6 / 6
6~おまけの後日談~
しおりを挟む
時は過ぎて、先日私とルシフェスは結婚式を挙げました。それはそれは幸せな………ドン引きものの結婚式でしたが、さておき………え?聞きたいですか?
まあ、ルシフェスの独自の誓いの言葉がやたら長かったと言いましょうか……。
『おじょ……ソフィ様を生涯、死んでも、来世でも、幸せにし誰にも渡すことなく浮気などせず……いえ、するはずもありませんがソフィ様だけを見つめ、恋し、愛し、全てを捧げる所存です。また、ソフィ様の敵になろうものなら国を滅ぼし、捨てる覚悟でいつかはソフィ様に世界を捧げるほどの愛を……』
以下省略としましょう。随分と重い誓いの言葉に私を含めて周囲は最初こそひきつった笑みでしたが、最後にはドン引きすら通り越して白けておりました。気持ちは嬉しいんですけど、誓いの言葉に3時間はやりすぎでしょう。
皆様も忙しい中来てくださってるでしょうに。まあ何かしら予感はあったので、お父様に頼んだりして皆様に謝礼は用意させておりましたが。
頑張ってくださいと何故結婚式に憐れまれなければならいのか……どなたか教えてくださいます?まあ、挨拶に来る人たちを威嚇せず私の自慢話で終わらせる辺りまだマシだったかもしれません。
誰もが挨拶で余計疲れきっておいででしたが。まあ人の惚気ほど疲れるものはないでしょうしね。にしてもルシフェスもよく私をそこまで違う言葉で自慢できるものだと感心いたしました。褒めこそはしませんが。
目の前でひとりひとりに惚気られてみなさい。居たたまれないでしょう?
「お嬢様、何をお考えで?」
「……結婚式のことを」
そんな過去を想っていればご本人が登場いたしました。結婚式でこそソフィと呼び直したのに、結婚後はまたお嬢様戻りです。
もちろん夫婦なのだからと注意はいたしましたけどこれが落ち着くのだから二人の時くらいはと言われて折れました。でもね、夫婦二人だからこそこれでいいのかとなりません?
「結婚式ですか、あれは失敗いたしました……」
「? そうなのですか?」
そんな呼び名について考えていれば思わぬ言葉に少し驚きます。まさか一番満足そうにしていたルシフェスから失敗と聞くなんて思いもしませんでしたから。
「お嬢様の魅力を広めすぎました……私は自分で自分の敵を作りすぎた可能性が大いにあります………っ!」
………まあ、そんなことだろうと思いましたよ。ええ。
「私をソフィと呼ぶ限りは私はルシフェスしか見えないわよ」
「………っ!そ、そんな……」
「妻の名前くらい言いなさい…………寂しいでしょ」
「ソフィ様ーっ!」
感極まって私に抱きつくルシフェス。結局どんなに呆れてどうしようもないルシフェスでも私への愛に嘘はなく、私もまたルシフェスを愛している自覚がある今どうしようもなくその今が幸せで仕方ないのです。
もう、この人のせいで何の話をするのかすっかり忘れてしまいました。またお話は思い出したらその内ね?
おわり
あとがき2
思ったよりお気に入り登録されることに喜びを感じ書いてしまいました。ありがとうございます!
まあ、ルシフェスの独自の誓いの言葉がやたら長かったと言いましょうか……。
『おじょ……ソフィ様を生涯、死んでも、来世でも、幸せにし誰にも渡すことなく浮気などせず……いえ、するはずもありませんがソフィ様だけを見つめ、恋し、愛し、全てを捧げる所存です。また、ソフィ様の敵になろうものなら国を滅ぼし、捨てる覚悟でいつかはソフィ様に世界を捧げるほどの愛を……』
以下省略としましょう。随分と重い誓いの言葉に私を含めて周囲は最初こそひきつった笑みでしたが、最後にはドン引きすら通り越して白けておりました。気持ちは嬉しいんですけど、誓いの言葉に3時間はやりすぎでしょう。
皆様も忙しい中来てくださってるでしょうに。まあ何かしら予感はあったので、お父様に頼んだりして皆様に謝礼は用意させておりましたが。
頑張ってくださいと何故結婚式に憐れまれなければならいのか……どなたか教えてくださいます?まあ、挨拶に来る人たちを威嚇せず私の自慢話で終わらせる辺りまだマシだったかもしれません。
誰もが挨拶で余計疲れきっておいででしたが。まあ人の惚気ほど疲れるものはないでしょうしね。にしてもルシフェスもよく私をそこまで違う言葉で自慢できるものだと感心いたしました。褒めこそはしませんが。
目の前でひとりひとりに惚気られてみなさい。居たたまれないでしょう?
「お嬢様、何をお考えで?」
「……結婚式のことを」
そんな過去を想っていればご本人が登場いたしました。結婚式でこそソフィと呼び直したのに、結婚後はまたお嬢様戻りです。
もちろん夫婦なのだからと注意はいたしましたけどこれが落ち着くのだから二人の時くらいはと言われて折れました。でもね、夫婦二人だからこそこれでいいのかとなりません?
「結婚式ですか、あれは失敗いたしました……」
「? そうなのですか?」
そんな呼び名について考えていれば思わぬ言葉に少し驚きます。まさか一番満足そうにしていたルシフェスから失敗と聞くなんて思いもしませんでしたから。
「お嬢様の魅力を広めすぎました……私は自分で自分の敵を作りすぎた可能性が大いにあります………っ!」
………まあ、そんなことだろうと思いましたよ。ええ。
「私をソフィと呼ぶ限りは私はルシフェスしか見えないわよ」
「………っ!そ、そんな……」
「妻の名前くらい言いなさい…………寂しいでしょ」
「ソフィ様ーっ!」
感極まって私に抱きつくルシフェス。結局どんなに呆れてどうしようもないルシフェスでも私への愛に嘘はなく、私もまたルシフェスを愛している自覚がある今どうしようもなくその今が幸せで仕方ないのです。
もう、この人のせいで何の話をするのかすっかり忘れてしまいました。またお話は思い出したらその内ね?
おわり
あとがき2
思ったよりお気に入り登録されることに喜びを感じ書いてしまいました。ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
479
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。

5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新

誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。

【コミカライズ】今夜中に婚約破棄してもらわナイト
待鳥園子
恋愛
気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。
不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避の婚約破棄される予定の、その日の朝だった!
けど、後日談に書かれていた悪役令嬢の末路は珍しくぬるい。都会好きで派手好きな彼女はヒロインをいじめた罰として、都会を離れて静かな田舎で暮らすことになるだけ。
前世から筋金入りの陰キャな私は、華やかな社交界なんか興味ないし、のんびり田舎暮らしも悪くない。罰でもなく、単なるご褒美。文句など一言も言わずに、潔く婚約破棄されましょう。
……えっ! ヒロインも探しているし、私の婚約者会場に不在なんだけど……私と婚約破棄する予定の王子様、どこに行ったのか、誰か知りませんか?!
♡コミカライズされることになりました。詳細は追って発表いたします。
悪役令嬢は推し活中〜殿下。貴方には興味がございませんのでご自由に〜
みおな
恋愛
公爵家令嬢のルーナ・フィオレンサは、輝く銀色の髪に、夜空に浮かぶ月のような金色を帯びた銀の瞳をした美しい少女だ。
当然のことながら王族との婚約が打診されるが、ルーナは首を縦に振らない。
どうやら彼女には、別に想い人がいるようで・・・
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる