7 / 17
1章いや、令嬢らしくとか無理なんで
5
しおりを挟むそうして未来の皇帝と約束した日が来たわけだが。
「うーん、こまった……」
「どうしたんですか?」
「きんとれのまえに、じこしょうかいしなきゃいけねぇことはおぼえてたんだが……」
「あ、そういえばまえにしませんでしたね。しつれいしました。ぼくは、ディオ・セバールだいさんおうじです」
「お、おお、ありがとな……。ついでにあたいのなまえわかるか?」
「…………………え?」
一瞬固まった未来の皇帝ことディオ。やっぱりそうなるよな。まさか自分の名前を忘れたんですか?そんなわけ……ないですよね?とディオが目で語るのがわかる。そのまさかなんだよなぁ……前世での自分の名前ならわかるんだが。
「おじょうさまとばかりいわれてじぶんのフルネームがわかんねぇんだよ……あ、おじょうさまがあたいのなまえか?」
「さすがにちがいますね」
「だよなぁ」
おう……めっちゃ呆れられてるのがわかるぞ?いや、私でもそうなるだろうけど。いくら勉強から逃げてたとはいえ名前くらい知っとかないとさすがにやべぇもんなぁ。
「ルルリア・サブレこうしゃくれいじょうでしたよね」
「おお……!すげぇな、しってたのか!」
「まあ、こんやくしゃのなまえですし……」
「わ、わりぃ……あたい、あんたのなまえしらなかった……」
「じぶんのなまえをわすれるかたにきたいはしてませんから、だいじょうぶですよ?」
「うぐ……」
そりゃそうだ。なんだろう、胸が痛い。
「でも、これからはおぼえてくれるとうれしいです」
「お、おう!ディオだよな!」
「!………ええ、そうです」
一瞬驚いた顔をされたが、間違ってなかったようだ。さすがにさっき聞いた名前を忘れるほどバカじゃない。
「じぶんはともかく、ディオのなまえはわすれねぇよ!」
名前呼ばれただけでなんかすっげぇ嬉しそうにされちゃあ寧ろ忘れられないしな。なんか顔がいいからいちいち反応が可愛く見えるし。
「じぶんのなまえもわすれないようにしましょうよ……」
「わすれたときはディオにじこしょうかいたのむ。かわりに、あたいがディオのじこしょうかいしてやるよ!」
「はは……っじこしょうかいはじぶんでするものですよ?」
耐えきれなかったとばかりに笑いながらも最もなことを言うディオ。やっぱ人の楽しそうに笑う姿を見るのは好きだ。何よりディオは気のせいか会った時からどうも自分を抑え込んでいるように見えたから。やっぱ神様が言ってた髪の色のせいなのかもしれない。黒髪なんて前世じゃ一番多い色だったっつーのに。外見でとやかく言うやつはろくなのがいないのを私は知っている。
「こんやくしゃなんだからたがいのじこしょうかいぶんどってもいいだろ?きょうゆうざいさんてきななんかでさ」
「じこしょうかいが、きょうゆうざいさんってきいたことないですよ?はははっだめだ、おなかいたいっ」
「そんなおもしろいかー?」
まあ笑うのはいいこととはいえ、ディオは笑いすぎな気がしなくもない。何がディオをそこまで笑わせたのかはわからないが、しばらくディオが落ち着くまで目的の筋トレができることはなかった。
「うーん、こまった……」
「どうしたんですか?」
「きんとれのまえに、じこしょうかいしなきゃいけねぇことはおぼえてたんだが……」
「あ、そういえばまえにしませんでしたね。しつれいしました。ぼくは、ディオ・セバールだいさんおうじです」
「お、おお、ありがとな……。ついでにあたいのなまえわかるか?」
「…………………え?」
一瞬固まった未来の皇帝ことディオ。やっぱりそうなるよな。まさか自分の名前を忘れたんですか?そんなわけ……ないですよね?とディオが目で語るのがわかる。そのまさかなんだよなぁ……前世での自分の名前ならわかるんだが。
「おじょうさまとばかりいわれてじぶんのフルネームがわかんねぇんだよ……あ、おじょうさまがあたいのなまえか?」
「さすがにちがいますね」
「だよなぁ」
おう……めっちゃ呆れられてるのがわかるぞ?いや、私でもそうなるだろうけど。いくら勉強から逃げてたとはいえ名前くらい知っとかないとさすがにやべぇもんなぁ。
「ルルリア・サブレこうしゃくれいじょうでしたよね」
「おお……!すげぇな、しってたのか!」
「まあ、こんやくしゃのなまえですし……」
「わ、わりぃ……あたい、あんたのなまえしらなかった……」
「じぶんのなまえをわすれるかたにきたいはしてませんから、だいじょうぶですよ?」
「うぐ……」
そりゃそうだ。なんだろう、胸が痛い。
「でも、これからはおぼえてくれるとうれしいです」
「お、おう!ディオだよな!」
「!………ええ、そうです」
一瞬驚いた顔をされたが、間違ってなかったようだ。さすがにさっき聞いた名前を忘れるほどバカじゃない。
「じぶんはともかく、ディオのなまえはわすれねぇよ!」
名前呼ばれただけでなんかすっげぇ嬉しそうにされちゃあ寧ろ忘れられないしな。なんか顔がいいからいちいち反応が可愛く見えるし。
「じぶんのなまえもわすれないようにしましょうよ……」
「わすれたときはディオにじこしょうかいたのむ。かわりに、あたいがディオのじこしょうかいしてやるよ!」
「はは……っじこしょうかいはじぶんでするものですよ?」
耐えきれなかったとばかりに笑いながらも最もなことを言うディオ。やっぱ人の楽しそうに笑う姿を見るのは好きだ。何よりディオは気のせいか会った時からどうも自分を抑え込んでいるように見えたから。やっぱ神様が言ってた髪の色のせいなのかもしれない。黒髪なんて前世じゃ一番多い色だったっつーのに。外見でとやかく言うやつはろくなのがいないのを私は知っている。
「こんやくしゃなんだからたがいのじこしょうかいぶんどってもいいだろ?きょうゆうざいさんてきななんかでさ」
「じこしょうかいが、きょうゆうざいさんってきいたことないですよ?はははっだめだ、おなかいたいっ」
「そんなおもしろいかー?」
まあ笑うのはいいこととはいえ、ディオは笑いすぎな気がしなくもない。何がディオをそこまで笑わせたのかはわからないが、しばらくディオが落ち着くまで目的の筋トレができることはなかった。
0
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説

