30 / 43
本編
YOUはどうして学院へ?
しおりを挟む
ルーカス曰く、セドリックの母親は公爵の意に反して計画妊娠した。
彼女はただ一方的に、地位の高い男に弄ばれた田舎娘ではなかった。
利口でないのはその通りだが、野心家でもあったので、避妊に協力するふりをして公爵を裏切った。
堕胎可能な期間を過ぎてから妊娠していることを明かし、胎の子の母親として『相応の地位』を要求した。
浅はかな策略に公爵は激怒し、生まれた子供は庶子としてすら認知せずに愛人の弟に引き取らせた。
出産を終えた彼女は公爵に捨てられ、片付けられるように男爵家に嫁がされた。
養子では無く、実子として届け出しているので子供――セドリックは、法的には公爵の子でも、愛人の子でもない。
本来なら、彼は単なる子爵家の庶子として生きるはずだったが、公爵家の唯一の子供が問題児だったために、公爵は保険としてセドリックの養育に干渉するようになった。
ちなみに公爵夫人との間に新しい子供をもうける、という選択肢はない。
一度出産を経験した夫人が「二度と嫌だ。男児を産んだのだから、義務は果たしたはずだ」と強く拒否したからだ。
「二人は年子ですね。経緯はどうであれ、男爵と愛し合ったからリカルドが産まれたんですかね」
「子供を使って成り上がろうとした女が、たった数ヶ月で変わるとは思えん。嫁ぎ先で自分の立場を守るためだろうな」
年の離れた男爵には、既に息子がいた。
夫亡き後、継子が当主になれば追い出されかねない。
『男爵家で居場所を作るために体が回復し次第、急ぎ子供を作った』というのがルーカスの見解だった。
*
「すべて作り話とするには、上手くできすぎている。黒幕にとって都合がいいように、一部改変されたんだろう」
「セドリックとユリウスが共同制作をしていた。リカルドがその成果を盗んだ。セドリックはリカルドを憎んでいた――これは事実だと思います」
老人の目撃証言と暴力事件は、圧力がかかる余地のない純然たる事実だ。
ミシェルはルーカスの意見に頷き、ひとつ挙げるたびに指を立てた。
「目撃者がいるから、リカルドが自分から飛び降りたのは間違いない」
「廊下にいた生徒と教師ですね」
あの日は、図書委員の集まりがあった。
寄贈された本をクリーニングして、ラベリングするために、騎士科・普通科合わせて十数名が空き教室で作業していた。
作業を終えた彼等は、本を運んでいるときにリカルドの身投げに遭遇した。
大人数で立場もバラバラなので、口裏を合わせるのは困難。作業日と場所は工作できるが、解散のタイミングを操作するのは至難の業だ。
故にリカルドが飛び降りたときに側に人がいなかったのも、彼が自分から窓を乗り越えたのも事実。
「公権力や報道に圧力をかけられる人間は限られている。理由は小説の盗作なんて小さな問題じゃないはずだ」
個人間のトラブルであり、出版社が被る損害も経済に影響を与えるほどではない。
二人とも弱小貴族の子供だ。今はまだ何者でもない一介の学生であり、権力者が警戒するような相手ではなかった。
「リカルドは、特別なバックグラウンドのない一般市民だ。なにかあるとすれば、王位継承権を持つ父の血をひくセドリックの方だ」
母方の血筋により順位は低いが、公爵が認知すればセドリックにも王位継承権が発生する。
「セドリック先輩が、王位継承権を持つと困る人物が関わっているんでしょうか……? もしそうなら先輩を保険にしていた公爵閣下と、先輩より継承権が高い人物は除外ですね」
「……」
頭の中で該当者をリストアップしているのか、ルーカスは返事をせずに瞳を閉じた。背もたれに体重を預け、ゆらゆらと椅子を揺らす。
「……世界観と人物だけじゃなく、出来事も酷似している。たまたま俺の小説と一部同調した別世界ではなく、あの小説の世界とみて間違いない」
形の良い唇から、独り言のような呟きがこぼれ落ちる。
「そうですか? ルーカス様から聞いた話とだいぶズレてるように思いますよ」
思考を整理するために小さく声に出したのだろうが、ミシェルは反応せずにはいられなかった。
彼女の言葉に、ルーカスはパチリと目を開けた。
「そこだ。ズレたのには理由があるはずだ。……原作と違うといえばお前もだな。どうして弟の身代わりになったんだ?」
「前にも話したじゃないですか。貴族家の男児は入学が義務だけど、ミハイルに集団生活は無理だからです」
学校に通っている間は、創作活動の時間がセーブされる。ミハイルには不満だろうが、伯爵家の財政は充分回復したので、絵による収入が減ったところで困ることは無い。
