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魔王編(連載中)
待てと言われたら一度はスルーが鉄則です!
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私とヒロイン様は悩みました。どうすれば素晴らしき世界を作れるか。以前魔王を利用して教育から始め直すことはBL美学に反すると私が説教した後、私たちは気づいてしまったのです。
男だけの世界にしてしまえば結局は美学に反した世界になってしまうのでは?と。ならばやはり女も必要で、同性愛を普通にしてはいけないのではと考えたわけです。
だからと言って結局今のままでは私たちの見たいものは見れません。そんな悩んでる私たちの前で魔王はげっそりとした姿。
そしてふと思ったのです。前回で魔王がポンコツなのがわかりましたが、魔王をやる気にさせればアイデアがもしかしたら沸くかもしれないと。今はミジンコ並み(つまり期待値低し)でもそこに可能性があるなら頼りたいのです。
何よりゲーム情報では魔王は封印される前大勢の人間たちを苦しめ世界征服一歩手前まではいったのだ。あくまで一歩手前……一歩手前で封印されたことを考えるとやはりポンコツでしょうか?
「物凄くバカにされたような気がするのだが」
こういう時は鋭い魔王……こういう時だけね。なんだか残念すぎる魔王です。
「ポンコツは黙ってなさい」
「ぽ……!?」
魔王に返事を返したのは私ではなくヒロイン様。ただ単純な方法で薔薇征服できないと考え始めてからイライラが募っているようです。腐の充電が足りてないのかもしれません。
あれから何度か王子様とクール様を魔王を使って絡めてみましたが、禁断の恋に発展することもなければ、いいところで魔王がやめてしまうという繰り返し。
「「本当に魔王は使えない(ですね)」」
「ぐぅ……っ」
さすがに失敗続きの魔王も言い返せない様子。それだからいつまで経っても力を取り戻せないどころか自由にならないのです。
……と話が違うところへいってしまいました。私はただ魔王を私たちのすることにやる気を出させようと思っただけなのに。
「ヒロイン様、魔王を教育しませんか?」
「教育?」
「魔王が失敗するのは男同士の絡み合いに耐性がない故です。ならば耐性をつければいいということ。でもただ耐性をつけるだけでなく私たちのようにやる気を出すことで自ら進んでやるようになれば……」
「なるほど、魔王の力で異性愛が普通という常識を持ちながらも同性愛に目覚めるきっかけ作りを作り出してくれるかもしれないということね?」
「待て待て待て待て待て」
「なんなら、この世界には腐男子というものがいないので魔王がそうなれば……」
「美味しいわね」
「待てと言っているだろう!」
全くうるさい魔王です。しかし、ヒロイン様にご納得していただいた今教育は既に始まりを告げています。
「魔王は世界征服したいんですよね?」
「え?は?まあ、そうだが……」
「それを確実にするにはまず人口だけは多い人を減らすことが確実です」
「ふん!そんなことをせずとも我が力を取り戻せば……」
「ヒロイン様の願いをひとつも叶えられていない魔王ができるわけないですよね」
「だから力を取り戻せば……」
「ヒロイン様が二人いたら?」
「は?」
「顔が似た人が世の中には何人かいると言われています。なら、性格が似た人がいてもおかしくないですよね?」
「あれが……二人」
「人口が増えるほどにヒロイン様は増えます」
「ふえ、る……む、無理だ。我には何故か、勝てる気がしない」
「失礼ね。普通のヒロインなのに」
「ヒロイン様は普通ではないですよ!」
「ねぇ、ちょっと待って」
「そういうわけで人口を減らすため悩める男達をくっつけてあげましょうね!」
「ま、まあ、世界征服がやりやすくなるならば仕方ない」
ポンコツどころかちょろい魔王です。これが魔王とか絶対嘘ですよね。
「クサーレ嬢、お待ちになって!」
「とまぁ、魔王も教育されたいようなのでがんばりましょうね!ヒロイン様!」
「……ねぇ、聞いてる?」
「ヒロインとやら、諦めろ。我はあれも怖く感じてきた」
「魔王あなた……世界征服無理じゃない?」
「ぐぅ……っち、力さえあれば……」
なんだかあちらからループ話のような予感が……どうやら仲良く話をされているようですし、しばらく見守ることにします。さてさて、ヒロイン様と二人でどう教育していくべきか……あらやだ、涎が。
男だけの世界にしてしまえば結局は美学に反した世界になってしまうのでは?と。ならばやはり女も必要で、同性愛を普通にしてはいけないのではと考えたわけです。
だからと言って結局今のままでは私たちの見たいものは見れません。そんな悩んでる私たちの前で魔王はげっそりとした姿。
そしてふと思ったのです。前回で魔王がポンコツなのがわかりましたが、魔王をやる気にさせればアイデアがもしかしたら沸くかもしれないと。今はミジンコ並み(つまり期待値低し)でもそこに可能性があるなら頼りたいのです。
何よりゲーム情報では魔王は封印される前大勢の人間たちを苦しめ世界征服一歩手前まではいったのだ。あくまで一歩手前……一歩手前で封印されたことを考えるとやはりポンコツでしょうか?
