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「本気とか本気じゃないとかはもうどうでもいいので………話して。聞いてることだけを」

「……っマリア」

「立場も理解できないようで。罪の追加が必要のようね」

「な……っ」

改めて話すとここまでイライラする相手だっただろうか?と感じるが、それもステイの本性を知ったからこそかもしれない。というか話が進まないから早く聞きたいことだけ話してほしいのだけど。

「無駄話をしにきたつもりはないわ。さっさと知ってること話なさい」

「……わかりました。その前にイチ様の母親はそちらですか?」

被害者面したいのか、どこか辛そうにしながらもようやく本題に入れそうだ。本題の前にミリーナ様について訪ねてくる辺り、やはりゼロの母親とミリーナ様に繋がりがあるということだろうか?

「ええ、ミリーナ・ファブレよ。私に何か気になることが?」

「まあ……案外普通に見えたので驚いただけです」

ミリーナ様が普通に見えて驚いた?一体ステイの中で、ミリーナ様はどんな人だったのか。そう思っていた理由はやっぱりステイが知る秘密にある?

「……貴方とは初対面のはずだけれど」

「まあ、名前だけ知ってたというか」

イチ様と同じで……ということね。ステイが何を知っているかは誰も知らないだけに、ミリーナ様の表情は固い。恐らく証拠になりうるものさえわかっている可能性があるのだから。

「ゼロの母親の名前もわかるの?」

「キャロエ……だったと思います」

間違ってない。さすがにしばらく期間を置いたせいかうろ覚えな部分はありそうだけれど、ある程度は覚えていそうだ。

「知っていることを全部教えてくれ………母さんと叔母さんは関係があったのか?叔母さんが何か母さんにしたのか?」

「叔母さん……って言うのはそのミリーナって人………だよね?」

「あ、ああ、そうだ」

さすがに名前を出されないとステイは混乱するようだ。家族関係まで把握しきれていないのだろうか?いや、すぐ確認できた辺り、今曖昧な記憶を整理しているのかもしれない。

ステイが知る秘密はひとつや二つではないだろうから。とにかく思い出せる部分だけでもいいから聞けたら真実に近づけるだろう。

ゼロも本当のことを知りたいからか、今のところステイに対して復讐心は見られない。まあ、真実を知って、周りまで巻き込む気がなくなったのかもしれないが。

「大したことを知ってるわけじゃない……ですけど、キャロエって人のことはあくまでついでに知っただけで、主にミリーナ様についてになるんですけど」

「ミリーナ様について?」

キャロエさんとの関係以外でミリーナ様に何か……秘密があるということ?でもそれがキャロエさんにも関係するかもしれないことを考えれば聞く以外の選択肢はない。

「はい、ミリーナ様は行き過ぎた人間観察が趣味って話……です」

なんでもいいから聞かせてもらおうと返事をする前に、ステイは話してくれた。その気になる一文を。

まさかの人間観察。ただ、行き過ぎたという点が非常に気になるのは………私だけだろうか?
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