本物のミハイルを入学させなかったのは、ひとえに彼自身が適応できそうにないからだ。
「……いきさつを詳しく話せ。身代わりなんてものを思いついた切っ掛け、そこから入学するまでの流れを説明しろ」
*
ミハイルは何年もろくに人と関わらずに生きてきた。
従兄弟と話したことで『いきなり学校に放り込んだら、いじめられるかもしれない』と気付いたミシェルは、予行練習させて問題なさそうか確認することにした。
彼女は父の許可を取り『伯爵家の遠い親戚の子』として、弟を若手が多い訓練所に放り込んだ。
訓練所は敷地内の宿舎で寝起きし、日中は行動訓練を行う。その生活サイクルは、寮で暮らすアドリア学院騎士科の生活と似ている。
訓練所では規則正しい生活が求められるが、運動量としてはそこまでハードではないので、試すにはもってこいの環境だった。
成長期を迎える前に引きこもりになったので、現場の騎士達はミハイルを見ても団長の息子とは気付くまい。
似ていると思ったところで、親戚ならばさもありなんと納得するだろう。
弟がちゃんとやれているか審査するために、現場を指揮する隊長には事情を話し、冬休み中だったアランにも協力してもらった。
アランもバルト伯爵家の親戚なので、『卒業後の進路を考えるための体験入団』として訓練所生活してくれた。
本来なら実家でゆっくり過ごすはずだったのに、彼は嫌な顔をせず二つ返事で引き受けてくれた。
貴重な休みを費やして、協力してくれた従兄弟には感謝しかない。
部屋は六名一室の大部屋なので、二人を同室にすることでフォローしてもらいつつ、他のメンバーとミハイルの様子を確認してもらった。
上司の方は「積極性に欠けるが、大きなトラブルは起こしていない」という結論を出したが、アランの方は「団長の血縁ということで表に出さないが、不満がたまっている。不満の原因は縁故採用ではなく、情報共有ができないこと、自主的に動かないこと、問題を指摘された際の反応が薄いこと」と看過できない内容の報告をあげた。
ミハイルは口下手だ。
リカルドの言い訳ではないが、言葉で自分の気持ちを表現したり、対話による問題解決ができないフラストレーションを絵で昇華していた男だ。
依頼されて絵を描くことはあったが、それは顧客が提出した要望をただ叶えるだけで、彼から提案したりはしなかった。
報告、連絡、相談、交渉……そういった、他者と連携して物事を進めるためのコミュニケーション能力がミハイルには欠如していた。
本来であれば成長と共に学ぶべきスキルなのに、人との関わりを絶っていたために育てられず、僅かに残っていた能力も己の内側にこもる日々で退化してしまったのだ。
数年の間に伯爵家の人間はすっかり慣れてしまったが、彼の事情を知らない者達からすれば、ミハイルは愛想がなく、態度も悪い人物としてうつるようだった。
ベースとなる部分で躓いているので、ミハイルの就学は危険だと判断した。
ミシェルが代わりに通うという案に、父である伯爵は最後まで反対したが、従兄弟にもアシストしてもらい何とか説き伏せた。
彼女が通うのなら、入学先はアドリア学院の騎士科一択だった。
名の知れた伯爵家の嫡男なので、同学院の普通科は論外。
家の格からしてアドリアが妥当なので、他校を選べば悪目立ちしてしまう。
事情を知る身内がいる、というメリットもあったが、彼女はくるべくしてこの学院にやってきたのだ。
彼女はただ一方的に、地位の高い男に弄ばれた田舎娘ではなかった。
利口でないのはその通りだが、野心家でもあったので、避妊に協力するふりをして公爵を裏切った。
堕胎可能な期間を過ぎてから妊娠していることを明かし、胎の子の母親として『相応の地位』を要求した。
浅はかな策略に公爵は激怒し、生まれた子供は庶子としてすら認知せずに愛人の弟に引き取らせた。
出産を終えた彼女は公爵に捨てられ、片付けられるように男爵家に嫁がされた。
養子では無く、実子として届け出しているので子供――セドリックは、法的には公爵の子でも、愛人の子でもない。
本来なら、彼は単なる子爵家の庶子として生きるはずだったが、公爵家の唯一の子供が問題児だったために、公爵は保険としてセドリックの養育に干渉するようになった。
ちなみに公爵夫人との間に新しい子供をもうける、という選択肢はない。
一度出産を経験した夫人が「二度と嫌だ。男児を産んだのだから、義務は果たしたはずだ」と強く拒否したからだ。
「二人は年子ですね。経緯はどうであれ、男爵と愛し合ったからリカルドが産まれたんですかね」
「子供を使って成り上がろうとした女が、たった数ヶ月で変わるとは思えん。嫁ぎ先で自分の立場を守るためだろうな」
