17 / 17
2章聖女らしくなんて無理無理無理
2
しおりを挟む
「もう………もう………貴女って人は………!」
「あーはいはい、大丈夫だったからいいじゃねぇか」
あれから神様は真っ青になる姿を見ながらのディオとの逢瀬は終わった。始終ディオはにこにこだったし、何故神様がそこまで怖がるのか謎だ。
それよりも神様の紹介を終えて色々神様から会話を遮られながらも最後、ディオから言われたことが気にかかる。
『そういえば近いうちに父上がまたリアに会いたいそうです。………その………髪のことで』
ディオの父と言えばあの気のいいおっさん………だよな?あれも髪の色とか悪魔とか気にしてるのか?と気になって仕方ない。だってそれって結局ディオを悪く言う奴らと同じって可能性どころか、そう言うことをディオの父親自身が許してる可能性もあるわけで………それなら、ディオの周りってマジで嫌なやつばかりじゃん。
黒髪にすることで不思議な力を抑制するための悪魔呼びが伝わってるのは仕方ねぇかもしれねーけど、ディオだって人だ。心があって、傷つきもするってのに……。
「………気になりますか?」
「え?」
「未来の皇帝の父がどう思っているのか」
「まあ……な。なんか気さくなおっさんだったし疑いたくねぇけど、仮にも王様だろ?ならさ、周りをなんとかもできたんじゃねぇかってふと思って………しかも、私の髪色で呼ぶぐらいだからやっぱ王様も悪魔の力ってことで警戒してたりしてんのかなって」
「………黒髪の真実を知るものはこの時代にはいませんが、今の国王は中々勘が鋭い部分がありまして本当に黒髪は悪魔の力なのか疑っているようです。ただ残念ながら悪意あるものに利用されないよう黒髪についての記述されたものは古く昔に消され尽くしているために確信を得るものがありません。実際それは正しい判断とも言えます。簡単に手に入る力はその昔戦争に利用され、多くは奴隷でしたから」
「奴隷……」
「今では黒髪の持ち主を制御する道具もありませんから余計に判断材料はないでしょうね。それがたまたま生まれた未来の皇帝の絶望を生み出し、世界の終わりを告げるものとなるとは思いませんでしたが……時空間を移動する術がなければ私はただその滅亡を見守るにすぎなかったでしょう。どうあっても不幸に終わる皇帝は来世に多くの幸せを得られるよう生まれ変わらせる方法もありましたから」
「世界を破壊して、見知らぬ世界でも破壊を尽くしたディオはどんな気持ちだったんだ?」
「絶望の先………虚無感が広がっていました。それはもはやただの殺戮マシーンのように、何のために世界を壊しているのかすらわからなくなって………最初はまだ、絶望で子供がどうしたらいいかわからなくて物に当たるような怒りがあったように思うんですがね。だから違う世界なら受け入れてもらえるのではないかと希望を抱けた……でも、同じ繰り返しでした絶望は破壊衝動を高め………私はね、神としてあらゆる世界を守るために色々考えてきました。でもそれ以外にもあの未来の皇帝に現世でも来世でもいいから幸せを与えたいのです。彼を殺す術があるならすぐにでも生まれ変わらせたいほどには」
「……………そうか」
改めてディオの未来と気持ちを知ってあたいはディオを救いたいと……最後までディオのために生きたいとそう感じた。それが恋かどうかはわからないけれど。幸せにはなってほしいって思うから。
「あーはいはい、大丈夫だったからいいじゃねぇか」
あれから神様は真っ青になる姿を見ながらのディオとの逢瀬は終わった。始終ディオはにこにこだったし、何故神様がそこまで怖がるのか謎だ。
それよりも神様の紹介を終えて色々神様から会話を遮られながらも最後、ディオから言われたことが気にかかる。
『そういえば近いうちに父上がまたリアに会いたいそうです。………その………髪のことで』
ディオの父と言えばあの気のいいおっさん………だよな?あれも髪の色とか悪魔とか気にしてるのか?と気になって仕方ない。だってそれって結局ディオを悪く言う奴らと同じって可能性どころか、そう言うことをディオの父親自身が許してる可能性もあるわけで………それなら、ディオの周りってマジで嫌なやつばかりじゃん。
黒髪にすることで不思議な力を抑制するための悪魔呼びが伝わってるのは仕方ねぇかもしれねーけど、ディオだって人だ。心があって、傷つきもするってのに……。
「………気になりますか?」
「え?」
「未来の皇帝の父がどう思っているのか」
「まあ……な。なんか気さくなおっさんだったし疑いたくねぇけど、仮にも王様だろ?ならさ、周りをなんとかもできたんじゃねぇかってふと思って………しかも、私の髪色で呼ぶぐらいだからやっぱ王様も悪魔の力ってことで警戒してたりしてんのかなって」
「………黒髪の真実を知るものはこの時代にはいませんが、今の国王は中々勘が鋭い部分がありまして本当に黒髪は悪魔の力なのか疑っているようです。ただ残念ながら悪意あるものに利用されないよう黒髪についての記述されたものは古く昔に消され尽くしているために確信を得るものがありません。実際それは正しい判断とも言えます。簡単に手に入る力はその昔戦争に利用され、多くは奴隷でしたから」
「奴隷……」
「今では黒髪の持ち主を制御する道具もありませんから余計に判断材料はないでしょうね。それがたまたま生まれた未来の皇帝の絶望を生み出し、世界の終わりを告げるものとなるとは思いませんでしたが……時空間を移動する術がなければ私はただその滅亡を見守るにすぎなかったでしょう。どうあっても不幸に終わる皇帝は来世に多くの幸せを得られるよう生まれ変わらせる方法もありましたから」
