転生百景

萩原穂

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 彼の突然の出現は時空を揺るがした。しかしそれ大質量の天体運動に比べれば遙かに遙かに小さく、その出現に気づいた存在はその宇宙のどこにもいなかった。彼の肉体は光を十分に反射するにはあまりにも小さく、かといって徐々に冷えていく彼の体から発せられるエネルギーを測定するのも困難である。彼がその宇宙の住人に見いだされる日が果たしてくるかどうかを知る人はいない。
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