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天使?のショタ編ー完結ー

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「う………わかってるんだ。それにこんなとこで寝ることしかできてないし」

倒れてたわけじゃなく寝てたのか、こんな廊下のど真ん中で。随分と白昼堂々とした泥棒がいるもんだね……。ここどこか理解してるかも怪しい。

「おかね、こまってるの?」

「そうなんだ。君みたいな子供に言うのもなんだけど、君くらいの妹がいてさ。その妹の薬代が足りなくて………でもやっぱ泥棒はだめだよなぁって思ってるとこで。捕まれば妹はひとりになるしね……」

泥棒がだめと思う気持ちは立派だけど、既に不法侵入している自覚はあるんだろうか?この人。

「たすけてあげようか?」

「え?助けるって君のような子供にお金をとったりできないよ」

妹のことがなければ、善人でいたような人。うん、この人なら使えそうだ。

「きみをぼくのじゅうしゃ従者にしてあげる!」

「従者……?」

「ぼく、このおうたいしだもの。おとうさまにたのんであげる」

「へぇ……王太子……王太子!?いや、お父様って陛下!?いやいやいや、捕まっちゃうどころじゃないよ!」

「だいじょうぶ!ぼくがなんとかするから!そのかわりしんにゅうけいろをおしえて?」

「いや、でも………」

「いまここでおおごえだしたら、どうなるかな……?きみにきがいをくわえられそうなったなんていっちゃうかも?」

兄の仲間入りも悪くないよね?次はちゃんと調きょ……教育するし?

「ひぇっすみませんすみません!さすがに洒落になりません!助けてください!」

「うん、わかった。だからだれかくるまえにどこからきたかおしえて?あとは、ぼくにはなしをあわせれば、きみはしあわせいっちょくせんだからね!」

「じ、地獄の一直線………!?」

「いや、ききまちがえがひどいよ」

幸せと地獄ってひとつも文字あってないよ?こんなまだ幼い僕が地獄になんて送ると思ってるんだろうか?失礼な人だなぁ。まあいいけど。

「聞き間違え………?」

「もういいからはやくおしえて」

「は、はい!こちらです!」

少しくらい疑ってもいいだろうに、あっさり信じてしまう辺り詐欺にでも簡単に合いそうな人だなと思わなくもない。どうやら僕が王太子と知り、さっきとは違ってびしっと背筋も伸びて緊張しているようだ。

別に態度まで気にするほど心は狭くないけど面白いからこのままにしておこう。

そうして青年の案内の元、知った侵入経路は塀に崩れた場所があり、大人でも余裕に入れる穴があった。しかも庭の茂みにうまいこと隠れていたため、もしかしたら内部にそれを知りながら隠していた可能性も考えられる。

「はやくみつかったのはよかったかも。おてがらだよ、えーと」

「あ、俺、シズルって言います」

「シズルね。ぼくのことはリバースとよんでいいよ」

「お、恐れ多いので、リバース殿下で………」

「そう?」

真っ青なシズルに少し笑って見せて次に向かうはもちろん父の元。次こそは外にいく許可をもらい、シズルの協力の元、堂々とアマリアに会いに行くんだ!と意気込んで。
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