年の離れた男爵には、既に息子がいた。
夫亡き後、継子が当主になれば追い出されかねない。
『男爵家で居場所を作るために体が回復し次第、急ぎ子供を作った』というのがルーカスの見解だった。
*
「すべて作り話とするには、上手くできすぎている。黒幕にとって都合がいいように、一部改変されたんだろう」
「セドリックとユリウスが共同制作をしていた。リカルドがその成果を盗んだ。セドリックはリカルドを憎んでいた――これは事実だと思います」
老人の目撃証言と暴力事件は、圧力がかかる余地のない純然たる事実だ。
ミシェルはルーカスの意見に頷き、ひとつ挙げるたびに指を立てた。
「目撃者がいるから、リカルドが自分から飛び降りたのは間違いない」
「廊下にいた生徒と教師ですね」
あの日は、図書委員の集まりがあった。
寄贈された本をクリーニングして、ラベリングするために、騎士科・普通科合わせて十数名が空き教室で作業していた。
作業を終えた彼等は、本を運んでいるときにリカルドの身投げに遭遇した。
大人数で立場もバラバラなので、口裏を合わせるのは困難。作業日と場所は工作できるが、解散のタイミングを操作するのは至難の業だ。
故にリカルドが飛び降りたときに側に人がいなかったのも、彼が自分から窓を乗り越えたのも事実。
「公権力や報道に圧力をかけられる人間は限られている。理由は小説の盗作なんて小さな問題じゃないはずだ」
個人間のトラブルであり、出版社が被る損害も経済に影響を与えるほどではない。
二人とも弱小貴族の子供だ。今はまだ何者でもない一介の学生であり、権力者が警戒するような相手ではなかった。
「リカルドは、特別なバックグラウンドのない一般市民だ。なにかあるとすれば、王位継承権を持つ父の血をひくセドリックの方だ」
母方の血筋により順位は低いが、公爵が認知すればセドリックにも王位継承権が発生する。
「セドリック先輩が、王位継承権を持つと困る人物が関わっているんでしょうか……? もしそうなら先輩を保険にしていた公爵閣下と、先輩より継承権が高い人物は除外ですね」
「……」
頭の中で該当者をリストアップしているのか、ルーカスは返事をせずに瞳を閉じた。背もたれに体重を預け、ゆらゆらと椅子を揺らす。
「……世界観と人物だけじゃなく、出来事も酷似している。たまたま俺の小説と一部同調した別世界ではなく、あの小説の世界とみて間違いない」
形の良い唇から、独り言のような呟きがこぼれ落ちる。
「そうですか? ルーカス様から聞いた話とだいぶズレてるように思いますよ」
思考を整理するために小さく声に出したのだろうが、ミシェルは反応せずにはいられなかった。
彼女の言葉に、ルーカスはパチリと目を開けた。
「そこだ。ズレたのには理由があるはずだ。……原作と違うといえばお前もだな。どうして弟の身代わりになったんだ?」
「前にも話したじゃないですか。貴族家の男児は入学が義務だけど、ミハイルに集団生活は無理だからです」
学校に通っている間は、創作活動の時間がセーブされる。ミハイルには不満だろうが、伯爵家の財政は充分回復したので、絵による収入が減ったところで困ることは無い。
本物のミハイルを入学させなかったのは、ひとえに彼自身が適応できそうにないからだ。
「……いきさつを詳しく話せ。身代わりなんてものを思いついた切っ掛け、そこから入学するまでの流れを説明しろ」
*
ミハイルは何年もろくに人と関わらずに生きてきた。
従兄弟と話したことで『いきなり学校に放り込んだら、いじめられるかもしれない』と気付いたミシェルは、予行練習させて問題なさそうか確認することにした。
彼女は父の許可を取り『伯爵家の遠い親戚の子』として、弟を若手が多い訓練所に放り込んだ。
訓練所は敷地内の宿舎で寝起きし、日中は行動訓練を行う。その生活サイクルは、寮で暮らすアドリア学院騎士科の生活と似ている。
訓練所では規則正しい生活が求められるが、運動量としてはそこまでハードではないので、試すにはもってこいの環境だった。
成長期を迎える前に引きこもりになったので、現場の騎士達はミハイルを見ても団長の息子とは気付くまい。
似ていると思ったところで、親戚ならばさもありなんと納得するだろう。
弟がちゃんとやれているか審査するために、現場を指揮する隊長には事情を話し、冬休み中だったアランにも協力してもらった。
アランもバルト伯爵家の親戚なので、『卒業後の進路を考えるための体験入団』として訓練所生活してくれた。
本来なら実家でゆっくり過ごすはずだったのに、彼は嫌な顔をせず二つ返事で引き受けてくれた。