「物凄くバカにされたような気がするのだが」
こういう時は鋭い魔王……こういう時だけね。なんだか残念すぎる魔王です。
「ポンコツは黙ってなさい」
「ぽ……!?」
魔王に返事を返したのは私ではなくヒロイン様。ただ単純な方法で薔薇征服できないと考え始めてからイライラが募っているようです。腐の充電が足りてないのかもしれません。
あれから何度か王子様とクール様を魔王を使って絡めてみましたが、禁断の恋に発展することもなければ、いいところで魔王がやめてしまうという繰り返し。
「「本当に魔王は使えない(ですね)」」
「ぐぅ……っ」
さすがに失敗続きの魔王も言い返せない様子。それだからいつまで経っても力を取り戻せないどころか自由にならないのです。
……と話が違うところへいってしまいました。私はただ魔王を私たちのすることにやる気を出させようと思っただけなのに。
「ヒロイン様、魔王を教育しませんか?」
「教育?」
「魔王が失敗するのは男同士の絡み合いに耐性がない故です。ならば耐性をつければいいということ。でもただ耐性をつけるだけでなく私たちのようにやる気を出すことで自ら進んでやるようになれば……」
「なるほど、魔王の力で異性愛が普通という常識を持ちながらも同性愛に目覚めるきっかけ作りを作り出してくれるかもしれないということね?」
「待て待て待て待て待て」
「なんなら、この世界には腐男子というものがいないので魔王がそうなれば……」
「美味しいわね」
「待てと言っているだろう!」
全くうるさい魔王です。しかし、ヒロイン様にご納得していただいた今教育は既に始まりを告げています。
「魔王は世界征服したいんですよね?」
「え?は?まあ、そうだが……」
「それを確実にするにはまず人口だけは多い人を減らすことが確実です」
「ふん!そんなことをせずとも我が力を取り戻せば……」
「ヒロイン様の願いをひとつも叶えられていない魔王ができるわけないですよね」
「だから力を取り戻せば……」
「ヒロイン様が二人いたら?」
「は?」
「顔が似た人が世の中には何人かいると言われています。なら、性格が似た人がいてもおかしくないですよね?」
「あれが……二人」
「人口が増えるほどにヒロイン様は増えます」
「ふえ、る……む、無理だ。我には何故か、勝てる気がしない」
「失礼ね。普通のヒロインなのに」
「ヒロイン様は普通ではないですよ!」
「ねぇ、ちょっと待って」
「そういうわけで人口を減らすため悩める男達をくっつけてあげましょうね!」
「ま、まあ、世界征服がやりやすくなるならば仕方ない」
ポンコツどころかちょろい魔王です。これが魔王とか絶対嘘ですよね。
「クサーレ嬢、お待ちになって!」
「とまぁ、魔王も教育されたいようなのでがんばりましょうね!ヒロイン様!」
「……ねぇ、聞いてる?」
「ヒロインとやら、諦めろ。我はあれも怖く感じてきた」
「魔王あなた……世界征服無理じゃない?」
「ぐぅ……っち、力さえあれば……」
なんだかあちらからループ話のような予感が……どうやら仲良く話をされているようですし、しばらく見守ることにします。さてさて、ヒロイン様と二人でどう教育していくべきか……あらやだ、涎が。
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