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1章手始めに食い下がりといきましょう

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まあとにかくそれで怒ってないなら何に怒ったのかよね。

それはすぐにわかるわ。

「さて、これ以上は見ていて不快ですので別のものを」

「次は何を」

『ビビッチ、ついに明日あいつに婚約破棄を突きつける!何も知らずに言われたあいつの顔が見ものだな!ビビッチに酷いことをした報いだ!』

『ふふっようやく私がバイカ様の婚約者になれるのですね』

「これは………」

「映像機器を用意していた辺りで気づいたかと思いますが、私知っていましたよ?殿下がすることを。もちろん処刑もあれだけそこのご令嬢に啖呵切って言ったのですから予測できるというもの。寧ろ不貞がバレていて私が探るとは思いませんでしたの?」

まあつまりは私はバカが考えることもわからない女だと思われたことに腹を立てたのです。

だってバカにバカにされるなんてイラッといたしません?自分より二倍でかいデブにデブと言われたり、誰からもださいと言われる服を着た人物にださいと言われたりすると腹が立つでしょう?

だからバレバレよというのを羞恥と共にお送りしたまでよ。撮れたものでね……。

如何に自分が人をバカにできない存在かわからす必要がありますし、用意して……撮れたものを残しておいてよかったわ。

「知っていて来たのか」

「ふふっあー怖いですわ、処刑!不貞したバカな殿下と変態のご令嬢のために死ななくてはならないなんて!」

万が一、ほんの少しの可能性。怖いですわね。処刑されるなんて。

「衛兵!これを黙らせろ!」

今更衛兵だなんて………何を言っているのやら。

「衛兵?国王代理として申し上げます。そこのバカ二人を拘束なさい」

「国王代理!?」

「何を!」

バタバタと衛兵が命令を聞いて動く。もちろん私の命令を聞いたわけだけど。抵抗虚しく二人が拘束される。

「殿下、私が対策なく動くとでも?身分が王族と最上位相手に不敬罪にはなるかもしれませんが、貴方は敬意を払う価値ある人物じゃありませんし不敬罪と言われようと私をバカにした今、優しくするつもりはありません」

「なんで俺が………っいや、何故お前が父上の代理なんかに!」

「バカの教育に関しては許された代理権限なのですよ。城で知らないのはバカ貴方だけです。意味わかりますか?」

映像から悪いのはバカとビッチだと周囲は理解したことだろう。いじめが本当でも嘘でも不貞を働いたからこそそうなるならビッチは自業自得。王子は私を責めるどころか詫びるべきだと思うことでしょう。

何より自分勝手な処刑宣言はバカを見限るいいきっかけとなるわ。

一部王子の取り巻きをしていた人物は私が邪魔のようだからなんとか私を失脚させるために頭を回転させていそうだけれど、分は悪いでしょうね。

二人どころかバカ王子を支持して操ろうとする阿呆たちもまとめて片付けてあげてもいいわ。

悪役は欲深いからあらゆる手をつけるのよ?食い下がりはこんなものね。私に処刑を実行できたものならバカによる勝手な処刑としてバカは王になる道が狭まるのがわかるのだから。

食い下がるほど労力を使わなくもなかったのは………まあ予想の範囲内ね。

それとそろそろバカには自分以外を下に見て自分勝手にしていたら痛い目を見るということを次は教えましょうか。

舞踏会は終わりよ。
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