貴重な休みを費やして、協力してくれた従兄弟には感謝しかない。
部屋は六名一室の大部屋なので、二人を同室にすることでフォローしてもらいつつ、他のメンバーとミハイルの様子を確認してもらった。
上司の方は「積極性に欠けるが、大きなトラブルは起こしていない」という結論を出したが、アランの方は「団長の血縁ということで表に出さないが、不満がたまっている。不満の原因は縁故採用ではなく、情報共有ができないこと、自主的に動かないこと、問題を指摘された際の反応が薄いこと」と看過できない内容の報告をあげた。
ミハイルは口下手だ。
リカルドの言い訳ではないが、言葉で自分の気持ちを表現したり、対話による問題解決ができないフラストレーションを絵で昇華していた男だ。
依頼されて絵を描くことはあったが、それは顧客が提出した要望をただ叶えるだけで、彼から提案したりはしなかった。
報告、連絡、相談、交渉……そういった、他者と連携して物事を進めるためのコミュニケーション能力がミハイルには欠如していた。
本来であれば成長と共に学ぶべきスキルなのに、人との関わりを絶っていたために育てられず、僅かに残っていた能力も己の内側にこもる日々で退化してしまったのだ。
数年の間に伯爵家の人間はすっかり慣れてしまったが、彼の事情を知らない者達からすれば、ミハイルは愛想がなく、態度も悪い人物としてうつるようだった。
ベースとなる部分で躓いているので、ミハイルの就学は危険だと判断した。
ミシェルが代わりに通うという案に、父である伯爵は最後まで反対したが、従兄弟にもアシストしてもらい何とか説き伏せた。
彼女が通うのなら、入学先はアドリア学院の騎士科一択だった。
名の知れた伯爵家の嫡男なので、同学院の普通科は論外。
家の格からしてアドリアが妥当なので、他校を選べば悪目立ちしてしまう。
事情を知る身内がいる、というメリットもあったが、彼女はくるべくしてこの学院にやってきたのだ。
6
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
ゲームの序盤に殺されるモブに転生してしまった
白雲八鈴
恋愛
「お前の様な奴が俺に近づくな!身の程を知れ!」
な····なんて、推しが尊いのでしょう。ぐふっ。わが人生に悔いなし!
ここは乙女ゲームの世界。学園の七不思議を興味をもった主人公が7人の男子生徒と共に学園の七不思議を調べていたところに学園内で次々と事件が起こっていくのです。
ある女生徒が何者かに襲われることで、本格的に話が始まるゲーム【ラビリンスは人の夢を喰らう】の世界なのです。
その事件の開始の合図かのように襲われる一番目の犠牲者というのが、なんとこの私なのです。
内容的にはホラーゲームなのですが、それよりも私の推しがいる世界で推しを陰ながら愛でることを堪能したいと思います!
*ホラーゲームとありますが、全くホラー要素はありません。
*モブ主人のよくあるお話です。さらりと読んでいただけたらと思っております。
*作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。
*小説家になろう様にも投稿しております。
最弱悪役令嬢に捧ぐ
クロタ
ファンタジー
死んで乙女ゲームの最弱悪役令嬢の中の人になってしまった『俺』
その気はないのに攻略キャラや、同じ転生者(♂)のヒロインとフラグを立てたりクラッシュしたりと、慌ただしい異世界生活してます。
※内容はどちらかといえば女性向けだと思いますが、私の嗜好により少年誌程度のお色気(?)シーンがまれにあるので、苦手な方はご注意ください。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
逃げて、追われて、捕まって (元悪役令嬢編)
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で貴族令嬢として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
*****ご報告****
「逃げて、追われて、捕まって」連載版については、2020年 1月28日 レジーナブックス 様より書籍化しております。
****************
サクサクと読める、5000字程度の短編を書いてみました!
なろうでも同じ話を投稿しております。
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる