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本編(完結)
密着24時間宣言?
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心の中で問いかけようと兄の変化の謎が解けることはあるはずもなく、考えているところを侍女が呼んだだろう医師が来て診察を受ける。これは当然のことだ。前のときだって同じように診察を受けたのだから。
なのに兄はあの時のように無言で何故かだんだんとより不機嫌になりつつあるが去ることもなく、診察を見ている。正しくは医師を睨みつけていた。前世なら中年辺りの医師はそれに気づいているのだろう。顔が真っ青だ。
それでも医師として診察を続ける姿は医師の鏡と言ってもいい。本当兄は何が気に入らないのか全くもってわからない。
なんだかんだと診察は終わり、中年医師はそそくさと逃げるように部屋を去った。本当に兄が申し訳ないと心の中で謝って、診察結果は体力低下と喉に炎症がある以外特に問題はないことがわかりほっとする。
「やっぱり早く医師の免許をとらないとね。私以外にクウリがベタベタと触られるのは必要なことだとわかっていても殺意が湧いたよ」
不機嫌に睨まれるどころか、まさかの殺意を向けられていたとは中年医師が不憫で仕方ない。しかも原因がこんな意味不明で何度謝っても謝り足りない。それと医師の免許?そんなの取得した日には俺もう兄に追い付ける自信ないんですけど!
「ああでも、体力つけ直すためのリハビリは任せてね。そこは習得済みだから……これ以上クウリを他に触らせないよ」
リハビリ関連は習得済み……。兄のことだから何かを疎かにすることなく習得したんだろう。俺を他に触らせないために?その執念は一体……。正直目が覚めたばかりの俺はもう兄の変化についていけていない。
これが未来にどう影響するのかも想像できないが、本当のクウリの願いのためにも悪役にさせないという気持ちはより強くなっている。しかしだ。既に兄が末期を迎えているような気がして、俺なんかでそんな兄の行く道を塞げるのかと自信を兄が言葉を口にする度に削られているんだが……大丈夫だろうか?
「勉強も心配しないでね?4年も気を失っていたとはいえ、中等部レベルには半年で余裕でついていけるよう私が教えるから」
この言葉でようやく俺は気を失って4年も経っていたことを知る。そりゃ体力も低下するし、声も枯れるわけだ。なんてこれからのことへの自信喪失をこれ以上しないために考えを別に移していれば、兄のまたもやとんでもない発言。
「だから中等部一緒に入学しようね」
「!?」
聞こえなかったフリをしたが、半年で中等部レベルというのは本気のようだ。リハビリをしながら、経った年月から考えて勉強1年遅れの俺に最低でも4年分の勉強を覚えさせる気なのかこの兄は。
しかもまだ中等部に入る年齢ではない俺を中等部に入れる意味もわからない。わからなかったが、その日兄が俺から離れることなく、寝る時には俺のベットへ平然と潜り込んできた兄に俺は思った。
あ、これ、俺と離れる気ないだけだと。益々何故中等部入学を一緒にしてまで離れたくないのか?と謎は深まるばかり。一日空いた時間に構うだけで満足していた兄はどこへ行ってしまったのか。
クウリ、記憶を引き継いで悪いんだけど俺は既にどうしていいかわかりません。
とりあえずその日は疲れたので兄が隣にいても気にせず寝たが。
なのに兄はあの時のように無言で何故かだんだんとより不機嫌になりつつあるが去ることもなく、診察を見ている。正しくは医師を睨みつけていた。前世なら中年辺りの医師はそれに気づいているのだろう。顔が真っ青だ。
それでも医師として診察を続ける姿は医師の鏡と言ってもいい。本当兄は何が気に入らないのか全くもってわからない。
なんだかんだと診察は終わり、中年医師はそそくさと逃げるように部屋を去った。本当に兄が申し訳ないと心の中で謝って、診察結果は体力低下と喉に炎症がある以外特に問題はないことがわかりほっとする。
「やっぱり早く医師の免許をとらないとね。私以外にクウリがベタベタと触られるのは必要なことだとわかっていても殺意が湧いたよ」
不機嫌に睨まれるどころか、まさかの殺意を向けられていたとは中年医師が不憫で仕方ない。しかも原因がこんな意味不明で何度謝っても謝り足りない。それと医師の免許?そんなの取得した日には俺もう兄に追い付ける自信ないんですけど!
「ああでも、体力つけ直すためのリハビリは任せてね。そこは習得済みだから……これ以上クウリを他に触らせないよ」
リハビリ関連は習得済み……。兄のことだから何かを疎かにすることなく習得したんだろう。俺を他に触らせないために?その執念は一体……。正直目が覚めたばかりの俺はもう兄の変化についていけていない。
これが未来にどう影響するのかも想像できないが、本当のクウリの願いのためにも悪役にさせないという気持ちはより強くなっている。しかしだ。既に兄が末期を迎えているような気がして、俺なんかでそんな兄の行く道を塞げるのかと自信を兄が言葉を口にする度に削られているんだが……大丈夫だろうか?
「勉強も心配しないでね?4年も気を失っていたとはいえ、中等部レベルには半年で余裕でついていけるよう私が教えるから」
この言葉でようやく俺は気を失って4年も経っていたことを知る。そりゃ体力も低下するし、声も枯れるわけだ。なんてこれからのことへの自信喪失をこれ以上しないために考えを別に移していれば、兄のまたもやとんでもない発言。
「だから中等部一緒に入学しようね」
「!?」
聞こえなかったフリをしたが、半年で中等部レベルというのは本気のようだ。リハビリをしながら、経った年月から考えて勉強1年遅れの俺に最低でも4年分の勉強を覚えさせる気なのかこの兄は。
しかもまだ中等部に入る年齢ではない俺を中等部に入れる意味もわからない。わからなかったが、その日兄が俺から離れることなく、寝る時には俺のベットへ平然と潜り込んできた兄に俺は思った。
あ、これ、俺と離れる気ないだけだと。益々何故中等部入学を一緒にしてまで離れたくないのか?と謎は深まるばかり。一日空いた時間に構うだけで満足していた兄はどこへ行ってしまったのか。
クウリ、記憶を引き継いで悪いんだけど俺は既にどうしていいかわかりません。
とりあえずその日は疲れたので兄が隣にいても気にせず寝たが。
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