ヤンキー女が悪役令嬢になりまして~神様から皇帝を恋に落として世界を救ってほしいと言われたが、頼むやつ間違ってねぇか?~

荷居人(にいと)

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1章いや、令嬢らしくとか無理なんで

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そうして私はろくでもないやつらをやっつけるために体を鍛え続けた。しかしここで思わぬ難関が………前世でもそうだったが、この身体は筋肉があまりにつかない!なんでだー!

「きんにく………きんにくが………!ふっきんわりたいのに!」

「なんでそこまで筋肉つけたがるんですか………力こそつきますが、筋肉一定以上つかないように最初に………」

「てめぇのせいかぁあぁぁ!」

「がぐがくがぐがらぁっ」

怒り余って神様の足を掴みぐるぐると回して投げ飛ばす。どうせ死体だし、神様だから死ぬことはないので全力で八つ当たりはさせてもらう。人の夢を叶えられなくした罪は重い。

「たしかに、ちからはついてんな」

「死体でも痛みはあるんですよ?」

「そりゃよかった」

「酷い」

その割りには復活が早いとは思うけど。もう一回くらい投げ飛ばしてやるべきか。

「ってかなんできんにくつけさせてくれねぇの?きん○くマンみたいにいっかいはなってみたかったのに。ここににくってかいてさ」

「趣味が筋トレという事前情報を得て念のため魂を癒着すると同時に身体に規制をかけましたが、その時の自分を褒めたいですね……。貴女本来の目的忘れてませんか?」

「せいぎのなのもとにせかいをほろぼすんだよな!」

「そんな物騒な正義感は捨ててしまいなさい。違いますよ!世界を救えって言ってるんですよ!そのために未来の皇帝を恋に落としてほしいと!滅ぼすにしてもこの世界に留めるようにしてほしいのです!」

「そもそもたのむやつまちがってるって」

「貴女の正義感でなんとかなりませんか!?」

「あいとゆうきだけがともだちのパンでもれんあいのれのじはなかったぞ?あ、ド○ンちゃんはあったか?でもてきだしなぁ」

「さっきから貴女色々危ない発言やめていただけますかね?」

「ん?なにが?」

「はぁ……仕方ありません。もし仮に、万が一………億が一、奇跡的に未来の皇帝を恋に落としたとしましょう」

「それぜったいかみさまもできるとおもってねぇだろ……」

なのに私に狙った獲物を殴り飛ばすわけじゃなく、恋に落とせとはいかがなものか。何度だって言うけど人選違いにも程がある。

「そ、そそそんなことありませんよ?」

「うそへたすぎだろ……」

私も嘘つけないというかつく前に口と手が出るから、人のことは言えねぇけど私を仮にも選んだなら少しは期待しろよ……。私自身無理な話だが。

「と、とにかく!もし、達成して世界を平和にできたなら来世では筋肉もりもりつけられるよう転生させてあげます!」

「おお!けど……やっぱむりむり」

「少しはやる気出してくださいよ!テンション下がるの早すぎませんか!?貴女の好きな筋肉ですよ!?」

「まあ、なるようになるとしかいえねぇな。いくらゆめでも、できねぇやくそくはしたくねぇんだ」

「幼女のくせにかっこいいですね……性別逆ならいけそうなのに」

「まあ、あすあうやくそくしてっからなかよくするくらいはできるだろ。まずはじこしょーかいだな!」

「ああ、不安すぎます……」

そんな神様メイドの言葉は無視して私は再び筋トレを再開するのだった。
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