暴君皇帝は幼妻にご執心~皇帝サイド~

荷居人(にいと)

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宰相

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「陛下ー!私が犯人ですーっ!」

そんな中空気も読まずに現れたのが今回の被害者宰相だった。

「宰相、目が覚めたか」

とりあえず叫んでいる内容よりもあまりに叫ぶので煩さに耳を塞ぎたくなる。叫ばなくても十分聞こえているというのに。まあ内容が内容なだけに聞き間違いかと思うが。

「陛下、違うんです!スモール家はなんら関係ありません!今回の騒ぎは私の自作自演でございます!」

「は………?」

なのに、こいつは何を言い出すのか。一度ならず二度までも。宰相の自作自演だと?

「確かに私はスモール家の民の中の親戚のそのまた親戚のさらに親戚そのまたまた親戚の筋から養子に出されたとはいえ、多少繋がりはあるかもしれません」

そうか、まさかの繋がりがあってスモール家を思うあまりに事件としたか………なんて納得するとでも思ったか?

「もはや関係ないと思うが……」

寧ろ他人だろうそれは。スモール家一家もぽかーんとしているぐらいだ。

「そうです!関係ないのです!ただ、私にはスモール家に忠誠を誓う血が流れているのです!」

関係ないのに忠誠の血とはこいつバカなのか?と本気で思った。

「関係ないならその血も気のせいだろう」

関係あると思っていたなら随分な思い込みだ。というかその忠誠心がどこから来たのかが謎すぎる。

「そんなわけはありません!私はあの日スモール家に出会った日からスモール家に忠誠を誓っているのですから!そのために宰相という地位になったぐらいです!」

宰相になる前に出会ったということか。一体何があれば宰相になろうという考えになる?スモール家一家が権力に欲を見出だしているようには思えないが。

「普通は俺に忠誠を誓ってほしいものだがな?それにスモール家とは関係ないんじゃないのか?」

「はっ!そうです!関係ありません!暴君皇帝にコルトリア様を嫁がせてなるものかと起こしたわけではありません!」

なんともわかりやすい。それだけによくこれを宰相にしていたなと思う自分がいる。

「何故俺はこれを宰相にしていたのか………今物凄く後悔をしている」

「その……お察しします、陛下」

その気遣い、トールならば男爵から宰相になってもいけるのでは?

「トール、お前が宰相になるか?」

なんてひらめくほどには

「まだ成人もしておりませんのでさすがに………」

「そうか、そうだったな……」

俺もさすがに疲れてきているようだ。

「トール様がお望みなら譲りますぞ!宰相の地位!」

「あ、いらないです」

「そうですか………」

俺の方が寧ろ余計に残念な気分だぞ……なんて残念そうにする宰相を見て思った俺だった。







ーお知らせー

昨日更新できずすみません………仕事疲れでやる気が出ませんでした………
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