30 / 35
天使?のショタ編ー完結ー
15
しおりを挟む
「う………わかってるんだ。それにこんなとこで寝ることしかできてないし」
倒れてたわけじゃなく寝てたのか、こんな廊下のど真ん中で。随分と白昼堂々とした泥棒がいるもんだね……。ここどこか理解してるかも怪しい。
「おかね、こまってるの?」
「そうなんだ。君みたいな子供に言うのもなんだけど、君くらいの妹がいてさ。その妹の薬代が足りなくて………でもやっぱ泥棒はだめだよなぁって思ってるとこで。捕まれば妹はひとりになるしね……」
泥棒がだめと思う気持ちは立派だけど、既に不法侵入している自覚はあるんだろうか?この人。
「たすけてあげようか?」
「え?助けるって君のような子供にお金をとったりできないよ」
妹のことがなければ、善人でいたような人。うん、この人なら使えそうだ。
「きみをぼくのじゅうしゃにしてあげる!」
「従者……?」
「ぼく、このおうたいしだもの。おとうさまにたのんであげる」
「へぇ……王太子……王太子!?いや、お父様って陛下!?いやいやいや、捕まっちゃうどころじゃないよ!」
「だいじょうぶ!ぼくがなんとかするから!そのかわりしんにゅうけいろをおしえて?」
「いや、でも………」
「いまここでおおごえだしたら、どうなるかな……?きみにきがいをくわえられそうなったなんていっちゃうかも?」
兄の仲間入りも悪くないよね?次はちゃんと調きょ……教育するし?
「ひぇっすみませんすみません!さすがに洒落になりません!助けてください!」
「うん、わかった。だからだれかくるまえにどこからきたかおしえて?あとは、ぼくにはなしをあわせれば、きみはしあわせいっちょくせんだからね!」
「じ、地獄の一直線………!?」
「いや、ききまちがえがひどいよ」
幸せと地獄ってひとつも文字あってないよ?こんなまだ幼い僕が地獄になんて送ると思ってるんだろうか?失礼な人だなぁ。まあいいけど。
「聞き間違え………?」
「もういいからはやくおしえて」
「は、はい!こちらです!」
少しくらい疑ってもいいだろうに、あっさり信じてしまう辺り詐欺にでも簡単に合いそうな人だなと思わなくもない。どうやら僕が王太子と知り、さっきとは違ってびしっと背筋も伸びて緊張しているようだ。
別に態度まで気にするほど心は狭くないけど面白いからこのままにしておこう。
そうして青年の案内の元、知った侵入経路は塀に崩れた場所があり、大人でも余裕に入れる穴があった。しかも庭の茂みにうまいこと隠れていたため、もしかしたら内部にそれを知りながら隠していた可能性も考えられる。
「はやくみつかったのはよかったかも。おてがらだよ、えーと」
「あ、俺、シズルって言います」
「シズルね。ぼくのことはリバースとよんでいいよ」
「お、恐れ多いので、リバース殿下で………」
「そう?」
真っ青なシズルに少し笑って見せて次に向かうはもちろん父の元。次こそは外にいく許可をもらい、シズルの協力の元、堂々とアマリアに会いに行くんだ!と意気込んで。
倒れてたわけじゃなく寝てたのか、こんな廊下のど真ん中で。随分と白昼堂々とした泥棒がいるもんだね……。ここどこか理解してるかも怪しい。
「おかね、こまってるの?」
「そうなんだ。君みたいな子供に言うのもなんだけど、君くらいの妹がいてさ。その妹の薬代が足りなくて………でもやっぱ泥棒はだめだよなぁって思ってるとこで。捕まれば妹はひとりになるしね……」
泥棒がだめと思う気持ちは立派だけど、既に不法侵入している自覚はあるんだろうか?この人。
「たすけてあげようか?」
「え?助けるって君のような子供にお金をとったりできないよ」
妹のことがなければ、善人でいたような人。うん、この人なら使えそうだ。
「きみをぼくのじゅうしゃにしてあげる!」
「従者……?」
「ぼく、このおうたいしだもの。おとうさまにたのんであげる」
「へぇ……王太子……王太子!?いや、お父様って陛下!?いやいやいや、捕まっちゃうどころじゃないよ!」
「だいじょうぶ!ぼくがなんとかするから!そのかわりしんにゅうけいろをおしえて?」
「いや、でも………」
「いまここでおおごえだしたら、どうなるかな……?きみにきがいをくわえられそうなったなんていっちゃうかも?」
兄の仲間入りも悪くないよね?次はちゃんと調きょ……教育するし?
