上 下
8 / 15
クール・ガイ編(完結済み)

モブがいい仕事してくれてるぅうぅぅ!

しおりを挟む
「さあ、ヒロイン嬢とクール様!どちらがテマス嬢の心を奪うのか!後輩くんどう思う?」

「どうでもいいです。早く先輩を監禁したいのでさっさと終わりたいですね」

あ、後輩くん解説する気ないですね?というか、え?監禁?あ、相手は隣の………?いや、でも本人にああも直接言うことなんてないですよねー……。

「後輩くんは俺が大好きなんだなー!まあ、外の世界これが最後なんだし許してくれよ!」

おぉ!マジか!マジですか!ってかまさかの了承済み!こんな明るい監禁話見たことないですけど……モブといえど薔薇を垣間見れるのは素晴らしいです!

ちなみに周囲は何を聞かされてるんだとお二人に注目しております。もう私なんか取り合う話は終わりにしてあの二人の話を……。

「は?僕は1秒でも貴方へ視線を向ける人物にも殺意が湧くというのに我慢してるんですから十分許したでしょう?だから早く、さっさと終わらせてください。終わり次第帰ります」

よし、対決は長引かせるべきですね!はい!これ絶対連れてこられたんじゃなく自分で着いてきましたよね、後輩くん。

あ、睨まれてしまいました。嫉妬なんて可愛らしいものじゃないですね。私こんな殺意初めてです!ああっ先輩大好き過ぎか!後輩くん!

「しょうがねぇなぁ。ん……今はこれで我慢な?」

「頬ですか、口がいいです」

ぶはっ!声に出さなかった私を誰か褒めてほしい。だって目の前で先輩さんが後輩くんの頬にちゅって………ちゅってぇえぇぇっ!モブがいい仕事してるぅうぅぅ!後輩くんの不満そうな顔グッジョブ!

「殿下!これですよ、これ!」

「え?何が?」

思わず王子様に訴えてしまった。私が求めているものを。決して私は婚約したいわけじゃなく、薔薇の楽園を見たいだけ。

こんなモブたちみたいな関係を私は王子様とクール様に求めてるんです!

「口は人前じゃ恥ずかしいなぁ……ははっ」

あれだけ突き進みそうな人が照れて……なんか可愛いな!このモブ先輩!

「家帰ったら手錠はまだ許してあげますからしてくださいね?今は僕からしてあげます」

「んっ」

きぃいぃぃたぁあぁぁっ!

周囲がシーンとなる中、私は心の中で大興奮!もうあれですね、二人の世界ですね!ごちそうさまです!

ああ、今までうまくいかなかったストレスたちが浄化されていくのがわかります。年下攻めおいしいっ!ああ、監禁生活が覗きたいです!

「クサーレ嬢」

「ヒロイン嬢!もう、もうなんと言っていいか!」

「腐の勘が働いてちょっとお手伝いしたの」

「へ?」

まさかこれはヒロイン様による……?

「既に監禁場所も調べてカメラも設置済み」

「ん?カメラってこの世界には……」

「私、前世機械いじりを趣味にしていて部品さえ揃えばできるのよ。見たいでしょう?この勝負私の勝ちよね?」

「完全勝利ですぅうぅぅ!」

あの二人が来た時点で勝負は決まっていたのですね!ヒロイン様ハイスペックすぎて眩しいです!

「終わったみたいですね、よくわかりませんが。先輩帰りましょう」

「え、俺紹介以外何もしてないよね」

「あはは、僕なんて何を審査したらいいのかもわからなかったよ」

こうしてクール様は出番なく勝負が終わったと誰もが思うのだった。だが、当然一言も語らずして負けなど納得できるわけもなかった。

しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!

蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」 「「……は?」」 どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。 しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。 前世での最期の記憶から、男性が苦手。 初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。 リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。 当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。 おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……? 攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。 ファンタジー要素も多めです。 ※なろう様にも掲載中 ※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。

完 さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。

水鳥楓椛
恋愛
 わたくし、エリザベート・ラ・ツェリーナは今日愛しの婚約者である王太子レオンハルト・フォン・アイゼンハーツに婚約破棄をされる。  なんでそんなことが分かるかって?  それはわたくしに前世の記憶があるから。  婚約破棄されるって分かっているならば逃げればいいって思うでしょう?  でも、わたくしは愛しの婚約者さまの役に立ちたい。  だから、どんなに惨めなめに遭うとしても、わたくしは彼の前に立つ。  さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。

悪役令嬢はあらかじめ手を打つ

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしは公爵令嬢のアレクサンドラ。 どうやら悪役令嬢に転生したみたい。 でもゲーム開始したばかりなのに、ヒロインのアリスに対する攻略対象たちの好感度はMAX。 それっておかしすぎない? アルファポリス(以後敬称略)、小説家になろうにも掲載。 筆者は体調不良なことが多いので、コメントなどの受け取らない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。

平和的に婚約破棄したい悪役令嬢 vs 絶対に婚約破棄したくない攻略対象王子

深見アキ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・シェリルに転生した主人公は平和的に婚約破棄しようと目論むものの、何故かお相手の王子はすんなり婚約破棄してくれそうになくて……? タイトルそのままのお話。 (4/1おまけSS追加しました) ※小説家になろうにも掲載してます。 ※表紙素材お借りしてます。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました! でもそこはすでに断罪後の世界でした

ひなクラゲ
恋愛
 突然ですが私は転生者…  ここは乙女ゲームの世界  そして私は悪役令嬢でした…  出来ればこんな時に思い出したくなかった  だってここは全てが終わった世界…  悪役令嬢が断罪された後の世界なんですもの……

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

その国外追放、謹んでお受けします。悪役令嬢らしく退場して見せましょう。

ユズ
恋愛
乙女ゲームの世界に転生し、悪役令嬢になってしまったメリンダ。しかもその乙女ゲーム、少し変わっていて?断罪される運命を変えようとするも失敗。卒業パーティーで冤罪を着せられ国外追放を言い渡される。それでも、やっぱり想い人の前では美しくありたい! …確かにそうは思ったけど、こんな展開は知らないのですが!? *小説家になろう様でも投稿しています

処理中です...