「世界を破壊して、見知らぬ世界でも破壊を尽くしたディオはどんな気持ちだったんだ?」
「絶望の先………虚無感が広がっていました。それはもはやただの殺戮マシーンのように、何のために世界を壊しているのかすらわからなくなって………最初はまだ、絶望で子供がどうしたらいいかわからなくて物に当たるような怒りがあったように思うんですがね。だから違う世界なら受け入れてもらえるのではないかと希望を抱けた……でも、同じ繰り返しでした絶望は破壊衝動を高め………私はね、神としてあらゆる世界を守るために色々考えてきました。でもそれ以外にもあの未来の皇帝に現世でも来世でもいいから幸せを与えたいのです。彼を殺す術があるならすぐにでも生まれ変わらせたいほどには」
「……………そうか」
改めてディオの未来と気持ちを知ってあたいはディオを救いたいと……最後までディオのために生きたいとそう感じた。それが恋かどうかはわからないけれど。幸せにはなってほしいって思うから。
0
お気に入りに追加
866
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(19件)
あなたにおすすめの小説
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
【R18】白と黒の執着 ~モブの予定が3人で!?~
茅野ガク
恋愛
コメディ向きの性格なのにシリアス&ダークな18禁乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私。
死亡エンドを回避するためにアレコレしてたら何故か王子2人から溺愛されるはめに──?!
☆表紙は来栖マコさん(Twitter→ @mako_Kurusu )に描いていただきました!
ムーンライトノベルズにも投稿しています
【R18】溺愛×悪役令嬢 reboot
月極まろん
恋愛
乙女ゲームに転生した悪役令嬢が、ヒロインや攻略キャラたちに甘々に愛されまくります。
(エブリスタに連載していた作品が、過激すぎたのかなぜか強制非公開になりましたので、書き直しのうえこちらに移転しました)
基本的に複数×悪役令嬢なので、御注意ください。
お気に入りやしおり、ありがとうございます。
※R18シーンには『※』を付けました。
新しい章は、なるべく木曜ごとに1話目公開→そのまま金、土、(章によっては日)と各話を毎日夕方16時に公開していく予定です。
よろしくお願いします
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
転生したら冷徹公爵様と子作りの真っ最中だった。
シェルビビ
恋愛
明晰夢が趣味の普通の会社員だったのに目を覚ましたらセックスの真っ最中だった。好みのイケメンが目の前にいて、男は自分の事を妻だと言っている。夢だと思い男女の触れ合いを楽しんだ。
いつまで経っても現実に戻る事が出来ず、アルフレッド・ウィンリスタ公爵の妻の妻エルヴィラに転生していたのだ。
監視するための首輪が着けられ、まるでペットのような扱いをされるエルヴィラ。転生前はお金持ちの奥さんになって悠々自適なニートライフを過ごしてたいと思っていたので、理想の生活を手に入れる事に成功する。
元のエルヴィラも喋らない事から黙っていても問題がなく、セックスと贅沢三昧な日々を過ごす。
しかし、エルヴィラの両親と再会し正直に話したところアルフレッドは激高してしまう。
「お前なんか好きにならない」と言われたが、前世から不憫な男キャラが大好きだったため絶対に惚れさせることを決意する。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
18禁乙女ゲーム…ハードだ(色んな意味で)
ヴィオ
恋愛
高校3年、見た目よし、パッと見大人しめ、中身はテンション高めの主人公。でも、周りからは妬まれ、虐められていた。
ある日、実の父親に母親と一緒に殺されてしまう。
変な女神から哀れまれ転生させられたのは前世でやっていた乙女ゲームの悪役令嬢で…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※作者は心が弱いです
※ご都合主義です
※内容はほぼ無いです
※頭を空っぽにして読んでください
※カメさんです
感想聞くのやめます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
暴君が面白かったのでヤンキーも読んでみました。(*^ー゚)b グッジョブ!!です。:+((*´艸`))+:。
両方とも更新を楽しみにしています
♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪
こちらも読んでいただきありがとうございます!
がんばります!
ヤンキー令嬢可愛いです!
続きも楽しみにしています(*^▽^*)
ありがとうございますー!気長にお待ちいただけたらと思います!
わーい🙌
更新嬉しいです♪
拳で語るのかな、我慢できるのかな😆
亀更新申し訳ないです汗
我慢できるのか………神様が止めるのか………寧ろ止められるのか………
先がわかりません!(おい)