「ひぇっすみませんすみません!さすがに洒落になりません!助けてください!」
「うん、わかった。だからだれかくるまえにどこからきたかおしえて?あとは、ぼくにはなしをあわせれば、きみはしあわせいっちょくせんだからね!」
「じ、地獄の一直線………!?」
「いや、ききまちがえがひどいよ」
幸せと地獄ってひとつも文字あってないよ?こんなまだ幼い僕が地獄になんて送ると思ってるんだろうか?失礼な人だなぁ。まあいいけど。
「聞き間違え………?」
「もういいからはやくおしえて」
「は、はい!こちらです!」
少しくらい疑ってもいいだろうに、あっさり信じてしまう辺り詐欺にでも簡単に合いそうな人だなと思わなくもない。どうやら僕が王太子と知り、さっきとは違ってびしっと背筋も伸びて緊張しているようだ。
別に態度まで気にするほど心は狭くないけど面白いからこのままにしておこう。
そうして青年の案内の元、知った侵入経路は塀に崩れた場所があり、大人でも余裕に入れる穴があった。しかも庭の茂みにうまいこと隠れていたため、もしかしたら内部にそれを知りながら隠していた可能性も考えられる。
「はやくみつかったのはよかったかも。おてがらだよ、えーと」
「あ、俺、シズルって言います」
「シズルね。ぼくのことはリバースとよんでいいよ」
「お、恐れ多いので、リバース殿下で………」
「そう?」
真っ青なシズルに少し笑って見せて次に向かうはもちろん父の元。次こそは外にいく許可をもらい、シズルの協力の元、堂々とアマリアに会いに行くんだ!と意気込んで。
11
お気に入りに追加
4,563
あなたにおすすめの小説
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
【完】ええ!?わたし当て馬じゃ無いんですか!?
112
恋愛
ショーデ侯爵家の令嬢ルイーズは、王太子殿下の婚約者候補として、王宮に上がった。
目的は王太子の婚約者となること──でなく、父からの命で、リンドゲール侯爵家のシャルロット嬢を婚約者となるように手助けする。
助けが功を奏してか、最終候補にシャルロットが選ばれるが、特に何もしていないルイーズも何故か選ばれる。
婚約破棄ですか?それは死ぬ覚悟あっての話ですか?
R.K.
恋愛
結婚式まで数日という日──
それは、突然に起こった。
「婚約を破棄する」
急にそんなことを言われても困る。
そういった意味を込めて私は、
「それは、死ぬ覚悟があってのことなのかしら?」
相手を試すようにそう言った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
この作品は登場人物の名前は出てきません。
短編の中の短編です。
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
やはり婚約破棄ですか…あら?ヒロインはどこかしら?
桜梅花 空木
ファンタジー
「アリソン嬢、婚約破棄をしていただけませんか?」
やはり避けられなかった。頑張ったのですがね…。
婚姻発表をする予定だった社交会での婚約破棄。所詮私は悪役令嬢。目の前にいるであろう第2王子にせめて笑顔で挨拶しようと顔を上げる。
あら?王子様に騎士様など攻略メンバーは勢揃い…。けどヒロインが見当たらないわ……?
とある公爵令嬢の復讐劇~婚約破棄の代償は高いですよ?~
tartan321
恋愛
「王子様、婚約破棄するのですか?ええ、私は大丈夫ですよ。ですが……覚悟はできているんですね?」
私はちゃんと忠告しました。だから、悪くないもん!復讐します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる