか面白がっているのかわからない口ぶりで繰り返しなんでもないなんでもないというと、僕の方にめいっぱい体重をかけてきた。
ゆらり、ゆらり。二人はリズムにのって、押しつ押されつ、ゆっくりと左右に揺れる。彼女が噴き出して、ぼくも一緒になって笑う。そのままぼくは後ろにたおれ、彼女はぼくの胸の上に頭をのせる。生暖かくしかし心地よい風が顔をなぜ、ゆっくりと上下する胸に彼女の体温が伝わる。
仰向けになると視界を三百六十度の大空が埋め尽くす。雲一つない大空にきらめくのは数え切れないほどの星の光。でもそこに夏の大三角形はないしまた冬の大三角形もあるいは南十字星もない。
そんな場所でもぼくは生きている。呼吸し食事し歩いて走って泣いて笑って新しい友人を作り彼女と出会い日々を過ごしている。そう、それはまさに奇跡で、でもそれゆえにきっと必然なのだ。
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