みんなもやってるから浮気ですか?なら、みんながやってるので婚約破棄いたしますね

荷居人(にいと)

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そんな日を挟んで3日ほど経った頃、母は平民相手に制裁する準備しきったらしい。何故か制裁を決めた日よりも顔が怖い。

「お母様、あの………大丈夫ですか?」

「おほほほほ、大丈夫よ?ここまでとは思わなかっただけで………本当どうしてやろうかしら?」

一体何が母をここまで怖くさせたのか。口は笑っているのに目は笑っていない。父もそれは同じで、兄も無表情で何を考えているのかわからない。

父と兄は忙しそうだったし、母はいろんな意味で燃え上がっていて声をかけられなかった。そのため、今になるまで何も聞かなかったけれど、調査結果がそれほど酷かったのだろうか?私が知るのは三人……もっと人数がいたとか?

「その制裁前に調査結果を聞いても?任せっきりにしてしまいながら図々しいかもしれませんが………」

「何を言ってるの!私たちはあなたのためにしたくてしていることよ!……とはいえ、一番知るべきマリアが把握してないなんて私のミスね。思わぬ調査結果にイライラしすぎたようだわ」

「それは一体……」

「ステイの子供を妊娠している平民がいるのよ」

「………え?」

性的な浮気を全く考えなかったとは言わないけれど、驚きは隠せなかった。子供ができるとはつまりそういうことだから。今更どうでもいいけど、どこまでも私を裏切りながらよく婚約破棄を撤回しようだなんて言えたなと軽蔑どころではない。正直一発平手打ちくらいはしてもよかったかもしれない。

二度目以降は調査を渋ってしまったせいで今更こんなことを思うなんて。

「一応その平民の男関係を調べはしたけどステイだけなのよ。他にも相手がいたならステイの子とは限らなかったけれど……本当どこまでも失望させてくれるわ。失望するほどの望みもなかったけれど」

確実にステイの子とわかってしまう事実に、母の怒りも理解できた。その平民の子はステイ以外に相手がいないことからすると、ステイに本気だった可能性もある。

もしかすると婚約破棄を願ったあの子かもしれない。そりゃ身体を許して、貴族の子供を作れば、調子に乗るバカもいるわよね。

「浮気の人数は何人ですか?」

「三人よ。浮気はひとりずつしていたみたい。必ず別れてから次の人物といった感じみたいね。身体の関係を最後まで持ったのは最後の子だけみたいね。一人目、二人目も軽い接触はあったようだけど」

三人……私が知った人数と会うのは偶然じゃないだろう。私にバレたら、変えていたということ。とはいえ、軽い接触程度の浮気から何故三人目だけ扱いが変わったのだろう?まあ、浮気するような人の心理などわかるはずもないか。

所謂ステイも性的なものに興味を持った結果なのだろう。本当にやること為すこと知れば知るほど汚らわしい……。

でもどんな人の子であれ、子供に罪はない……。お母様は妊婦相手にどう制裁するつもりなのだろう?

「まずはちゃちゃっと片付けられる方から出向きましょう。どちらも今日は家にいることは調べがついているわ」

こうして始まったステイの浮気相手への制裁の時間。一人、二人目はかなり日が経ってはいるけれど、だからといって制裁ができないわけではない。罪を問うことは当然できる。

人様の……しかも貴族の婚約者にちょっかいを出したのだから今更と言われようがしっかり罰を受けてもらおう。あの時私が傷ついた分、しっかりと。
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