3 / 17
1章いや、令嬢らしくとか無理なんで
1
しおりを挟む
赤ちゃんのときから前世の記憶がある辛さをどれぐらいの人が知っているか。せめて歩けるようになってからの配慮がほしかったと思うがそんな日も終わりを告げた。
「ふふふ、ははははは!ついにはしれるまでににゃったぞ!」
「おめでとうござぐへらぁっ」
溜め込んでいたイライラをぶつけるように笑うメイドに飛び蹴りをかます。ようやく鬱憤が晴らせて清々しい気分だ。
「よ、幼児とは思えない身のこなしですね……」
「いや、ぜんせにくりゃべたらまらまらだ」
「仮にも令嬢ですからそこは鍛えずとも大丈夫ですよ……」
やれやれと疲れた様子を見せるメイドの正体は神様。本来なら死体であった人間の体に入り込んで私のフォローをするために現世に降りてきたらしい。現世に来れるなら私じゃなくてもと思ったら死体のせいでえらく冷たい身体は、触れられたことで魔女扱いされ処刑されて終わったのだとか。普段は神様専用特別な手袋などで体温などを誤魔化しているが、肌を触られたら死体の冷たさだから注意が必要らしい。
生きてる人間にはなれないので結局は私みたいなやつに頼むしかないのだとか。神様も万能ではないようだ。まあ、万能なら皇帝を殺してでも止めていただろうし。
まあ、それはともかく私がその未来の皇帝に会うのはもう少し先らしいのでその間に鍛えなければ。何があるかわからない世界だからな。
「まじゅはうれたてからだ!」
「だから令嬢は身体鍛えたりしなくていいんですよぉ~!」
そんな神様メイドは無視して私は神様の言う婚約の顔合わせの日まで使用人に言われても、親に言われても、祖父母に言われようとも前世と変わらず趣味の筋トレに没頭した。この世界では剣も扱うので剣術もいつしか習ってやると思いながらもそれなりに転生人生を楽しんでいる私だった。
勉強は頑張ろうとはしたが、マナーとか礼儀とか前世から捨てていた私には難しく逃げる毎日。幼児の身体だろうと扱いに慣れれば小回りがきいていいもので、幼くしてやんちゃなお嬢様と周りが言っているのを知りながらもどうしても今更いい子になんてなれないままにあっという間に時は過ぎて………
「えーっと………だいじょうぶですか?」
婚約の日、私は泥だらけで未来の皇帝と会うことになるなんて思いもしなかった。
「…………まさかこんやくのひだとおもわず、にげたのがだめだった」
「え?」
「すまねぇ……こんなかっこうで。あたいはただべんきょうからにげたかっただけなんだ!」
「お、お前は、陛下の御前でまで生意気な言葉遣いを!」
謝罪したのに今の父に叱られるという。6歳の子供に言葉遣いを求めるなと私は言いたい。寧ろ目の前の私の婚約者ともなる未来の皇帝は同い年であるはずなのだが、あまりにいい子ちゃんすぎないかと逆に心配になるぐらいだ。
「構わん構わん。元気があっていいではないか」
「なかなかはなしがわかるな、おっさん!」
「ルルリアーっ!」
「いってぇな!」
ついには拳骨までされたので仕返しに私は父の腹に頭突きをかます。
「ぐふぅっ」
全く、虐待はいけないのを知らないのかと思いながらも座り込む父にふんと顔を背けた。
「ふふふ、ははははは!ついにはしれるまでににゃったぞ!」
「おめでとうござぐへらぁっ」
溜め込んでいたイライラをぶつけるように笑うメイドに飛び蹴りをかます。ようやく鬱憤が晴らせて清々しい気分だ。
「よ、幼児とは思えない身のこなしですね……」
「いや、ぜんせにくりゃべたらまらまらだ」
「仮にも令嬢ですからそこは鍛えずとも大丈夫ですよ……」
やれやれと疲れた様子を見せるメイドの正体は神様。本来なら死体であった人間の体に入り込んで私のフォローをするために現世に降りてきたらしい。現世に来れるなら私じゃなくてもと思ったら死体のせいでえらく冷たい身体は、触れられたことで魔女扱いされ処刑されて終わったのだとか。普段は神様専用特別な手袋などで体温などを誤魔化しているが、肌を触られたら死体の冷たさだから注意が必要らしい。
生きてる人間にはなれないので結局は私みたいなやつに頼むしかないのだとか。神様も万能ではないようだ。まあ、万能なら皇帝を殺してでも止めていただろうし。
まあ、それはともかく私がその未来の皇帝に会うのはもう少し先らしいのでその間に鍛えなければ。何があるかわからない世界だからな。
「まじゅはうれたてからだ!」
「だから令嬢は身体鍛えたりしなくていいんですよぉ~!」
そんな神様メイドは無視して私は神様の言う婚約の顔合わせの日まで使用人に言われても、親に言われても、祖父母に言われようとも前世と変わらず趣味の筋トレに没頭した。この世界では剣も扱うので剣術もいつしか習ってやると思いながらもそれなりに転生人生を楽しんでいる私だった。