盲目のラスボス令嬢に転生しましたが幼馴染のヤンデレに溺愛されてるので幸せです
斎藤樹
恋愛
事故で盲目となってしまったローナだったが、その時の衝撃によって自分の前世を思い出した。
思い出してみてわかったのは、自分が転生してしまったここが乙女ゲームの世界だということ。
さらに転生した人物は、"ラスボス令嬢"と呼ばれた性悪な登場人物、ローナ・リーヴェ。
彼女に待ち受けるのは、嫉妬に狂った末に起こる"断罪劇"。
そんなの絶対に嫌!
というかそもそも私は、ローナが性悪になる原因の王太子との婚約破棄なんかどうだっていい!
私が好きなのは、幼馴染の彼なのだから。
ということで、どうやら既にローナの事を悪く思ってない幼馴染と甘酸っぱい青春を始めようと思ったのだけどーー
あ、あれ?なんでまだ王子様との婚約が破棄されてないの?
ゲームじゃ兄との関係って最悪じゃなかったっけ?
この年下男子が出てくるのだいぶ先じゃなかった?
なんかやけにこの人、私に構ってくるような……というか。
なんか……幼馴染、ヤンデる…………?
「カクヨム」様にて同名義で投稿しております。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
21時完結
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。

女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

目には目を歯には歯を!ビッチにはビッチを!
B介
恋愛
誰もいないはずの教室で絡み合う男女!
喘ぐ女性の声で、私は全て思い出した!
ここは乙女ゲームの世界!前世、親の借金のせいで若くして風俗嬢となった私の唯一のオアシス!純愛ゲームの中で、私は悪役令嬢!!
あれ?純愛のはずが、絡み合っているのはヒロインと…へ?モブ?
せめて攻略キャラとじゃないの!?
せめて今世は好きに行きたい!!断罪なんてごめんだわ!!
ヒロインがビッチなら私もビッチで勝負!!
*思いつきのまま書きましたので、何となくで読んで下さい!!
*急に、いや、ほとんどR 18になるかもしれません。
*更新は他3作が優先となりますので、遅い場合申し訳ございません!

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫
梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。
それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。
飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!?
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
★他サイトからの転載てす★

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる