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こうしちゃいられませんぞぉおぉぉ~宰相視点~
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普通行方不明になってた人が突然部屋に倒れて現れていたら無事かどうか確認して医務室に運ばないだろうか?それとも陛下にそれを求める私がおかしいのだろうか?
狸寝入りではあったものの容赦ないビンタ。絶対腫れているし、飛び起きそうになったのをなんとか耐えたが、物凄く痛い。こんなことなら、自分も睡眠薬ぐらい飲んでおくんだったと後悔するぐらいにはそれはもう痛かった。いや、過去形にすべきではないな。正直今も痛い。
まあそれより宰相たる私が何故陛下を欺いてまで寝たふりをしているのか気になるものもいるだろう。それは物凄く単純な理由だ。実はこの私はひそかにスモール家に忠誠を誓っている一族の血と繋がっており、それはそれは遠い血筋かもしれないが、私としては陛下は二の次なぐらいに忠誠心を持っている。
元々いつしかスモール家の助けになるならばと養子となった先で勉学を学び、宰相になったに過ぎない。実際スモール家にちょっかいをかけるどこぞの下衆伯爵の対処がもう少しでできるところで、まさかの皇帝陛下がスモール家のご令嬢に目をつけるとは思いもしなかった。
まあおかげで下衆伯爵には予定より大きな罸を与えられそうだなという利点がなくはなかったが、婚約をすっ飛ばし、ご結婚となれば話しは別だ。陛下の邪魔立てをしようものなら私はすぐに処刑だろう。だからこそ事件を匂わせてなんとか婚姻を長引かせることで阻止し、スモール家の領民にスモール一家を他国へ逃すようにする予定だった。
「どうやらスモール一家の関係者がこの事件を起こしたらしいわ」
「スモール一家といえば陛下が見初めたご令嬢の………?」
なのに、聞こえたこの会話。いない犯人の手がかりなどないはずだから私が目を覚まさなければ時間はいくらでも稼げたはずだった。というのに、何故スモール家の関係者とバレてしまったのか。まさか、私が親戚のそのまた親戚のさらに親戚そのまたまた親戚の筋から養子に出されたスモール家の関係者だともう調べがついたというのか?
私はハラハラしながらそのまま寝たふりをしたまま、メイドたちの噂話に聞き耳を立てる。
「ええ、スモール家のご一家が総出で今陛下に謁見を………」
「のおぉぉぉん!」
「きゃあっ」
「え?宰相様!?急に叫んで何が……」
何故そうなる!?寧ろ皇帝陛下から逃げるべき人たちが何故何故何故!?
ああっまさか優しさ余って民の罪を被ろうと!?なんたるなんたる慈悲深さ!しかし、私は残念ながら親戚のそのまた親戚のさらに親戚そのまたまた親戚の筋から養子に出されたスモール民ではないというのに!
そう混乱の渦の中、私は寝てる場合ではないと判断し、叫びながら起き上がってはベッドから慌てて出る。
「こうなったら自首あるのみぃいぃぃっ」
「宰相様!?」
「お待ちください!」
そして私はメイドも騎士も振り切って皇帝の謁見場に頬の痛みも忘れて全速力で向かうのだった。
ーお知らせー
毎日更新が大変なため一週間に両サイドおやすみをいただきます。
こちらの裏本編は毎週月曜日を更新休みとさせていただきます。
本編は休みをずらして火曜日休みといたします。最悪どちらかが更新できるようにはさせていただきますのでよろしくお願いします!
狸寝入りではあったものの容赦ないビンタ。絶対腫れているし、飛び起きそうになったのをなんとか耐えたが、物凄く痛い。こんなことなら、自分も睡眠薬ぐらい飲んでおくんだったと後悔するぐらいにはそれはもう痛かった。いや、過去形にすべきではないな。正直今も痛い。
まあそれより宰相たる私が何故陛下を欺いてまで寝たふりをしているのか気になるものもいるだろう。それは物凄く単純な理由だ。実はこの私はひそかにスモール家に忠誠を誓っている一族の血と繋がっており、それはそれは遠い血筋かもしれないが、私としては陛下は二の次なぐらいに忠誠心を持っている。
元々いつしかスモール家の助けになるならばと養子となった先で勉学を学び、宰相になったに過ぎない。実際スモール家にちょっかいをかけるどこぞの下衆伯爵の対処がもう少しでできるところで、まさかの皇帝陛下がスモール家のご令嬢に目をつけるとは思いもしなかった。
まあおかげで下衆伯爵には予定より大きな罸を与えられそうだなという利点がなくはなかったが、婚約をすっ飛ばし、ご結婚となれば話しは別だ。陛下の邪魔立てをしようものなら私はすぐに処刑だろう。だからこそ事件を匂わせてなんとか婚姻を長引かせることで阻止し、スモール家の領民にスモール一家を他国へ逃すようにする予定だった。
「どうやらスモール一家の関係者がこの事件を起こしたらしいわ」
「スモール一家といえば陛下が見初めたご令嬢の………?」
なのに、聞こえたこの会話。いない犯人の手がかりなどないはずだから私が目を覚まさなければ時間はいくらでも稼げたはずだった。というのに、何故スモール家の関係者とバレてしまったのか。まさか、私が親戚のそのまた親戚のさらに親戚そのまたまた親戚の筋から養子に出されたスモール家の関係者だともう調べがついたというのか?
私はハラハラしながらそのまま寝たふりをしたまま、メイドたちの噂話に聞き耳を立てる。
「ええ、スモール家のご一家が総出で今陛下に謁見を………」
「のおぉぉぉん!」
「きゃあっ」
「え?宰相様!?急に叫んで何が……」
何故そうなる!?寧ろ皇帝陛下から逃げるべき人たちが何故何故何故!?
ああっまさか優しさ余って民の罪を被ろうと!?なんたるなんたる慈悲深さ!しかし、私は残念ながら親戚のそのまた親戚のさらに親戚そのまたまた親戚の筋から養子に出されたスモール民ではないというのに!
そう混乱の渦の中、私は寝てる場合ではないと判断し、叫びながら起き上がってはベッドから慌てて出る。
「こうなったら自首あるのみぃいぃぃっ」
「宰相様!?」
「お待ちください!」
そして私はメイドも騎士も振り切って皇帝の謁見場に頬の痛みも忘れて全速力で向かうのだった。
ーお知らせー
毎日更新が大変なため一週間に両サイドおやすみをいただきます。
こちらの裏本編は毎週月曜日を更新休みとさせていただきます。
本編は休みをずらして火曜日休みといたします。最悪どちらかが更新できるようにはさせていただきますのでよろしくお願いします!
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