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私は甘いのでしょうか
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周りの協力もいらなくなってきてようやくできるようになったデート。ドタキャンは多いし、デートは毎回私がお金を払ってる。本当にクズだななんて。
「今日いくら持ってんだ」
「えーと………」
でも毎回持ってる金額に合わせてデートプランを考えてはくれている。割り勘でもいいから払ってほしいなと思わなくもないが、デートは楽しいのでそれがなしになるのは私が嫌なのだ。
デートのとき純くんはいつもより優しいから余計に。だからドタキャンされたときは普通に落ち込む。顔にこそ出ないけれど。
プルルと鳴る電話にびくりと反応するのは携帯を持たない私。
「もしもし」
私に対する態度よりも優しいその電話の向こうには誰がいるのだろう?そう思う日々。彼は絶対にデート中だろうと電話をとる。
そして電話に出た瞬間から決まるのだ。
「悪い、今日は無理になった」
「そっか………」
仕方ないとばかりに無理だと言ってそれ以上理由を告げることもなく彼は帰る。そのドタキャン理由を周囲は知っているようだが教えてはもらえない。
よくあることだから、あいつ彼女に対してもほんとクズ!と私に気にするなとばかりに言ってくれるが、何かを隠しているのはバレバレだ。
仕方なく唯一の友人に話したら
「はぁ!?あのクズ男と付き合ってるの?やめときなって!絶対ろくでもないし、二股とかだって!」
そんなことを言われた。クズ男として有名な純くんは唯一の友人も当たり前のように知っていた。
結局悩んでた日々もある日を出来事に解決をする。
「デートすんぞ」
「え?」
珍しく彼からのデートの誘いに信じられない気持ちになる。だけど誘われたのは素直に嬉しいので承諾して連れてこられたのは学生だけでは行くことのないだろう高級なお店。
「私こんなの払えないよ?」
「今日は俺が払う」
「え?」
二度目の信じられない言葉に今日はどうしたのか逆に心配になった。普段払ってもらってばかりの純くんにお金があるのだろうか?と。
でも純くんに腕を引っ張られてそんな心配を言葉にすることもできず席に着いては出されるコース料理の数々。
「うまいか?」
「え、うん」
ふっと笑みを見せる純くんはいつもより余裕があるようだ。いつもと違う彼にどきどきとする自分がいる。
美味しいコース料理を味わってはらはらしていた料金は二人分言った通り純くんが払ってくれた。やっぱり払えと言われたらどうしようなんて思っていただけに本当に払ってくれたことに少し感動した。
そのあとは服屋さん。普段は行かない場所だ。服なんて純くんの分も払うデート代で買う余裕なんてなかったのだから。
「これ、可愛い……」
地味な私には似合わないだろうなぁと思いながらも服を見るだけでも楽しんでいる自分。それを何が面白いのか眺める純くん。
好きに見るよう言われたから見ているのだけど、じっと見られるのは気恥ずかしい。
「お前に似合うな、買うぞ」
「え?これ結構高いよ?」
「これも似合う」
「えぇー………?」
普段私を褒めない彼には熱があるかもしれないなんて本気で思い始めている間に増える服、服、服。本当にそんなに買うお金が?と思えば本当に払ってしまった純くん。
そして店に出て服の入った袋を渡される。
「誕生日おめでとう」
「え、あぁぁ!!」
「なんだ、忘れてたのか?」
純くんらしくない行動に気をとられすぎて忘れていた自分の誕生日。もしかしてドタキャンの理由って………?なんて思うけれど彼のことだ素直には言わないだろう。
彼の周囲が黙っていた理由をようやく理解した。
「ありがとう」
「………っ!わ、わ、笑ってんじゃねーよ!ばーか!」
「えー………?」
笑ってたのだろうか?この私が?純くんの何を刺激したのかわからないけど、ここでようやく余裕のなさが見える純くんに戻った。なんでだ?と思いながらもそんな純くんにどこか安心する私がいる。
