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そうして大して時間もかけずにパーティー登録は完了。子供をパーティーに入れる場合は保護者登録とも言われるらしいけど。
「登録はできたのですが、依頼がどの程度まで受けて大丈夫かの試験は子供でもありますので、受けていただけますか?」
「試験なんてあるの?」
少し勉強不足だったようだ。登録して保護者になる人がいればすぐ依頼を受けれるとばかり思っていたから。ハイエさんに言われて首をかしげて見せれば、申し訳なさそうにハイエさんは説明してくれた。
「受けずともできる依頼はあるのですが………街の掃除など、その危険のないものとして街中ばかりの依頼のみとなります」
つまりは試験を受けなくともできる依頼はあっても、僕にそういう雑用依頼をさせるのは気が引けるってことかな?まあどうせ、冒険者になるなら街の外にもでたいし、試験は受けとくべきかな。
「うん、わかった!うけりゅ!」
「ありがとうございます。試験内容は身を守る術を見せていただく形なので、危険はありません」
なるほど、子供を守るための措置でもあるわけだ。身の守りができるかできないかで保護者となる大人の負担は変わるし、ギルドとしても冒険者を減らすような真似は避けたいといったところかな?
「ばしょはここじゃないよね?」
「もちろんです。案内いたしますので……」
「おねがいしましゅ」
そういうわけでカイザーに何故か抱っこされたままハイエさんに案内された試験場。まあ実力を測るだけってのもあるだろうけど、随分と殺風景な場所だった。
着いてすぐカイザーに下ろされ、僕はハイエさんと向き直る。
「試験は私がさせていただきます」
そして当然ながら案内をしてくれたギルドマスターハイエが僕の試験官らしい。まあ誰でもいいけど、ハイエさんからすれば他に任せるのは荷が重いと感じているのかも。
身を守る術を見せるだけならそこまで気にしなくてもとは思わなくもないけど。
「はい!あっちいけぇ!」
「!」
まあ何はともあれ、こういうのは出たとこ勝負。返事と共に発動させた空間魔法あっちいけぇ。これは相手を吹き飛ばすわけではなく、自分の見えない場所にワープさせてしまう技だ。空間魔法は集中力が大事。だからもし焦って失敗した場合、ワープと同時に腕がちぎれたりとか考えたら敵をワープさせるのが一番だと考えたんだよね。
敵なら失敗しても僕は痛くないから。ただデメリットは討伐対象を飛ばしちゃうとどこいったかわからなくなることかな……てへっ
「ハイエはどこに行ったんだ………?」
「てあしはぶじだよ!」
「え」
とりあえず、身を守る術と聞いて考えていた魔法だから焦りもないし、使った瞬間全部消えたからハイエさんの手足が無事なのは確か。
こうしてどこかへ飛ばされたハイエさんが試験場へ戻ってきたのは1時間後だった。
「登録はできたのですが、依頼がどの程度まで受けて大丈夫かの試験は子供でもありますので、受けていただけますか?」
「試験なんてあるの?」
少し勉強不足だったようだ。登録して保護者になる人がいればすぐ依頼を受けれるとばかり思っていたから。ハイエさんに言われて首をかしげて見せれば、申し訳なさそうにハイエさんは説明してくれた。
「受けずともできる依頼はあるのですが………街の掃除など、その危険のないものとして街中ばかりの依頼のみとなります」
つまりは試験を受けなくともできる依頼はあっても、僕にそういう雑用依頼をさせるのは気が引けるってことかな?まあどうせ、冒険者になるなら街の外にもでたいし、試験は受けとくべきかな。
「うん、わかった!うけりゅ!」
「ありがとうございます。試験内容は身を守る術を見せていただく形なので、危険はありません」
なるほど、子供を守るための措置でもあるわけだ。身の守りができるかできないかで保護者となる大人の負担は変わるし、ギルドとしても冒険者を減らすような真似は避けたいといったところかな?
「ばしょはここじゃないよね?」
「もちろんです。案内いたしますので……」
「おねがいしましゅ」
そういうわけでカイザーに何故か抱っこされたままハイエさんに案内された試験場。まあ実力を測るだけってのもあるだろうけど、随分と殺風景な場所だった。
着いてすぐカイザーに下ろされ、僕はハイエさんと向き直る。
「試験は私がさせていただきます」
そして当然ながら案内をしてくれたギルドマスターハイエが僕の試験官らしい。まあ誰でもいいけど、ハイエさんからすれば他に任せるのは荷が重いと感じているのかも。
身を守る術を見せるだけならそこまで気にしなくてもとは思わなくもないけど。
「はい!あっちいけぇ!」
「!」
まあ何はともあれ、こういうのは出たとこ勝負。返事と共に発動させた空間魔法あっちいけぇ。これは相手を吹き飛ばすわけではなく、自分の見えない場所にワープさせてしまう技だ。空間魔法は集中力が大事。だからもし焦って失敗した場合、ワープと同時に腕がちぎれたりとか考えたら敵をワープさせるのが一番だと考えたんだよね。
敵なら失敗しても僕は痛くないから。ただデメリットは討伐対象を飛ばしちゃうとどこいったかわからなくなることかな……てへっ
「ハイエはどこに行ったんだ………?」
「てあしはぶじだよ!」
「え」
とりあえず、身を守る術と聞いて考えていた魔法だから焦りもないし、使った瞬間全部消えたからハイエさんの手足が無事なのは確か。
こうしてどこかへ飛ばされたハイエさんが試験場へ戻ってきたのは1時間後だった。
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