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「たかい………」
受付にいけば高い机という名の壁。ギリギリ受付のお姉さんが見えるか見えないかの際どい高さだ。
「………これでいいだろ?」
すると見かねたカイザーが僕を抱き上げてくれる。カイザーは背が高いので、逆に受付のお姉さんを見下ろす形となった。
「ようこそ、冒険者ギルドへ!……と言いたいところなんですが、先程は助けられずすみません」
僕が抱き上げられ、姿を見せると、お姉さんがテンション高く言い放つ。しかし、すぐ申し訳なさそうに僕に頭を下げた。どう考えても先程のいざこざについてだろう。
「いいよ。カイザーよんでくれたの、おねえしゃんでしょ?」
「え?気づいて………?」
冒険者が一般人に危害を加えるのは冒険者規則からしてよしとされていない。基本はそれを止めるギルド職員がいる場合はギルド職員が優先的に注意、警告しに出るが、いない場合は信用に置ける近くにいる冒険者にお願いする。
こういった規則違反による協力に、冒険者は断りを入れてはいけないのも規則のひとつ。ただし、相手よりランクが低い場合や怪我などにより、相手を止めるのに適切じゃないと判断した場合のみ断れるけどね。
とはいえ、カイザーならお人好しそうだから自分から助けてくれそうではあるけど。どちらにしても規則からしてギルド内でまだ冒険者じゃない僕に絡む冒険者を見て見ぬふりはしないと思っていたから、もしかしてと思ったらやっぱりそうだったってだけ。
僕って頭いい!勉強が役に立ってるね!
「まあ、助けようとしたらついでに頼まれただけで放置する気はなかったからな?」
「うん、わかってりゅよ!」
改めて言われると言い訳っぽく感じちゃうけど、助けたあとも気にかけてくれる時点でお人好しそうなのはよく理解してる。まあ、僕が子供だからってのもありそうだけど。子供ってお得だよね!
「それで、冒険者登録でしたよね。親御さんからの許可証はございますか?」
「はい!」
「拝見いたします」
さっき取り出した許可証をお姉さんに渡せば、急に眼鏡をかけ見始めたので、許可証が偽物ではないかなどの確認をしているのだろう。そして、恐らくサインを見て………目を見開いた。
「え?あの、ええ!?」
サインと僕を見比べて慌てた様子だ。カイザーは許可証だけの確認でサインまでは確認しなかったようだけど、お姉さんは全部確認しなければならないわけで、まあ驚くのも仕方ない。
僕の正体を理解しただろうから。逆に僕の正体に気づいていないカイザーや周囲の人は、お姉さんの慌てぶりを不思議そうに見ているけど。
「おちちゅいて?」
「あの、ですが、本当にうちの冒険者が失礼をいたしました!まだ冒険者手続きは終えていませんので、冒険者同士のいざこざと処理できない案件ではありましたし、あの者は冒険者剥奪とします!」
「それはおねえしゃんにまかしぇるね?」
まあ、絡まれただけで殴られる前にカイザーが助けてくれたし、やり返しはしたつもりだから心の広い僕は大して気にしてないけど、止めてあげる義理もないからお姉さんに任せることにした。
まあもしもあの時殴られていれば、言いつける前に父から肌身離さず持っているように言われていた守り石で、何かしら知らせがいきそうな気がしなくもないけど。空間魔法に入れようとしたらポケットに入れときなさいと言われたんだよね。
落としても登録した持ち主に戻ってくるから大丈夫だって。どうせならアクセサリーとかにしてくれればなぁと思ったけど、守り石は石のままだから効果があるのだとか。
詳しくは教えてもらえなかったし、よくわからないんだよね。
受付にいけば高い机という名の壁。ギリギリ受付のお姉さんが見えるか見えないかの際どい高さだ。
「………これでいいだろ?」
すると見かねたカイザーが僕を抱き上げてくれる。カイザーは背が高いので、逆に受付のお姉さんを見下ろす形となった。
「ようこそ、冒険者ギルドへ!……と言いたいところなんですが、先程は助けられずすみません」
僕が抱き上げられ、姿を見せると、お姉さんがテンション高く言い放つ。しかし、すぐ申し訳なさそうに僕に頭を下げた。どう考えても先程のいざこざについてだろう。
「いいよ。カイザーよんでくれたの、おねえしゃんでしょ?」
「え?気づいて………?」
冒険者が一般人に危害を加えるのは冒険者規則からしてよしとされていない。基本はそれを止めるギルド職員がいる場合はギルド職員が優先的に注意、警告しに出るが、いない場合は信用に置ける近くにいる冒険者にお願いする。
こういった規則違反による協力に、冒険者は断りを入れてはいけないのも規則のひとつ。ただし、相手よりランクが低い場合や怪我などにより、相手を止めるのに適切じゃないと判断した場合のみ断れるけどね。
とはいえ、カイザーならお人好しそうだから自分から助けてくれそうではあるけど。どちらにしても規則からしてギルド内でまだ冒険者じゃない僕に絡む冒険者を見て見ぬふりはしないと思っていたから、もしかしてと思ったらやっぱりそうだったってだけ。
僕って頭いい!勉強が役に立ってるね!
「まあ、助けようとしたらついでに頼まれただけで放置する気はなかったからな?」
「うん、わかってりゅよ!」
改めて言われると言い訳っぽく感じちゃうけど、助けたあとも気にかけてくれる時点でお人好しそうなのはよく理解してる。まあ、僕が子供だからってのもありそうだけど。子供ってお得だよね!
「それで、冒険者登録でしたよね。親御さんからの許可証はございますか?」
「はい!」
「拝見いたします」
さっき取り出した許可証をお姉さんに渡せば、急に眼鏡をかけ見始めたので、許可証が偽物ではないかなどの確認をしているのだろう。そして、恐らくサインを見て………目を見開いた。
「え?あの、ええ!?」
サインと僕を見比べて慌てた様子だ。カイザーは許可証だけの確認でサインまでは確認しなかったようだけど、お姉さんは全部確認しなければならないわけで、まあ驚くのも仕方ない。
僕の正体を理解しただろうから。逆に僕の正体に気づいていないカイザーや周囲の人は、お姉さんの慌てぶりを不思議そうに見ているけど。
「おちちゅいて?」
「あの、ですが、本当にうちの冒険者が失礼をいたしました!まだ冒険者手続きは終えていませんので、冒険者同士のいざこざと処理できない案件ではありましたし、あの者は冒険者剥奪とします!」
「それはおねえしゃんにまかしぇるね?」
まあ、絡まれただけで殴られる前にカイザーが助けてくれたし、やり返しはしたつもりだから心の広い僕は大して気にしてないけど、止めてあげる義理もないからお姉さんに任せることにした。
まあもしもあの時殴られていれば、言いつける前に父から肌身離さず持っているように言われていた守り石で、何かしら知らせがいきそうな気がしなくもないけど。空間魔法に入れようとしたらポケットに入れときなさいと言われたんだよね。
落としても登録した持ち主に戻ってくるから大丈夫だって。どうせならアクセサリーとかにしてくれればなぁと思ったけど、守り石は石のままだから効果があるのだとか。
詳しくは教えてもらえなかったし、よくわからないんだよね。
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