この日からドタキャンされても私が悩むことはなくなった。特別な日は必ず彼からデートに誘われることを知って。
「今日いくら持ってんだ」
「えーと………」
でも毎回持ってる金額に合わせてデートプランを考えてはくれている。割り勘でもいいから払ってほしいなと思わなくもないが、デートは楽しいのでそれがなしになるのは私が嫌なのだ。
デートのとき純くんはいつもより優しいから余計に。だからドタキャンされたときは普通に落ち込む。顔にこそ出ないけれど。
プルルと鳴る電話にびくりと反応するのは携帯を持たない私。
「もしもし」
私に対する態度よりも優しいその電話の向こうには誰がいるのだろう?そう思う日々。彼は絶対にデート中だろうと電話をとる。
そして電話に出た瞬間から決まるのだ。
「悪い、今日は無理になった」
「そっか………」
仕方ないとばかりに無理だと言ってそれ以上理由を告げることもなく彼は帰る。そのドタキャン理由を周囲は知っているようだが教えてはもらえない。
よくあることだから、あいつ彼女に対してもほんとクズ!と私に気にするなとばかりに言ってくれるが、何かを隠しているのはバレバレだ。
仕方なく唯一の友人に話したら
「はぁ!?あのクズ男と付き合ってるの?やめときなって!絶対ろくでもないし、二股とかだって!」
そんなことを言われた。クズ男として有名な純くんは唯一の友人も当たり前のように知っていた。
結局悩んでた日々もある日を出来事に解決をする。
「デートすんぞ」
「え?」
珍しく彼からのデートの誘いに信じられない気持ちになる。だけど誘われたのは素直に嬉しいので承諾して連れてこられたのは学生だけでは行くことのないだろう高級なお店。
「私こんなの払えないよ?」
「今日は俺が払う」
「え?」
二度目の信じられない言葉に今日はどうしたのか逆に心配になった。普段払ってもらってばかりの純くんにお金があるのだろうか?と。
でも純くんに腕を引っ張られてそんな心配を言葉にすることもできず席に着いては出されるコース料理の数々。
「うまいか?」
「え、うん」
ふっと笑みを見せる純くんはいつもより余裕があるようだ。いつもと違う彼にどきどきとする自分がいる。
美味しいコース料理を味わってはらはらしていた料金は二人分言った通り純くんが払ってくれた。やっぱり払えと言われたらどうしようなんて思っていただけに本当に払ってくれたことに少し感動した。
そのあとは服屋さん。普段は行かない場所だ。服なんて純くんの分も払うデート代で買う余裕なんてなかったのだから。
「これ、可愛い……」
地味な私には似合わないだろうなぁと思いながらも服を見るだけでも楽しんでいる自分。それを何が面白いのか眺める純くん。
好きに見るよう言われたから見ているのだけど、じっと見られるのは気恥ずかしい。
「お前に似合うな、買うぞ」
「え?これ結構高いよ?」
「これも似合う」
「えぇー………?」
普段私を褒めない彼には熱があるかもしれないなんて本気で思い始めている間に増える服、服、服。本当にそんなに買うお金が?と思えば本当に払ってしまった純くん。
そして店に出て服の入った袋を渡される。
「誕生日おめでとう」
「え、あぁぁ!!」
「なんだ、忘れてたのか?」
純くんらしくない行動に気をとられすぎて忘れていた自分の誕生日。もしかしてドタキャンの理由って………?なんて思うけれど彼のことだ素直には言わないだろう。
彼の周囲が黙っていた理由をようやく理解した。
「ありがとう」
「………っ!わ、わ、笑ってんじゃねーよ!ばーか!」
「えー………?」
笑ってたのだろうか?この私が?純くんの何を刺激したのかわからないけど、ここでようやく余裕のなさが見える純くんに戻った。なんでだ?と思いながらもそんな純くんにどこか安心する私がいる。
この日からドタキャンされても私が悩むことはなくなった。特別な日は必ず彼からデートに誘われることを知って。
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