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38.5未来軸の番外編〜モブ女視点〜
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番外編について
こちらはシャロンと公爵による数年後の未来軸です。あまりに進展が亀速度な二人のためお気に入り突破2000を記念したついでに思いついたため書かせていただきました。
皆様長いこと書いていなかったのに本当にありがとうございます!よくわかってないのですが応援?マークの応援してくれる方々しおり挟んでくれる方々、感想くれる方々、読者の皆様に感謝いたします。
では番外編に入るのですが、今回はモブ女視点でモブ女が出くわすのがお忍びのシャロンと公爵ですのでシャロンと公爵の名前がお忍び用になっています。
お忍び用名前
シャロン→シャン
公爵→ジーク
大した変わりはないですがそちらを理解した上でモブ女の視点でお楽しみください。
---------------------------------------------
これは私の運命を変えた二人の男性との出会いの話。
その日、久々の仕事休みの私は、独身のため気ままに家で多少だらつくつもりだったものの、普段何かしらしているせいでじっとしていられず外に出ていた時のこと。
何の予定もなく外に出ているため、せっかくならどこかで仕事場から離れてるせいで中々行けなかった食事処で昼食でもと入った先で、私はその人物たちを見つけた。それは自然と目に行くイケメンとイケメンに隠れてしまいつつあるどこにでもいそうな平凡な男性の二人。
それだけならその周りと同じくイケメンに目が引かれて終わりだっただろう。しかし、イケメンに釣られて視線がいった次に目が行くのは同性では珍しいその雰囲気。
「シャンは食べる姿も可愛いな」
「じ……ジークも僕を見てないで食べてください」
「可愛くて目が離せないんだ」
余裕そうな表情で可愛いを連呼するイケメンくんと恥ずかしがる凡人くん。私は思った。これはイケメンくんに凡人くんがカモられているのではと。
最近同性婚が広まり始めてから、タチの悪い顔だけ男が女性以外にも気弱で男もいけそうなのを見分けてターゲットにしている人たちがいると仕事中噂で聞いた。
もちろん同性婚を歓迎する人もいてそれで幸せになった友人もいるし、私自身同性婚の決定に否定的な意見はない。でも!真剣に恋愛する人に騙すような色仕掛けはどうかと思う。それに引っかかる危機感のない人も危機管理を!と言いたくなるけど、騙す側はやり方がうまいのと人の見分け方がうまいのがほとんどだから躱すのは難しいらしい。
まあ簡単に躱せたら詐欺なんて言葉生まれてないもんね。とはいえ、あの余裕顔で口説く口調のイケメンくんと恋愛事に慣れてませんって感じの凡人くんはあまりに不自然。
これに関しては訴えようが難しいから女の私があの間に入るわけには行かないし、入る勇気もない。
「あれだけイケメンでお金払って付き合ってくれるなら騙されてもありよね」
「確かに~」
私以外にもそう感じている人がいるようだ。隣に座っていた女性たちがこそこそと楽しそうに、しかし小声で騒いでいる。
私はそのイケメンくんと凡人くんを気にしつつメニューを頼み、気にしないようにしながらも何度も盗み見ること数分……。せっかくの食事はメニューをしっかり見なかったせいで嫌いなピーマン入りの食事となった。生ではないから残さず食べたけどね!……お金払ってまで私は何をしてるんだろうか。
泣く泣く払って外に出ればあらびっくり、ピーマンに食べるのに必死な間にいなくなっていたイケメンくんが扉を開けた先にいて、私を見るなり私を睨んでこう言った。
「誰か知らないがシャンを何度も見ていたな?」
「え」
なぜ今日初めて見たイケメンくんに私は恨まれているとばかりの目つきで睨まれているのか。しかもその質問の意図がわかりかねる。シャンってさっきの凡人くんのことだろうか?それならある意味心配でイケメンくんより若干見る回数は多かったかもしれない……が、あんなに周りに人がいてまさか気づかれるなんて……。
「シャンは確かに目を見張るほど可愛いが、ぽっとでの貴様に奪えると思わない方がいい」
「あ、はい。そんなこと全然思っちゃいません。お似合いだなあとつい」
