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「全くようやくですね……それと陛下?私はあれほど言いましたよね?猫達にデレデレするのを耐えろと」
私が悔しがっていると王妃様を筆頭に衛兵数人と見覚えのある……いや、今日卒業パーティーの親御さんたちがぞろぞろと入ってきた。そして呆れたように陛下を見て言う王妃様。
「いや、私だって頑張ろうとしたんだがね?ザラにゃんたちがあまりにも可愛くて無理難題だなって……。ヤキモチ妬いて可愛いし、悪者やっつけるぞー!と頑張る姿は癒されまくりではないか」
陛下……わかります。猫様を前にして威厳なんて保てたもんじゃありませんよね!
「ふぅ……まあ最初から期待はしておりませんでしたから構いませんが。さて、皆様、このようにこの猫達はとても賢く、身体能力にも優れております。密偵に関しては陛下の言う猫を感じる心がなければ成り立ちませんが……。ざらめ様を部隊長とした猫部隊の結成認めていただけますね?」
え、猫部隊……?というより王妃様何のお話を……?
「素晴らしくかわ……いえ、勇敢で頼もしいものでしたわ」
「いやぁ、とても癒さ……いや、危機の察知力は人と同等それ以上でしたな!」
「肉球さわり……こほん、ざらめ様の指示の元忠実に動ける姿はもはや部隊結成しているのでは?と勘違いしたほどでしたね。私はいいと思いますよ」
王妃様の言葉に猫様たちについて語られる貴族の皆様方。正直私はついていけない。
「では、決定ですね。今日からざらめ様を部隊長とし猫部隊の結成を認めます。部隊の名はにゃんこ隊!異議はありますか?」
「「「異議なーし!」」」
「異議あるよ!それ、私の言葉!ザラにゃんについては私が言い直しを……!」
「さて、目的を達成できたところで衛兵その罪人二人を牢屋に入れてしまいなさい」
「「「はっ!」」」
王妃様は陛下の言葉を無視して衛兵に二人を捕まえるように言う。もちろん、今回不敬など色々罪を重ねたユーザ殿下とリアンヌだ。
信じられないとばかりにユーザ殿下が暴れるも衛兵はあっさりとユーザ殿下を押さえる。
「な、な、なんなんだ!やめろ!何故、何故ですか!母上!私は、私が、何をしたと!」
「まだ、わからないと?ろくに勉強もせず剣もサボり、権威だけを振り回して……。でも、一番許せないのは猫達への虐待です!小さな生き物を守らず攻撃するような愚か者が人を守れるわけがないでしょう!何故そう育ってしまったのかはわかりませんが……ついには女の選び方すらまともにできない愚息には失望しましたよ。同情する気にもなりません」
「は、母上……」
王妃様が本心かはわからない。ユーザ殿下が王妃様にとって息子なのは間違いないわけで……。それでも、愚息だったからこそ王妃としての威厳を保つ必要があるのだろう。
親の気持ち子知らず……。
王妃様は目的を達成したとは言っていたけど本当なら達成させたくなかった気持ちがあってもおかしくはない。
だってきっとその目的は、最初から息子を最後には悪とし捕まえる予定だったように思えるから。
私が悔しがっていると王妃様を筆頭に衛兵数人と見覚えのある……いや、今日卒業パーティーの親御さんたちがぞろぞろと入ってきた。そして呆れたように陛下を見て言う王妃様。
「いや、私だって頑張ろうとしたんだがね?ザラにゃんたちがあまりにも可愛くて無理難題だなって……。ヤキモチ妬いて可愛いし、悪者やっつけるぞー!と頑張る姿は癒されまくりではないか」
陛下……わかります。猫様を前にして威厳なんて保てたもんじゃありませんよね!
「ふぅ……まあ最初から期待はしておりませんでしたから構いませんが。さて、皆様、このようにこの猫達はとても賢く、身体能力にも優れております。密偵に関しては陛下の言う猫を感じる心がなければ成り立ちませんが……。ざらめ様を部隊長とした猫部隊の結成認めていただけますね?」
え、猫部隊……?というより王妃様何のお話を……?
「素晴らしくかわ……いえ、勇敢で頼もしいものでしたわ」
「いやぁ、とても癒さ……いや、危機の察知力は人と同等それ以上でしたな!」
「肉球さわり……こほん、ざらめ様の指示の元忠実に動ける姿はもはや部隊結成しているのでは?と勘違いしたほどでしたね。私はいいと思いますよ」
王妃様の言葉に猫様たちについて語られる貴族の皆様方。正直私はついていけない。
「では、決定ですね。今日からざらめ様を部隊長とし猫部隊の結成を認めます。部隊の名はにゃんこ隊!異議はありますか?」
「「「異議なーし!」」」
「異議あるよ!それ、私の言葉!ザラにゃんについては私が言い直しを……!」
「さて、目的を達成できたところで衛兵その罪人二人を牢屋に入れてしまいなさい」
「「「はっ!」」」
王妃様は陛下の言葉を無視して衛兵に二人を捕まえるように言う。もちろん、今回不敬など色々罪を重ねたユーザ殿下とリアンヌだ。
信じられないとばかりにユーザ殿下が暴れるも衛兵はあっさりとユーザ殿下を押さえる。
「な、な、なんなんだ!やめろ!何故、何故ですか!母上!私は、私が、何をしたと!」
「まだ、わからないと?ろくに勉強もせず剣もサボり、権威だけを振り回して……。でも、一番許せないのは猫達への虐待です!小さな生き物を守らず攻撃するような愚か者が人を守れるわけがないでしょう!何故そう育ってしまったのかはわかりませんが……ついには女の選び方すらまともにできない愚息には失望しましたよ。同情する気にもなりません」
「は、母上……」
王妃様が本心かはわからない。ユーザ殿下が王妃様にとって息子なのは間違いないわけで……。それでも、愚息だったからこそ王妃としての威厳を保つ必要があるのだろう。
親の気持ち子知らず……。
王妃様は目的を達成したとは言っていたけど本当なら達成させたくなかった気持ちがあってもおかしくはない。
だってきっとその目的は、最初から息子を最後には悪とし捕まえる予定だったように思えるから。
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