【R-18】知らなかった情熱

4.焦らされる快感

2人の指先はルリの身体を弄り始めた。

腰、首筋…

撫でるようないやらしい手つき。

けれど、肝心なところには触れてこない。



雪路が息のこもった声でつぶやく。

「キスしてもいいですか？」

「…っ！ダメ」

(なんでそんなこと聞くの…？)

ここまでする強引な2人のことだ。

キスだって力尽くで出来るはずなのに…

池屋がルリの腰を撫でながら

ねぇ、と甘い声で囁く。

「ちゅーされたい？」

「…だめ…だってばっ」

(もしかして…合意を求めてるってこと？)

唇はすでに触れそうな距離まで迫っている。

これまで逸らし続けていた視線を

2人に向ける。

熱のこもった、真っ直ぐな瞳。

「「もっと触れさせて」」

まるでそんな風に言われているみたいだ。

(キスは合意を表すってこと…なのね)



尚更口付けを許すわけにはいかない。



「俺、ルリさんにもっと触りたい…っ」

池屋が耳を甘噛みしながら言った。

「もう少し強引にするけど、許して」

「えっ！？」

非難の声をあげる間もなく、

池屋のごつごつとした男らしい手が

するりと太ももを撫でた。

「あ…っ」

やわやわとした刺激が

突然艶かしいものになり、

ルリの声も一層甘くなる。

雪路はウエストの辺りを撫でていた手を

腰へ尻へ、ゆっくり下ろしながら、

「もっと可愛い声聞かせてください…」

ルリの頬にそっと口付けた。

少し眉をひそめた雪路は

「ルリさん、ごめんね」

そう呟くと、腰にあった手を

ルリのスカートの中へ一気に伸ばした。



下半身を弄る２つの手…

しかし、1番熱を持つ”そこ”に

2人は決して触れない。

「ねぇ、キスさせて。
もっと気持ち良くしてあげられるよ」

池屋が息を荒げながら言う。


「…認めて」

雪路はルリのショーツのラインをなぞる。

彼女のそこは、疼きを強めていた。



池屋の力強い腕に強く抱きしめられたら…

雪路の長い指で、体の奥まで触れられたら…

考えてしまう。



(キスさえ許せば、触ってもらえる…？)

けれど、許してしまえば

認めてしまうことになる。

“触れられたい”と。

池屋の指は太ももを撫でながら

そろそろと熱を持つ場所へ登ってゆく。

雪路は秘部だけを外して

やわやわとルリの下半身を弄る。




(こんなに焦らされたことない…)

(苦しい…でも…)



夫のやや簡易的な行為は

ルリにとってとっくに

“物足りないもの”になっていたのだ。

初めて知ってしまった

焦らされるという名の快感…。

この我慢の先にある悦びを

ルリは知りたくなっていた。

身体が、心が、

必死で最後の抵抗をしている。

池屋と雪路の指が

ルリの1番弱い部分を外して

すっと線を描く。


「も…だめ…」

ルリの瞳は潤み、頬は上気する。

もう限界だった。




「キス…して…っ」




「「よくできました」」


雪路の唇が重なると同時に、

池屋の指が秘部に触れた。