この時私は最初の考えが違ったことに気づいた。凡人くんを可愛い可愛いと連呼していたこのイケメンの言葉は本気だったということを。見知らぬ見ていただけの私に嫉妬を醸し出すくらい好きならそりゃ私から見てどこにでもいそうな凡人でもイケメンくんからすれば可愛くて仕方ないことだろう。
どんな姿でも好きな人が一番可愛いというのは最近結婚した友人の言葉だ。幸せなら何よりである。
「お似合い、か……よくわかっているな」
一瞬で機嫌が直った。見た目に反して好きな人にはチョロそうであるこのイケメンくん。
「お待たせしました!ジーク!」
「シャン!」
そう二人で話していると後ろから聞こえる男性の声。振り向けばあの凡人くん。凡人くんが現れたとたん声の高さが上がったと思われるイケメンくんはまるで飼い主を見つけた犬である。
「トイレが混んでいて……それでそちらの方は……?」
「シャンを何度も見ていて狙っているのかと思い声をかけたんだが、どうやら私たちがお似合いで見ていたようだ」
すぐ私に気づいた凡人くんがイケメンくんに尋ねるとドヤ顔で答えるイケメンくん。ドヤ顔すらイケメンなのは割とずるい。
「こ……ジーク、失礼なことを言ってないですか?」
「い、いや……ただちょっと牽制を……」
「もう!ジークが僕を好いてくれるのは嬉しいけど、他の人に喧嘩しようとするのだめって僕言ったでしょ!」
「あ、ああ、すまない君」
「本当すみません!」
店の中で可愛いと連呼されてたじたじな様子しか見せなかった凡人くんだが、しっかり怒る時は怒れる子みたいだ。しかし、凡人くんよく見てほしい、怒られるのすら愛しいとばかりに口角がにやつきかけているイケメンくんを。
「いえ、実際私も不躾でしたので」
「謝罪と共に世界一お似合い夫婦という褒め言葉、胸に刻むとする」
「あ、はい」
言ってない言葉が捏造されたが、本人たちが幸せならまあいいかととりあえず返事。それからは特に話すこともないので分かれたわけだが、あの二人との対面は私に新たな趣味を与えてくれた。
「……執着犬系イケメンと飼い主凡人……ありだわ」
私は独身だが、友人の幅は広い。今度同性婚ができる前から同性の物語を語るのが好きな友人に、今度は私から語ることになりそうだと私は家に帰るのだった。
後日凡人を溺愛するイケメンの恋物語を題材にした同人作家として仕事を転職したのは別のお話。
こちらはシャロンと公爵による数年後の未来軸です。あまりに進展が亀速度な二人のためお気に入り突破2000を記念したついでに思いついたため書かせていただきました。
皆様長いこと書いていなかったのに本当にありがとうございます!よくわかってないのですが応援?マークの応援してくれる方々しおり挟んでくれる方々、感想くれる方々、読者の皆様に感謝いたします。
では番外編に入るのですが、今回はモブ女視点でモブ女が出くわすのがお忍びのシャロンと公爵ですのでシャロンと公爵の名前がお忍び用になっています。
お忍び用名前
シャロン→シャン
公爵→ジーク
大した変わりはないですがそちらを理解した上でモブ女の視点でお楽しみください。
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これは私の運命を変えた二人の男性との出会いの話。
その日、久々の仕事休みの私は、独身のため気ままに家で多少だらつくつもりだったものの、普段何かしらしているせいでじっとしていられず外に出ていた時のこと。
何の予定もなく外に出ているため、せっかくならどこかで仕事場から離れてるせいで中々行けなかった食事処で昼食でもと入った先で、私はその人物たちを見つけた。それは自然と目に行くイケメンとイケメンに隠れてしまいつつあるどこにでもいそうな平凡な男性の二人。
それだけならその周りと同じくイケメンに目が引かれて終わりだっただろう。しかし、イケメンに釣られて視線がいった次に目が行くのは同性では珍しいその雰囲気。
「シャンは食べる姿も可愛いな」
「じ……ジークも僕を見てないで食べてください」
「可愛くて目が離せないんだ」
余裕そうな表情で可愛いを連呼するイケメンくんと恥ずかしがる凡人くん。私は思った。これはイケメンくんに凡人くんがカモられているのではと。
最近同性婚が広まり始めてから、タチの悪い顔だけ男が女性以外にも気弱で男もいけそうなのを見分けてターゲットにしている人たちがいると仕事中噂で聞いた。
もちろん同性婚を歓迎する人もいてそれで幸せになった友人もいるし、私自身同性婚の決定に否定的な意見はない。でも!真剣に恋愛する人に騙すような色仕掛けはどうかと思う。それに引っかかる危機感のない人も危機管理を!と言いたくなるけど、騙す側はやり方がうまいのと人の見分け方がうまいのがほとんどだから躱すのは難しいらしい。
まあ簡単に躱せたら詐欺なんて言葉生まれてないもんね。とはいえ、あの余裕顔で口説く口調のイケメンくんと恋愛事に慣れてませんって感じの凡人くんはあまりに不自然。
これに関しては訴えようが難しいから女の私があの間に入るわけには行かないし、入る勇気もない。
「あれだけイケメンでお金払って付き合ってくれるなら騙されてもありよね」
「確かに~」
私以外にもそう感じている人がいるようだ。隣に座っていた女性たちがこそこそと楽しそうに、しかし小声で騒いでいる。
私はそのイケメンくんと凡人くんを気にしつつメニューを頼み、気にしないようにしながらも何度も盗み見ること数分……。せっかくの食事はメニューをしっかり見なかったせいで嫌いなピーマン入りの食事となった。生ではないから残さず食べたけどね!……お金払ってまで私は何をしてるんだろうか。
泣く泣く払って外に出ればあらびっくり、ピーマンに食べるのに必死な間にいなくなっていたイケメンくんが扉を開けた先にいて、私を見るなり私を睨んでこう言った。
「誰か知らないがシャンを何度も見ていたな?」
「え」
なぜ今日初めて見たイケメンくんに私は恨まれているとばかりの目つきで睨まれているのか。しかもその質問の意図がわかりかねる。シャンってさっきの凡人くんのことだろうか?それならある意味心配でイケメンくんより若干見る回数は多かったかもしれない……が、あんなに周りに人がいてまさか気づかれるなんて……。
「シャンは確かに目を見張るほど可愛いが、ぽっとでの貴様に奪えると思わない方がいい」
「あ、はい。そんなこと全然思っちゃいません。お似合いだなあとつい」
この時私は最初の考えが違ったことに気づいた。凡人くんを可愛い可愛いと連呼していたこのイケメンの言葉は本気だったということを。見知らぬ見ていただけの私に嫉妬を醸し出すくらい好きならそりゃ私から見てどこにでもいそうな凡人でもイケメンくんからすれば可愛くて仕方ないことだろう。
どんな姿でも好きな人が一番可愛いというのは最近結婚した友人の言葉だ。幸せなら何よりである。
「お似合い、か……よくわかっているな」
一瞬で機嫌が直った。見た目に反して好きな人にはチョロそうであるこのイケメンくん。
「お待たせしました!ジーク!」
「シャン!」
そう二人で話していると後ろから聞こえる男性の声。振り向けばあの凡人くん。凡人くんが現れたとたん声の高さが上がったと思われるイケメンくんはまるで飼い主を見つけた犬である。
「トイレが混んでいて……それでそちらの方は……?」
「シャンを何度も見ていて狙っているのかと思い声をかけたんだが、どうやら私たちがお似合いで見ていたようだ」
すぐ私に気づいた凡人くんがイケメンくんに尋ねるとドヤ顔で答えるイケメンくん。ドヤ顔すらイケメンなのは割とずるい。
「こ……ジーク、失礼なことを言ってないですか?」
「い、いや……ただちょっと牽制を……」
「もう!ジークが僕を好いてくれるのは嬉しいけど、他の人に喧嘩しようとするのだめって僕言ったでしょ!」
「あ、ああ、すまない君」
「本当すみません!」
店の中で可愛いと連呼されてたじたじな様子しか見せなかった凡人くんだが、しっかり怒る時は怒れる子みたいだ。しかし、凡人くんよく見てほしい、怒られるのすら愛しいとばかりに口角がにやつきかけているイケメンくんを。
「いえ、実際私も不躾でしたので」
「謝罪と共に世界一お似合い夫婦という褒め言葉、胸に刻むとする」
「あ、はい」
言ってない言葉が捏造されたが、本人たちが幸せならまあいいかととりあえず返事。それからは特に話すこともないので分かれたわけだが、あの二人との対面は私に新たな趣味を与えてくれた。
「……執着犬系イケメンと飼い主凡人……ありだわ」
私は独身だが、友人の幅は広い。今度同性婚ができる前から同性の物語を語るのが好きな友人に、今度は私から語ることになりそうだと私は家に帰るのだった。
後日凡人を溺愛するイケメンの恋物語を題材にした同人作家として仕事を転職したのは別のお話。
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