王子やめろの抗議後の番外編~にゃんにゃんも出るよ!~

荷居人(にいと)

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軍隊にゃんこ~商売猫のどさんこ視点~

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今日も道産子どさんこことあたちは商売道具をもってあっちらこっちら、大忙し。今向かっているのはにゃんこ部隊でも一番の攻撃部隊とも言える軍隊気取りの猫たちに飲み物を配るべく荷物置きとして占領している馬車で向かっている。

「にぃっ」

「ヒヒーン」

ここだと合図すればしっかり止まる馬のウマとマウはあたちの商売仲間。

「シャッシャッニアァッ!」

「なうなうなぁ~!」

今日はどうやら軍隊にゃんこは二匹しかいないみたいだ。どうせどこかで寝ているのだろう。

今いる二匹は軍隊にゃんこの軍曹であるいかつい顔つきのニャートマン軍曹。そしてニャートマン軍曹の真似を必死にし、軍隊にはにつかない毛並みがもふもふさらさらの可愛らしいおちび、ねこぱんち。

この二匹だけはいつも自分を鍛えるべく励んでいるのをあたちは知っている。それとニャートマン軍曹は猫にも人にも遠巻きにされがちなせいで、ねこぱんちがなついてくれていることが実は嬉しくて仕方がないことも。

邪魔はしたくないけど休憩を入れてやらなければこの二匹はいつまでもやるだろう。

「にっにっ」

「シャアッ?」

「にっにっ」

相変わらず毎度威嚇でもするようなニャートマンの軍曹の声に呆れながらも、聞こえなかった様子からもう一度飲み物を持ってきたことを伝える。

「なぁ~う!」

「にぃ」

よっぽど喉が乾いていたのか、飲みたい飲みたい!と寄って来たねこぱんちに仕方ないなぁと馬車の中に入るように言う。

「なぅなぅ~!」

「………」

そして飛び付くように馬車に用意されたミルクを美味しそうに飲むねこぱんちとそれを見守るニャートマン軍曹。

「にぃっ!」

貴方も飲みなさいとパンチを食らわせてやれば睨まれるが怖くはない。ねこぱんちの前では比較的乱暴なことをニャートマン軍曹がしないことは知っているから。

「なぁなぁ~」

「シャッ」

美味しいね~とニャートマン軍曹に嬉しそうに伝えるねこぱんちに、ニャートマン軍曹は自分のまであげようとする。

「にぃっ!」

可愛いのはわかるが、夏の暑い中何も飲まないだなんて死にたいのとあたちの華麗なパンチが決まった。

「シャアァッ」

「にいぃっ」

そして今にもあたちとニャートマン軍曹の火花が……

「なう~!」

喧嘩はやめて~!と言いながらもふもふ猫パンチをあたちとニャートマン軍曹にするねこぱんちにより散らすことはなかった。

痛みのある猫パンチよりもふねこぱんちの方がある意味威力があるとあたちは思う。何故かとても力が抜けちゃうから。

「シャッ」

「なう~」

悪かったとねこぱんちに謝るニャートマン軍曹を見ればそれは間違っていないだろう。きっとねこぱんちは立派な軍隊部員になるわとあたちは思わずにはいられなかった。

おわり










あとがき
後は力一かぁちゃん出すべきなのか?あれおかんとは違うのか?

道産子さん読み方わからなくてあえて視点にすることで名前を呼ばせなかった私。どさんこと読み方と意味教えてくださった方ありがとうございます!

ニャートマン軍曹出しましたぜ!シオにゃん!
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