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へんた………王太子編ー完結ー
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「ううむ、さすがにリバーそれは城の中ばかりのリバーで見ることはないと思うのだが………」
さすがの父もそこは疑問に思ってくれたようでほっとする。こんなあからさまな嘘をついたんだ。私のことも嘘だと今なら………
「ううっおとうしゃましんじてくれりゅっていったのにぃ………っ」
「ぐうっよし!信じよう!リバーが嘘を吐くはずもない!」
ち、父上ぇぇ!?それはあんまりにもあんまりが過ぎませんか!?そんなことを言われたら私はもはや成す術がない。どんな嘘にも私は敵わないことになってしまう。こんな冤罪のなすりつけなんて酷すぎる!
「そうだ!そうだ!リバース殿下が嘘を吐くはずがない!」
「自分の罪をアマリア嬢にしときながら押し付けようとは最低にも程がある!」
「このどクズ変態子殿下は権力で真実をねじ曲げようとしたに違いないわ!」
ついには、いじめはニヤーリカがしたものでそれを私がニヤーリカを助けようとして、アマリアに罪を押し付けようとしたなどあらぬ誤解まで周囲が叫ぶ。真実が………真実が全てリバースによって黒く塗りつぶされていく感覚に陥る。
「なんで、なんでこうなるのよ!」
ニヤーリカも納得いかないのだろう。悔しそうに叫ぶ。守りたいのに、私は何もできない。
「おとうしゃま、あのどくずしりがるおんなこわいよぉ」
ついには最後のとどめとばかりの言葉。口が悪すぎやしないだろうか。
「衛兵!今すぐその穢らわしいものを牢へ!リバーに悪影響だ!」
「「はっ」」
なんて思う間にも衛兵が近寄ってニヤーリカを二人掛かりで逃げないよう両腕を掴む。
「いやあっ離して!離しなさいよ!私はヒロインなのよ!」
騒ぐニヤーリカに私は何も言えない。本来ならアマリアが捕まるはずだった。なのに何故ニヤーリカが?ぐちゃぐちゃになった顔で私は呆然とすることしかできなかった。あまりにもありえないことばかりが真実とされていく。私は王太子だというのに……悪を裁く側になるはずだったのに何故こうなった?
「それと、リバー誰に教わったか知らないが、どクズ尻軽女という言葉は忘れなさい。ちなみに誰がそんな汚い言葉を教えた?」
私は信じられないことばかりが起きて油断していた。
「おにいしゃまでしゅ!」
悪魔の猛攻撃はまだ終わっていないことを。
「このバカ息子があああああっ!」
「ちがああああああああっ」
どこにそんな元気があるのか。しまったと思ったときには否定の言葉よりも早く父に飛び蹴りをくらっていた。
「じゃまあみりょ」
そう口を動かした悪魔の言葉を私は生涯忘れないだろう。どうせ信じてもらえない父の飛び蹴りで腹を抱えた私が口に出せるはずもなかったが。
さすがの父もそこは疑問に思ってくれたようでほっとする。こんなあからさまな嘘をついたんだ。私のことも嘘だと今なら………
「ううっおとうしゃましんじてくれりゅっていったのにぃ………っ」
「ぐうっよし!信じよう!リバーが嘘を吐くはずもない!」
ち、父上ぇぇ!?それはあんまりにもあんまりが過ぎませんか!?そんなことを言われたら私はもはや成す術がない。どんな嘘にも私は敵わないことになってしまう。こんな冤罪のなすりつけなんて酷すぎる!
「そうだ!そうだ!リバース殿下が嘘を吐くはずがない!」
「自分の罪をアマリア嬢にしときながら押し付けようとは最低にも程がある!」
「このどクズ変態子殿下は権力で真実をねじ曲げようとしたに違いないわ!」
ついには、いじめはニヤーリカがしたものでそれを私がニヤーリカを助けようとして、アマリアに罪を押し付けようとしたなどあらぬ誤解まで周囲が叫ぶ。真実が………真実が全てリバースによって黒く塗りつぶされていく感覚に陥る。
「なんで、なんでこうなるのよ!」
ニヤーリカも納得いかないのだろう。悔しそうに叫ぶ。守りたいのに、私は何もできない。
「おとうしゃま、あのどくずしりがるおんなこわいよぉ」
ついには最後のとどめとばかりの言葉。口が悪すぎやしないだろうか。
「衛兵!今すぐその穢らわしいものを牢へ!リバーに悪影響だ!」
「「はっ」」
なんて思う間にも衛兵が近寄ってニヤーリカを二人掛かりで逃げないよう両腕を掴む。
「いやあっ離して!離しなさいよ!私はヒロインなのよ!」
騒ぐニヤーリカに私は何も言えない。本来ならアマリアが捕まるはずだった。なのに何故ニヤーリカが?ぐちゃぐちゃになった顔で私は呆然とすることしかできなかった。あまりにもありえないことばかりが真実とされていく。私は王太子だというのに……悪を裁く側になるはずだったのに何故こうなった?
「それと、リバー誰に教わったか知らないが、どクズ尻軽女という言葉は忘れなさい。ちなみに誰がそんな汚い言葉を教えた?」
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悪魔の猛攻撃はまだ終わっていないことを。
「このバカ息子があああああっ!」
「ちがああああああああっ」
どこにそんな元気があるのか。しまったと思ったときには否定の言葉よりも早く父に飛び蹴りをくらっていた。
「じゃまあみりょ」
そう口を動かした悪魔の言葉を私は生涯忘れないだろう。どうせ信じてもらえない父の飛び蹴りで腹を抱えた私が口に出せるはずもなかったが。
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