不眠症公爵様を気絶(寝か)させたら婚約者に選ばれました

若くして優秀、若くして公爵家当主、王家にも信頼され、何をしても完璧な男ルーベルト・ラヴィン公爵。

難点は不眠症故に消えぬクマで眠いのに寝付けないと普段から目付きが悪いこと。顔が整っているからこそ迫力は半端なく、眠れないせいか頭痛のために口数が少ないのも災いし、女の影がない。

心配した彼の友人にして国の第一王子を筆頭に、王家は優秀な遺伝子をなくさないため、彼の婚約者探しを目的とした婚活パーティーを開いた。

「うたた寝でもいい!どんな手を使っても彼を眠りにつかせられた者に我が友人にして公爵家ルーベルト・ラヴィンの婚約者とする!」

不眠症と婚約者、両方が得られれば彼にとっても王家にとっても、よい成果となる。しかし、彼を寝かせた令嬢は現れたものの寝かせたそれは予想外の寝かせ方だった。

とはいえ、長く悩んだ不眠症故に、長時間眠る術をくれた別の悩みを持ったネムリン・トワーニ伯爵令嬢を、ただひとりの眠りをもたらしてくれる女神として、過保護に溺愛するようになるルーベルト。

「頭痛がない、眠くない、頭がスッキリとしている。今の俺は女神ネムリン嬢のためならなんでもできる」

「君がそこまで明るく義務報告以外で二言以上喋るところを初めて見たよ。幸せそうで何よりだ。ネムリン嬢に会いたいならとりあえず仕事を進めてほしいんだが」

「終わった」

「は?」

「ネムリン嬢を愛でてくる」

「いや、ちょ………」

不眠症から解き放たれたルーベルトの変わりようは周囲を驚かせる。互いを知るための王家に指示された婚約期間さえ押し退けて早くネムリンを妻にしたい願望が宿るルーベルトだが、ネムリンはそうではないようで………。

出会う前からの個人の悩み、互いに惹かれ合えば合うほどにすれ違う悩み、そしてその悩みに対する想いの先は?

「君が他に想う人がいても、もう離してやれそうにない。君の本当の幸せを願えない俺は最低だな」

「こんな私があの優しく完璧なお方の妻に相応しいはずがない。せめて婚約の期間だけでも貴方の傍にいたい」

基本コメディになってしまったラブコメによる二人が結婚するまでの話。3章でようやくラブ突入………?

貴族知識に疎いながらに書いている作品なため、是非おかしい部分あれば申していただけるとありがたいです。。

指摘に感謝感謝!公開したまま修正して申し訳ないですがご勘弁を。

恋愛大賞51位でした。更新滞ってしまったのがよくなかったですね。ですが、皆様ありがとうございました。
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