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本編(完結)
愛と腐と未来と3
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………結論から言おう謁見は30分ほどで反論なしに終わった。入ってすぐ兄は先手をうって父から話す許可をもらい、俺を王妃として選ぶことを言う。もちろん父は何か言いかけたが父の言葉を待たずして兄は臣下の紹介へ。そしてそのまま俺を王妃とすることのメリットの話をしつつ、来るだろう質問を先読みしてはどんどん説明していき、付け足しをルンルンが行うといった連携プレイ。
何より父が着目したのは男同士でも子ができる方法。俺を王妃とするならば一番に壁になるのはやはり子作り。それを兄は……いや、兄とルンルンと、ルンルン率いる宗教が作り上げてしまった。
しかも既に成功事例すらあるのだから説得力もあると言うもの。ちなみに成功事例はビィ・ガクが既に子を成していると言えばおわかりだろうか?相手は腐腐腐と笑う癖ある人物である。
そこまでするか?と思わなくもなかったが二人して……
『次の腐腐腐宗教のリーダーの誕生である!』
『子を作るのも一つの経験!神のために作られたこの子はまさに神です!』
なんだかんだ子を作って楽しそうだし大事にする気もあるようなのでもういいかとすぐ考え直した。実際子供は異常な部分があるわけでもなく、ただでさえまだ成人してない二人の子なのに問題なく成長している。
心配なのはこの二人の子供であるという点だけだ。
ついでに子供の作り方としては互いの精子を混ぜ受精に足りない成分を人工的に混ぜ込むことでできるというもの。これに関しては特殊な研究所たる場所が必要になるも、ルンルンの家にあるようなので問題はない。
元々大抵機械や薬品などの発明はネクスター家の秘術から生まれることが多いだけに未来の発展にそういう研究所が密かに設立されていた。そりゃカメラやビデオカメラもできてしまうわけである。
そういうわけで特に危険もなく子はできるし、できた事例もあるので本来問題になる部分はなくなったわけで、一応とばかりにルンルンが父相手に脅すようなことを言うから決定的であった。まさに悪役顔で。
「ここまで言って二人の願いを認めないなら戦争であります。秘術は時に破壊的なものもあります故……腐腐腐」
何があるかわからないが、国からすれば人すら作れてしまうほどの秘術を使われたらひとたまりもない。なんなら、今勢力をあげつつあると噂される宗教に戦だなんだとこられては父と言えども認めない方が問題になるわけで………
「はぁ……許可する。だが、国のために動くことは忘れるな」
父は反論なしではなく、反論など言えるはずもなく兄の言ったすべてを認めざる終えなかった。斯くして俺は兄が王になる時、王妃になることがこの瞬間に決まったわけである。
全ては兄の思い通りなのか、はたまた拡大しつつある宗教の陰謀通りと言うべきか。なんともわからない結果だが、兄と生涯誰にも邪魔されず一緒にいられる未来に今はただただ素直に喜んだ。
ー作者よりコメントー
次回、11月30日12時更新より最終回です。えっちな展開もあり!?
何より父が着目したのは男同士でも子ができる方法。俺を王妃とするならば一番に壁になるのはやはり子作り。それを兄は……いや、兄とルンルンと、ルンルン率いる宗教が作り上げてしまった。
しかも既に成功事例すらあるのだから説得力もあると言うもの。ちなみに成功事例はビィ・ガクが既に子を成していると言えばおわかりだろうか?相手は腐腐腐と笑う癖ある人物である。
そこまでするか?と思わなくもなかったが二人して……
『次の腐腐腐宗教のリーダーの誕生である!』
『子を作るのも一つの経験!神のために作られたこの子はまさに神です!』
なんだかんだ子を作って楽しそうだし大事にする気もあるようなのでもういいかとすぐ考え直した。実際子供は異常な部分があるわけでもなく、ただでさえまだ成人してない二人の子なのに問題なく成長している。
心配なのはこの二人の子供であるという点だけだ。
ついでに子供の作り方としては互いの精子を混ぜ受精に足りない成分を人工的に混ぜ込むことでできるというもの。これに関しては特殊な研究所たる場所が必要になるも、ルンルンの家にあるようなので問題はない。
元々大抵機械や薬品などの発明はネクスター家の秘術から生まれることが多いだけに未来の発展にそういう研究所が密かに設立されていた。そりゃカメラやビデオカメラもできてしまうわけである。
そういうわけで特に危険もなく子はできるし、できた事例もあるので本来問題になる部分はなくなったわけで、一応とばかりにルンルンが父相手に脅すようなことを言うから決定的であった。まさに悪役顔で。
「ここまで言って二人の願いを認めないなら戦争であります。秘術は時に破壊的なものもあります故……腐腐腐」
何があるかわからないが、国からすれば人すら作れてしまうほどの秘術を使われたらひとたまりもない。なんなら、今勢力をあげつつあると噂される宗教に戦だなんだとこられては父と言えども認めない方が問題になるわけで………
「はぁ……許可する。だが、国のために動くことは忘れるな」
父は反論なしではなく、反論など言えるはずもなく兄の言ったすべてを認めざる終えなかった。斯くして俺は兄が王になる時、王妃になることがこの瞬間に決まったわけである。
全ては兄の思い通りなのか、はたまた拡大しつつある宗教の陰謀通りと言うべきか。なんともわからない結果だが、兄と生涯誰にも邪魔されず一緒にいられる未来に今はただただ素直に喜んだ。
ー作者よりコメントー
次回、11月30日12時更新より最終回です。えっちな展開もあり!?
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