主人の僕を悪役にはさせません?何を言っているかわからないけどうちの従者は有能でやばい人~スラムの子を拾った結果~

荷居人(にいと)

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受け継ぐ血~ループ公爵家次男視点~

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最近何かがおかしい。いや、何かがじゃない。俺たちの家族関係がまるでガラスの破片がひとつふたつと落ちていくように崩れていっている気がした。

「ダアメオ様、誠に申し訳ありません。お望みのものは手に入れれません」

頼めば手に入らないものはなかった俺に初めて入手できないことを使用人に告げられた日からきっとそれは始まりを告げていたのだろう。

「は?役立たずな使用人はいらねぇよ!」

「そんな……」

使用人を切って切って気がつけば俺を気にかける使用人すらいなくなった。

「父上、俺のとこに使用人が……」

それを父に言いにいこうとした時、初めて父が怖いと感じたのを今でも覚えている。

「私は忙しい。自分のことぐらい自分でしろ。使用人を勝手に切ったのは貴様だろう」

冷たい視線は俺をまるでゴミでも見るようなそんな目で、やばいとそう恐怖に駆られた。それは幾度と母親殺したる三男に向けてきた父の視線だったからに他ならない。

知っている目だからこそ恐れられずにはいられないのだ。父に見捨てられれば俺は三男のような扱いになるのが目に見えている。

「どうしようどうしようどうすれば………!」

何故?という疑問よりも焦りの方が勝っていた。今まで父に愛されてきたつもりだったからこそ信じられない気持ちになる。

だけど、確かにあの目は俺に向けられていて何かの間違いだと思いたくとも事実は消えない。

「兄上……!兄上……!」

そして焦りの先に思い付いたのは最後の頼りであるただひとりの兄。もはや父に兄に甘えてばかりだった俺には考える力などひとかけらもない。

真面目で優しい兄上ならば俺が父上に見捨てられるかもと泣きつけばそんなことはないと否定して大丈夫だよときっと助けてくれる。だって兄上はあのエンドでさえも気にかけていたのを俺だけは知っているから。

だから兄上が俺を見捨てるなんてありえない。

「兄上!父上が……!兄上?何してるんですか?」

「……王族を殺そうとした父上の証拠をまとめているだけだよ」

ありえない

「へ?」

ありえないありえない

「これは陛下に提出すれば父上は処刑になるだろう。ループ家もただじゃすまない」

ありえないありえないありえない!

「そんな……!なんで、どうして……!父上を裏切るのですか!」

「父上はエンド殿下を殺そうとしたんだ」

「だからなんですか!父上はただ母上を殺したものが王族にはふさわしくないからと判断しただけでしょう?」

「ダアメオ、お前もエンド殿下は死んでいいと?死ぬべきだと?」

「当然でしょう?」

「………お前だけはわかってくれると思っていた」

「兄上……?」

「出ていってくれ」

「あに……」

「出ていけ!」

「ひぃ……っ」

止めなきゃいけないと思いながらも自ら破滅を歩むなんてありえないことだから、初めて怒る兄上が怖かったのもあるけどきっと明日になれば父上も兄上も元通りになるはずだと信じてその日は怯えながら部屋にこもる以外できなかった。

しかし、翌日父上の怒鳴り声に俺は兄上が言っていたことを実行したのだと悟る。

「なんで、なんでだよぉ……っ」

気がつけば俺の周りには誰もいない。誰も助けてはくれない。ただあるのは絶望的な未来への恐怖だけ。

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