婚約破棄を告げられた瞬間王子やめろ抗議が始まりました~悪役令嬢はみんなのアイドルだったようです~

荷居人(にいと)

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なんてシリアスに語ってはみたけどユーザ殿下の胸のブラが全てそれを払い除ける。いや、趣味は人それぞれだけどね……?

「離しなさいよ!私はヒロイン!王妃なんだからぁあぁぁっ!」

そしてポロリをしたもうひとりの人物はユーザ殿下よりも暴れようが凄い。なんなら王妃になるではなく、王妃様が目の前にいるのに王妃は自分と偽証発言するなんて……。

救いようがなさすぎる。

「全くここまでうるさい令嬢は初めてです。ヒロイン?あなたが?本の世界だろうと貴女みたいなのをヒロインにはしないでしょう。それに私の娘に暴言とは……私からも一撃を……はぁっ!」

「ぐへ……っ」

うん、王妃様実は陛下に負けず劣らず猫愛激しそうですね?娘ってまさかざらめ様……?にしても王妃様の拳よっぽど強かったんだろうね、ようやく白目向いてリアンヌが静かになりましたよ。

衛兵が引いているような……まあ、うん。とにもかくにもこうしてユーザ殿下とリアンヌは衛兵に連れられることで二人劇の幕は閉じることとなった。

……わけですが。

「あの、事情を聞いても?」

「ああ、当事者とも言えるラフィーナ嬢には説明しなくてはな」

恐らく私以外ここの人たちは何かしら知っていての今回の出来事なのだろうとは思ったがその通りのようだ。私以外に今回のことを気にする素振りを見せる人がいなかったがためにそれは簡単にわかること。

とはいえ、陛下のあっさりとした言葉に私に話さないつもりでいたわけではないことが伺える。

何にしても急なこととはいえ最初からおかしかったのだ。子息、令嬢の卒業者だけが集まり親がいないこと。そして私を擁護するような物言い。

なんなら、最後に現れた王妃様たちはまるで最初から一連を見ていたかのような言い方だった。どこから見られていたのかも気になるし、もしかしたらそうなると陛下も一部始終見ていた可能性もある。

夢の猫語は結局わかるはずもないんだという悲しい事実だけはやめてほしいと願う。

「ラフィーナ嬢、話が終わったら私からも伝えたいことがあるんだけどいいかな?」

「は、はい……?」

そんな思考をしていれば真相を知った後、ラーダ殿下から何か伝えたいことがあると言われ返事を返す。気のせいか周囲の皆さんがにやついているように見えるのですが………気のせいですよね?

「ならば、早く話してやらねばな」

そう言ってざらめ様を抱く陛下が代表してとばかりに話し始める。

今回の予めそうなると予測された上で用意された王太子交代計画を。

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