勉強は頑張ろうとはしたが、マナーとか礼儀とか前世から捨てていた私には難しく逃げる毎日。幼児の身体だろうと扱いに慣れれば小回りがきいていいもので、幼くしてやんちゃなお嬢様と周りが言っているのを知りながらもどうしても今更いい子になんてなれないままにあっという間に時は過ぎて………
「えーっと………だいじょうぶですか?」
婚約の日、私は泥だらけで未来の皇帝と会うことになるなんて思いもしなかった。
「…………まさかこんやくのひだとおもわず、にげたのがだめだった」
「え?」
「すまねぇ……こんなかっこうで。あたいはただべんきょうからにげたかっただけなんだ!」
「お、お前は、陛下の御前でまで生意気な言葉遣いを!」
謝罪したのに今の父に叱られるという。6歳の子供に言葉遣いを求めるなと私は言いたい。寧ろ目の前の私の婚約者ともなる未来の皇帝は同い年であるはずなのだが、あまりにいい子ちゃんすぎないかと逆に心配になるぐらいだ。
「構わん構わん。元気があっていいではないか」
「なかなかはなしがわかるな、おっさん!」
「ルルリアーっ!」
「いってぇな!」
ついには拳骨までされたので仕返しに私は父の腹に頭突きをかます。
「ぐふぅっ」
全く、虐待はいけないのを知らないのかと思いながらも座り込む父にふんと顔を背けた。
1
お気に入りに追加
866
あなたにおすすめの小説
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
【R18】白と黒の執着 ~モブの予定が3人で!?~
茅野ガク
恋愛
コメディ向きの性格なのにシリアス&ダークな18禁乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私。
死亡エンドを回避するためにアレコレしてたら何故か王子2人から溺愛されるはめに──?!
☆表紙は来栖マコさん(Twitter→ @mako_Kurusu )に描いていただきました!
ムーンライトノベルズにも投稿しています
【R18】溺愛×悪役令嬢 reboot
月極まろん
恋愛
乙女ゲームに転生した悪役令嬢が、ヒロインや攻略キャラたちに甘々に愛されまくります。
(エブリスタに連載していた作品が、過激すぎたのかなぜか強制非公開になりましたので、書き直しのうえこちらに移転しました)
基本的に複数×悪役令嬢なので、御注意ください。
お気に入りやしおり、ありがとうございます。
※R18シーンには『※』を付けました。
新しい章は、なるべく木曜ごとに1話目公開→そのまま金、土、(章によっては日)と各話を毎日夕方16時に公開していく予定です。
よろしくお願いします
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
転生したら冷徹公爵様と子作りの真っ最中だった。
シェルビビ
恋愛
明晰夢が趣味の普通の会社員だったのに目を覚ましたらセックスの真っ最中だった。好みのイケメンが目の前にいて、男は自分の事を妻だと言っている。夢だと思い男女の触れ合いを楽しんだ。
いつまで経っても現実に戻る事が出来ず、アルフレッド・ウィンリスタ公爵の妻の妻エルヴィラに転生していたのだ。
監視するための首輪が着けられ、まるでペットのような扱いをされるエルヴィラ。転生前はお金持ちの奥さんになって悠々自適なニートライフを過ごしてたいと思っていたので、理想の生活を手に入れる事に成功する。
元のエルヴィラも喋らない事から黙っていても問題がなく、セックスと贅沢三昧な日々を過ごす。
しかし、エルヴィラの両親と再会し正直に話したところアルフレッドは激高してしまう。
「お前なんか好きにならない」と言われたが、前世から不憫な男キャラが大好きだったため絶対に惚れさせることを決意する。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
18禁乙女ゲーム…ハードだ(色んな意味で)
ヴィオ
恋愛
高校3年、見た目よし、パッと見大人しめ、中身はテンション高めの主人公。でも、周りからは妬まれ、虐められていた。
ある日、実の父親に母親と一緒に殺されてしまう。
変な女神から哀れまれ転生させられたのは前世でやっていた乙女ゲームの悪役令嬢で…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※作者は心が弱いです
※ご都合主義です
※内容はほぼ無いです
※頭を空っぽにして読んでください
※カメさんです
感想聞くのやめます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる