人間嫌いの公爵様との契約期間が終了したので離婚手続きをしたら夫の執着と溺愛がとんでもないことになりました

荷居人(にいと)

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そう公爵様とデートの約束をして集まりが解散。その後も仕事が忙しいはずなのに毎日必ず顔を見せる公爵様のせいで、中々心の準備どころではない毎日を過ごしていたある日、事件が起こった。

「公爵様が倒れた!?」

「う、うん……正直これはぼくが悪いんだけどねえ」

今日は公爵様も流石に忙しくなって来れないのかと思っていた午後、同じく忙しいはずのリードが急に訪ねてきて一言。公爵様が倒れたとい情報を伝えてきた。

流石のことに僕も驚きと心配で事情を知るだろうリードを見つめれば何故かぎこちなさそうにリードが僕から目を背ける。こんなリードは初めて見たけど……リードが何かしたんだろうか?リードに公爵様が倒れるようなことをするとしたら仕事で無理させたとか……?

でも仕事ってなるとリードだけのせいとは思えないし……。

「何があったの?」

「公爵って仕事では有能すぎてさ」

「うん?」

急に何を言い出すかと思えば公爵様を褒めるような言葉に首を傾げる。それが何か関係するということだろうか?とは思うものの、リードが素直に公爵様を褒めるとは今までを見るとありえないことのように思うんだよね。

「実は遅れた分の仕事どころか、ぼくが少し遅れてた分まで手伝って終わらせてくれたから、三日間の休暇を今日ちょうどもぎとったんだよねえ」

「え、もう!?」

それはつまり公爵様が倒れてなかったら僕とのデートはもうすぐだったということになるわけで……って仕事量はわからないけど、リードの様子からしてもとんでもない速さで終わらせたのは確実だろう。僕の心の準備どころではなかった。

「本当早すぎて人間張り切るとすごいなと実感したよ……」

張り切るって……もしかして僕とそんなにデートがしたかったってこと……?うう、公爵様が倒れたっていうのに何喜んでるんだ!僕ってば!

「無理しちゃったんだね……でもそれがなんでリードのせいに……」

「あー違う違う。倒れたのはこの後ぼくが手伝ってくれたお礼にって試しついでにふざけた褒美が原因というか」

「ふざけた褒美?」

試しついでって言葉もよくわからないのにふざけた褒美ってふざけてるのに褒美になるの?って色々気になる点はあるけど、一体公爵様を倒れさせたものってリードは何を……。

「ぼく公爵って人嫌いって知ってはいたけど純粋に性欲あるのかなってふと思った日から、タイミングを見てするつもりではあったんだけど、パンツを用意してたんだよねえ」

「え、パンツ?」

「そうそう!使用済みパンツっぽく偽装した女性用と男性用」

「リード……何してるの……」

時折突拍子もないことをするリードだけど、流石に呆れた。誰かに見つかりでもしたら王族の威厳どころか変態扱い確定なくらい割とやばめのことをしているのだから。

「ちょっと仕事疲れでおかしくなってたというか……まあそれで褒美にメイドの使用済みパンツいる?って聞いたまではよかったんだ」

「公爵様に本気で聞いたの!?全然良くないけど!」

「本当すっごい汚いものを見る目で見られたよ。見たくもないって顔で褒美じゃなく罰ですか?って聞かれたしね」

うーん想像できる。元々人嫌いな公爵様は令嬢に触れることすら嫌がるという噂は有名だったし、僕もその時の表情を見た記憶あるし……それが使用済みのパンツってなると……見知らぬ人ってだけでも気味悪いだろうに。

「で、ならシャロンの使用済みパンツいる?って聞いた時事件は起こっ」

「いや!何言ってるの!?」

僕の知らないところでとんでもないことをしていた親友に思わず大声を上げた。何がどうなったらそうなる!?

「いやー、シャロンに性欲とか実際あるのかなって結構同性恋愛ってなると重要なことだし、公爵のシャロンへの想いは本当な感じはあるけど、最後に辿り着くのはそこに性欲があるかないかだから確かめたかったんだよねえ」

「だからって使用済みパンツはないよおおおおお!」

正直次公爵様に会う時どんな顔をするべきかとデートどころじゃない!

「結果論として心配はいらないよ!シャロンの使用済みパンツと言った瞬間、しばらく固まった後に鼻血吹き出して倒れるくらいには興奮したみたいだし」

「そんな報告いらないけどおおおおお!?」

鼻血吹き出す公爵様とか想像できないのは勿論のこと、公爵様は一体何を想像したのか気になる自分が嫌すぎる。それでも心配な気持ちはあるのに理由のせいで行きにくくなった。

こんなことなら原因なんて聞くんじゃなかった……!
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