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そうしてあっという間に迎えた学園登校日。オネエ様も放心状態から復活したようで、学園に行けば既にメラニー様が多くの視線を奪っていた。
「アラビアン嬢にクララ、おはようございます。アラビアン嬢には不便も多いだろうし、困ったことがあれば言ってほしい」
「あ、はい。お気遣い感謝いたします……」
「ありがとう、ございます……」
「ふふ」
そんなメラニー様がこちらに気づけば、朝の挨拶と共に私を気遣ってくれる言葉をかけてくれ、朝からメラニー様に声をかけられてオネエ様をちらりと見れば顔が赤く、そんなオネエ様を見てメラニー様は楽しそうに笑う。
そしてそんな様子に何かを察したのか微笑ましく見る周囲。お似合いな二人だもんね。ただ、周囲は二人が婚約同士で、メラニー様と元クラートであることに気づいているのかだけが気になる。
休みもあったし、隠しもしていないから調べればわかることだろうし。ユリアにバレたあの日、隠す必要がなくなったとオネエ様も言っていたから。
「ここじゃ注目されてしまいますからよければメラニー様も学年は違いますが教室まで………」
「それがね、私も留年させてもらったついでに同じクラスに入れてもらえてね。目立つのがバラける方が面倒だとかで」
オネエ様どころかメラニー様まで。こんなに簡単に留年を許していいのか学園。と思わなくもないけど、メラニー様が決めたことなら何も言えない。さすがのオネエ様も少し複雑そうだ。
「えっと……ではこれからよろしくお願いしますね」
「ええ」
とりあえずはどうしようもないことなのでこれからはクラスメイトとして受け入れるしかないだろう。
それよりも心配なのは、メラニー様のイケメン具合にユリアがどう行動するかということ。あの黒いもやに対抗するすべもないし、もし洗脳されたら……なんて不安もある。
けど、意外にもユリアは一瞬驚いた様子だけどじろじろとメラニー様を見てはヒロインらしからぬ舌打ちをして、興味なさげに顔を背けるだけに終わった。
「女に興味ないっての」
ユリアはどうやらそういった見分けられる目をお持ちらしい。ユリアの近くを通るときぼそっとそう聞こえた。いくら小さい声でも言葉遣いは気を付けた方がいいと思うけど、下手に怒らせるわけにもいかない。
「ふぅ……」
それはそれとしてオネエ様も私の車椅子を押しているのだから、その言葉が聞こえたのだろう。ほっとした様子だった。少なくともメラニー様が洗脳される可能性がないとわかったのだから。
「?」
メラニー様だけは私たちが何を安堵しているのかわかってない様子だったが、こんなところで事情を話すわけにもいかないので、気にしないでほしいと言うことしかできなかった。
それから席についた私たち。少し雑談をして始まるホームルーム。そのホームルームが更なる騒ぎを巻き起こすとは、この時の私は思いもしなかった。
ーお詫びー
ぷちざまぁのつもりが犯罪だと気にかけるような書き方をすみませんでした。今日さらなる修正でそうならないよう書き直したつもりですので、ウランを犯罪者にしない行動になっていればよいのですが…………。近くにその様子の両親視点も追加予定です。
「アラビアン嬢にクララ、おはようございます。アラビアン嬢には不便も多いだろうし、困ったことがあれば言ってほしい」
「あ、はい。お気遣い感謝いたします……」
「ありがとう、ございます……」
「ふふ」
そんなメラニー様がこちらに気づけば、朝の挨拶と共に私を気遣ってくれる言葉をかけてくれ、朝からメラニー様に声をかけられてオネエ様をちらりと見れば顔が赤く、そんなオネエ様を見てメラニー様は楽しそうに笑う。
そしてそんな様子に何かを察したのか微笑ましく見る周囲。お似合いな二人だもんね。ただ、周囲は二人が婚約同士で、メラニー様と元クラートであることに気づいているのかだけが気になる。
休みもあったし、隠しもしていないから調べればわかることだろうし。ユリアにバレたあの日、隠す必要がなくなったとオネエ様も言っていたから。
「ここじゃ注目されてしまいますからよければメラニー様も学年は違いますが教室まで………」
「それがね、私も留年させてもらったついでに同じクラスに入れてもらえてね。目立つのがバラける方が面倒だとかで」
オネエ様どころかメラニー様まで。こんなに簡単に留年を許していいのか学園。と思わなくもないけど、メラニー様が決めたことなら何も言えない。さすがのオネエ様も少し複雑そうだ。
「えっと……ではこれからよろしくお願いしますね」
「ええ」
とりあえずはどうしようもないことなのでこれからはクラスメイトとして受け入れるしかないだろう。
それよりも心配なのは、メラニー様のイケメン具合にユリアがどう行動するかということ。あの黒いもやに対抗するすべもないし、もし洗脳されたら……なんて不安もある。
けど、意外にもユリアは一瞬驚いた様子だけどじろじろとメラニー様を見てはヒロインらしからぬ舌打ちをして、興味なさげに顔を背けるだけに終わった。
「女に興味ないっての」
ユリアはどうやらそういった見分けられる目をお持ちらしい。ユリアの近くを通るときぼそっとそう聞こえた。いくら小さい声でも言葉遣いは気を付けた方がいいと思うけど、下手に怒らせるわけにもいかない。
「ふぅ……」
それはそれとしてオネエ様も私の車椅子を押しているのだから、その言葉が聞こえたのだろう。ほっとした様子だった。少なくともメラニー様が洗脳される可能性がないとわかったのだから。
「?」
メラニー様だけは私たちが何を安堵しているのかわかってない様子だったが、こんなところで事情を話すわけにもいかないので、気にしないでほしいと言うことしかできなかった。
それから席についた私たち。少し雑談をして始まるホームルーム。そのホームルームが更なる騒ぎを巻き起こすとは、この時の私は思いもしなかった。
ーお詫びー
ぷちざまぁのつもりが犯罪だと気にかけるような書き方をすみませんでした。今日さらなる修正でそうならないよう書き直したつもりですので、ウランを犯罪者にしない行動になっていればよいのですが…………。近くにその様子の両親視点も追加予定です。
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