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2章ー少年期ー

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そんなわけで場面は変わってエリーナが恐れる人物との顔合わせの日。

「キリアス様!今日はお会いできて光栄でございます」

「仲良くしようぜ!」

見た目は知的な眼鏡をかけた子とかしこまった態度が苦手だとばかりに馴れ馴れしい派手な装いの子。これが次期宰相候補、次期騎士団長候補か……。とはいえ、よっぽどのことがないと繰り上げることはないと思うけど。まあ、今の宰相も、騎士団長も妻子を持とうとしないから仕方なしの二番手なんだろうな。

どちらにしてもこれがエリーナの不安要素と思うといい気はしないのは会っても同じ。まずは会話から探っていくべきだろう。

「よく来てくれたね。私はキリアス・ラドゥーン、君たちの主となる第一王子だよ」

会えたからといってもあくまで候補であるということを忘れないように釘を刺す。まだ認める気はないよと。知的に見えて自己紹介前から名前を軽々しく呼ぶ次期宰相候補の子と、それ以前の次期騎士団長候補の子。何故これがおりぇの側近候補に選ばれたのか既にマイナスからマイナスへと落ちる二人はそれに気づいているだろうか?

「あ、私は次期宰相の息子サン・サンと申します。今後ともキリアス様を支えていきますのでよろしくお願いします」

次期宰相ね……。しかも側近にすでになってるつもりとは話をちゃんと聞いていないのかな?それとも自意識過剰とか?あれかな、ナルシストっていうやつかな?そういうの先生ぐらいできる人になってからにしてほしいよね。

「俺はセドルク・ハイセン!騎士団長の息子だ!お前のことしっかり守ってやるからな、安心しろ!」

まさかの言い切った……。しかもグレイがいるので別に守ってもらう必要はないし、グレイや先生で常におりぇは安心してるけど。寧ろこの礼儀もしらない同い年に守ってもらう方が不安しかない。

でもこれなら逆にエリーナを安心させることができそうだ。エリーナの夢の中の人物は現実で見れば大したことなさそうだと。

「グレイ、顔合わせは終了しました」

「ですね」

やれやれと一緒に護衛として傍にいてくれたグレイが呆れた様子を見せながら頷いてくれる。これはだめだとグレイにも感じたのだろう。

「お供します!」

「ん?遊びたいのか?」

君たちはいらない。そう遠回しに言ったつもりだけどどうやら通じなかったようだ。頭の残念さに関してはピカイチかな?本当に何を基準に候補に入れたのか、父上に聞かなくては。こんなのしかいないんですかって。

「側近にもなりえない人たちはいりません。ご自分の立場を今一度確認し直すことをおすすめします」

こう伝えたおりぇはエリーナにある意味でいい報告ができると顔合わせで余った時間をエリーナに会う時間に当てたのだった。後は夢と違ってエリーナの未来をおりぇが幸せにすればいいだけ!
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