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本編(完結)
布教犯人は腐腐腐
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兄と二人で昼休憩時、食後の軽い運動に学園の中庭を散歩しようと手を繋いで歩いている時に俺たちは見てしまった。
「レウクウを崇める腐仲間たちよ!レウクウを引き裂かんとするピンクを腐の世界へ導き、レウクウ信者とするのです!すべてはレウル様、クウリ様のお二人の愛のために!」
「「「「「愛のために!」」」」」
普段影が薄く気がつけばいるルンルンがまるでリーダー格のように輝いてピンクや一般生徒に演説らしきことをしている。最後の言葉に関しては慣れたことだとばかりのタイミングのあった息ぴったりの言葉を叫ぶ生徒たち。中庭で何をしているんだと言いたい。
しかし、そこには何故か入りづらい空気が………。
「クウリ、私たちを祈る原因って……」
「明らかに……な」
名前こそ出さずとも最近ピンクに負けず劣らず増加傾向にある俺たちの信者のごとく拝む人物たちはどう見てもルンルンが原因である気がしてならない。どうしたのかは全くわからないが。
「ネクスター大司教!あちらに尊き神様が!」
誰が言ったのか。その言葉に一斉にルンルンに向いていた顔がこちらを向く。ついでにルンルンも。これは……恐怖心とは違うが何か怖い。一斉にばっと息の合った首回しだっただけに。
とりあえずルンルンはいつ大司教に?その宗教に俺たちは関係ないよな?とか尊き神で何故こちらを見た?と、色々言いたいことはある。が、まずは俺たちを認識したとたんすぐ拝む姿勢やめろ。
「これはどういうことかな?」
拝み出した人物たちに対し、最初に声を発したのは兄。兄を無視するわけにはいかないと前に出たのはどう見てもあれらのリーダーなのだろうルンルンだ。
「レウル様とクウリ様にとって煩わしい存在を減らすために我は宗教を立ち上げまして。あの神聖なる口づけをお二人がされたあの日に新しい世界を見出だしたものたちがいましたので誘ったのが最初です」
「感動いたしました!お二人だけがまるで世界から切り取られたかのように神々しくあれを見た時は胸の高鳴りがしばらく止みませんでした」
「毎日毎日夢に見るんです。お二人のあの輝かしい光景を!まるで神に近づいたような誇らしい気分にさえなって!」
ルンルンの言葉に、聞いてもいない一般生徒から何故か俺と兄のキスについて語られる。誤解ないように言っておくが、見せつけたのは確かだ。しかし、感想に関しては全く求めてない。
「というわけでして、次に考えたのはレウル様とクウリ様の邪魔立てする人物をどうするかというものでした。貴族が多いため下手な手出しはできませんし、まだ人数も少なかったため祈ることしかできない状態、増えるばかりの敵に考え付いたのが敵から仲間を増やせばいいというものだったんです」
うーん……言いたいことは現状を見ればわかる。だが、途中にあった祈るしかできない状態ってそもそも祈る必要ないと言うのは無粋か?話してない間はすっかり俺たちに祈る姿勢の生徒たちを見てそう思う。やっぱりその宗教信じたくはないが、俺らが主体なんだよな……?さすがの俺も神様に申し訳ない気がする。だって始まりがキスなんだぞ?
あ、でも結婚に誓いのキスは神聖さがあるか?いや、でもあれは結婚式ではないし……。
そもそもルンルンの作ったのを宗教とするには他の宗教に失礼だよなと思うのは俺だけだろうか。他の宗教はちゃんとした神を祭っているだろうし……。そんな思考に囚われてどうにもルンルンの話に集中できないものの、兄が少し考え込んだ様子を見せているので兄が聞いている限りは大丈夫だろうと判断する俺だった。ようは考えるのに疲れたんだ、俺は。
「レウクウを崇める腐仲間たちよ!レウクウを引き裂かんとするピンクを腐の世界へ導き、レウクウ信者とするのです!すべてはレウル様、クウリ様のお二人の愛のために!」
「「「「「愛のために!」」」」」
普段影が薄く気がつけばいるルンルンがまるでリーダー格のように輝いてピンクや一般生徒に演説らしきことをしている。最後の言葉に関しては慣れたことだとばかりのタイミングのあった息ぴったりの言葉を叫ぶ生徒たち。中庭で何をしているんだと言いたい。
しかし、そこには何故か入りづらい空気が………。
「クウリ、私たちを祈る原因って……」
「明らかに……な」
名前こそ出さずとも最近ピンクに負けず劣らず増加傾向にある俺たちの信者のごとく拝む人物たちはどう見てもルンルンが原因である気がしてならない。どうしたのかは全くわからないが。
「ネクスター大司教!あちらに尊き神様が!」
誰が言ったのか。その言葉に一斉にルンルンに向いていた顔がこちらを向く。ついでにルンルンも。これは……恐怖心とは違うが何か怖い。一斉にばっと息の合った首回しだっただけに。
とりあえずルンルンはいつ大司教に?その宗教に俺たちは関係ないよな?とか尊き神で何故こちらを見た?と、色々言いたいことはある。が、まずは俺たちを認識したとたんすぐ拝む姿勢やめろ。
「これはどういうことかな?」
拝み出した人物たちに対し、最初に声を発したのは兄。兄を無視するわけにはいかないと前に出たのはどう見てもあれらのリーダーなのだろうルンルンだ。
「レウル様とクウリ様にとって煩わしい存在を減らすために我は宗教を立ち上げまして。あの神聖なる口づけをお二人がされたあの日に新しい世界を見出だしたものたちがいましたので誘ったのが最初です」
「感動いたしました!お二人だけがまるで世界から切り取られたかのように神々しくあれを見た時は胸の高鳴りがしばらく止みませんでした」
「毎日毎日夢に見るんです。お二人のあの輝かしい光景を!まるで神に近づいたような誇らしい気分にさえなって!」
ルンルンの言葉に、聞いてもいない一般生徒から何故か俺と兄のキスについて語られる。誤解ないように言っておくが、見せつけたのは確かだ。しかし、感想に関しては全く求めてない。
「というわけでして、次に考えたのはレウル様とクウリ様の邪魔立てする人物をどうするかというものでした。貴族が多いため下手な手出しはできませんし、まだ人数も少なかったため祈ることしかできない状態、増えるばかりの敵に考え付いたのが敵から仲間を増やせばいいというものだったんです」
うーん……言いたいことは現状を見ればわかる。だが、途中にあった祈るしかできない状態ってそもそも祈る必要ないと言うのは無粋か?話してない間はすっかり俺たちに祈る姿勢の生徒たちを見てそう思う。やっぱりその宗教信じたくはないが、俺らが主体なんだよな……?さすがの俺も神様に申し訳ない気がする。だって始まりがキスなんだぞ?
あ、でも結婚に誓いのキスは神聖さがあるか?いや、でもあれは結婚式ではないし……。
そもそもルンルンの作ったのを宗教とするには他の宗教に失礼だよなと思うのは俺だけだろうか。他の宗教はちゃんとした神を祭っているだろうし……。そんな思考に囚われてどうにもルンルンの話に集中できないものの、兄が少し考え込んだ様子を見せているので兄が聞いている限りは大丈夫だろうと判断する俺だった。ようは考えるのに疲れたんだ、俺は。
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