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……とまあ、二人のバトルはさておき、何故こんな状況なのかを知りたい。離婚成立と王城に住むことが決定したことを伝えに来るにしてもとんでもない四人で来る必要はないし、これからの挨拶にしても僕から行くべき身分だし、公爵様に関しては、本当にわからない。
本当に僕に会いに毎日来るつもりなんだろうか?
「ってこんな話ばかりしてもシャロンが疲れるだけだよね。本当は僕だけでよかったんだけど、兄上と父上は一度時間があるからせっかくだしシャロンと話してみたかったから着いてきたのと、公爵は勝手に着いてきた」
「その、僕と話すためにご足労いただきありがとうございます」
「気に負う必要はないよ。リードの親友にずっと会いたかったんだよね。流石に学生時代に会うには気を使わせちゃうと勉強にも影響与えそうだし遠慮してたけど」
「そ、それはお気遣いいただきありが……」
「でも、もっと早く会えれば辛い想いさせずに済んだかな?」
「え、え?」
「王太子殿下!」
にっこりと笑う王太子殿下の顔が近づいて驚きはしたものの、すぐ王太子殿下の顔は身体ごと離れた。その理由は単純に公爵様が王太子殿下を後ろに引っ張ったからだ。
「おっと……乱暴だなあ」
「さすがに王太子殿下でもシャロンに手を出すなら……」
「離婚したなら問題ないと思うけど?」
「すぐ再婚するので!」
「それは君の願望じゃないか」
リードの次は王太子殿下VS公爵様……ってこれもうなんの闘いなんだろうか?リードちょっと楽しそうにしてるの気付いてるからね?公爵様が再婚を譲らない気持ちは嬉しいけど、王太子殿下は多分からかってるだけだからそこまで本気にしなくても……と思うけど、謁見の時から変わらぬ笑みだからわかりづらい感じはある。
からかってると判断したのはリードが楽しそうにしてるのと、王太子殿下がほぼ初対面の僕を本気で口説くはずがないと確信してるからだ。自分の平凡な容姿は一目惚れとかには向かないことは自覚している。それが同性相手なら尚更。
正直ここまで公爵様が僕に好意を持ってくれたことが奇跡なくらいだ。だからこそ逆にこの平凡顔の珍しさに好意を勘違いしている可能性もちょっと考えたり……。公爵様は人を避ける傾向にある人だから好みが自分でもよくわかってない可能性はあるしね。
たまたま好意を伝える機会が僕にあったから、それが公爵様にとっては物珍しさがあったのではと思わなくもない。つまり僕じゃなくてもきっかけさえあれば……と考えてしまう。いつか正気に戻って結婚直後の公爵様に戻るんじゃと。
こんなにも僕との再婚を望む公爵様を見ながらもどうしても自分に自信が持てないのは、信じることで傷つくのを怖がっているせいだとはわかっている。それが爆発して公爵様にも八つ当たりをしてしまったぐらいなのだから。
それでもだからだろうか、疑う反面あんなに僕に八つ当たりされながら、それでもまだ僕を想ってくれる様子からその想いを信じたいと思う自分がいるのは。
本当に僕に会いに毎日来るつもりなんだろうか?
「ってこんな話ばかりしてもシャロンが疲れるだけだよね。本当は僕だけでよかったんだけど、兄上と父上は一度時間があるからせっかくだしシャロンと話してみたかったから着いてきたのと、公爵は勝手に着いてきた」
「その、僕と話すためにご足労いただきありがとうございます」
「気に負う必要はないよ。リードの親友にずっと会いたかったんだよね。流石に学生時代に会うには気を使わせちゃうと勉強にも影響与えそうだし遠慮してたけど」
「そ、それはお気遣いいただきありが……」
「でも、もっと早く会えれば辛い想いさせずに済んだかな?」
「え、え?」
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にっこりと笑う王太子殿下の顔が近づいて驚きはしたものの、すぐ王太子殿下の顔は身体ごと離れた。その理由は単純に公爵様が王太子殿下を後ろに引っ張ったからだ。
「おっと……乱暴だなあ」
「さすがに王太子殿下でもシャロンに手を出すなら……」
「離婚したなら問題ないと思うけど?」
「すぐ再婚するので!」
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リードの次は王太子殿下VS公爵様……ってこれもうなんの闘いなんだろうか?リードちょっと楽しそうにしてるの気付いてるからね?公爵様が再婚を譲らない気持ちは嬉しいけど、王太子殿下は多分からかってるだけだからそこまで本気にしなくても……と思うけど、謁見の時から変わらぬ笑みだからわかりづらい感じはある。
からかってると判断したのはリードが楽しそうにしてるのと、王太子殿下がほぼ初対面の僕を本気で口説くはずがないと確信してるからだ。自分の平凡な容姿は一目惚れとかには向かないことは自覚している。それが同性相手なら尚更。
正直ここまで公爵様が僕に好意を持ってくれたことが奇跡なくらいだ。だからこそ逆にこの平凡顔の珍しさに好意を勘違いしている可能性もちょっと考えたり……。公爵様は人を避ける傾向にある人だから好みが自分でもよくわかってない可能性はあるしね。
たまたま好意を伝える機会が僕にあったから、それが公爵様にとっては物珍しさがあったのではと思わなくもない。つまり僕じゃなくてもきっかけさえあれば……と考えてしまう。いつか正気に戻って結婚直後の公爵様に戻るんじゃと。
こんなにも僕との再婚を望む公爵様を見ながらもどうしても自分に自信が持てないのは、信じることで傷つくのを怖がっているせいだとはわかっている。それが爆発して公爵様にも八つ当たりをしてしまったぐらいなのだから。
それでもだからだろうか、疑う反面あんなに僕に八つ当たりされながら、それでもまだ僕を想ってくれる様子からその想いを信じたいと思う自分がいるのは。
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