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ラーダ殿下の幸せな悪夢~ラーダ視点~
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「な、なんだ?ここは……しかもこれは……!」
さっきまで寝ていたはずが目を覚ますと何やらお祝いごとのような、パーティーが目の前で繰り広げられていた。しかも私は何故か被り物をして。
凄く嫌な予感がした。
「ラーダ様?」
そんな中突如愛しき声が隣から聞こえる。しかし私の呼ぶ名にいつもの殿下という後付けはなかったため、一瞬固まってしまった。被り物があるおかげでまぬけ面を見られずに済んだのは幸運だろう。
「ら、ラフィーナ……こ、これは……」
「ふふ、ラーダ様とてもねこの着ぐるみお似合いです!」
「ねこ、の………」
いつの間に、何故、私は?猫耳のさらに先に行くつもりはなかったというのに……私は酒にでも酔って着てしまったのだろうか?ねこの着ぐるみを?
「明日、これなら私も楽しく結婚式ができそうです!」
「け、け……?」
「今日は結婚式前の前座祝いですから楽しみましょうね!」
ああ、今日もラフィーナが可愛い。なんて現実逃避したいが由々しき問題が。ラフィーナの言い方から私はこの格好で結婚式に出ることになっているような。
結婚式は幸せであるものだが、ラフィーナの言う楽しむは違う気がする!これは私の望んでいたものとは斜め上に行っている気がしてならない!
というか結婚式はもう少し先だったような?いや、猫耳を外してラフィーナと距離を近づけるために思考している内にもうこんなに時が?
いや、それにしてもこれはない!
「この着ぐるみふかふかですね~」
「う……っ」
しかし、ラフィーナからすり寄ってくる様子にこれはこれで………なんて思う辺り知らぬ間に承諾していたのかもしれないと自分の中で思う。いや、でも、結婚式でこのままじゃ誓いのキスは………被り物越しなどそれは誓いのキスになるのか?
ロマンも何もない……。この世界で着ぐるみで結婚式に出る男など来賓ですらいないだろう。
ラフィーナと夫婦になれるのは嬉しいが、一生に一度のラフィーナとの結婚式を着ぐるみ、ねこの着ぐるみで……。なんとか、なんとかしないと……!
これでは愛は愛でも猫愛を育てるだけになってしまう。
「にゃぁ……」
ざらめいつの間に……呆れた目を私に向けるんじゃない!これは不可抗力……不可抗力なんだよ?
「にゃ……」
あ、諦めろだって?
「ラーダ様、私、ここまでしてくれるラーダ様が大好きです!」
「あ、ああ、それは……よかった」
「にゃん」
だから言ったでしょとばかりにざらめが鳴き声をあげる。確かに、確かに嬉しそうなラフィーナを裏切る真似は……!けど……!
「やっぱ無理だぁあぁぁっ!………あれ?」
「にゃにゃ!?」
叫んだ瞬間私はベッドの上にいて、私の部屋に入り込んで寝ていたにゃんこ隊の中でもよく寝る姿が目撃されるシオンが何事かと驚いていた。
そして夢だったことにほっとしながら決意する。
絶対ねこの着ぐるみは作らせない!着ないことを!
おわり
あとがき
感想に猫の着ぐるみというネタをいただいたので……夢でしたが喜んでいただけたらと思います!
最後何気にずっと出したくて仕方なかったシオンさんの登場でした。
さっきまで寝ていたはずが目を覚ますと何やらお祝いごとのような、パーティーが目の前で繰り広げられていた。しかも私は何故か被り物をして。
凄く嫌な予感がした。
「ラーダ様?」
そんな中突如愛しき声が隣から聞こえる。しかし私の呼ぶ名にいつもの殿下という後付けはなかったため、一瞬固まってしまった。被り物があるおかげでまぬけ面を見られずに済んだのは幸運だろう。
「ら、ラフィーナ……こ、これは……」
「ふふ、ラーダ様とてもねこの着ぐるみお似合いです!」
「ねこ、の………」
いつの間に、何故、私は?猫耳のさらに先に行くつもりはなかったというのに……私は酒にでも酔って着てしまったのだろうか?ねこの着ぐるみを?
「明日、これなら私も楽しく結婚式ができそうです!」
「け、け……?」
「今日は結婚式前の前座祝いですから楽しみましょうね!」
ああ、今日もラフィーナが可愛い。なんて現実逃避したいが由々しき問題が。ラフィーナの言い方から私はこの格好で結婚式に出ることになっているような。
結婚式は幸せであるものだが、ラフィーナの言う楽しむは違う気がする!これは私の望んでいたものとは斜め上に行っている気がしてならない!
というか結婚式はもう少し先だったような?いや、猫耳を外してラフィーナと距離を近づけるために思考している内にもうこんなに時が?
いや、それにしてもこれはない!
「この着ぐるみふかふかですね~」
「う……っ」
しかし、ラフィーナからすり寄ってくる様子にこれはこれで………なんて思う辺り知らぬ間に承諾していたのかもしれないと自分の中で思う。いや、でも、結婚式でこのままじゃ誓いのキスは………被り物越しなどそれは誓いのキスになるのか?
ロマンも何もない……。この世界で着ぐるみで結婚式に出る男など来賓ですらいないだろう。
ラフィーナと夫婦になれるのは嬉しいが、一生に一度のラフィーナとの結婚式を着ぐるみ、ねこの着ぐるみで……。なんとか、なんとかしないと……!
これでは愛は愛でも猫愛を育てるだけになってしまう。
「にゃぁ……」
ざらめいつの間に……呆れた目を私に向けるんじゃない!これは不可抗力……不可抗力なんだよ?
「にゃ……」
あ、諦めろだって?
「ラーダ様、私、ここまでしてくれるラーダ様が大好きです!」
「あ、ああ、それは……よかった」
「にゃん」
だから言ったでしょとばかりにざらめが鳴き声をあげる。確かに、確かに嬉しそうなラフィーナを裏切る真似は……!けど……!
「やっぱ無理だぁあぁぁっ!………あれ?」
「にゃにゃ!?」
叫んだ瞬間私はベッドの上にいて、私の部屋に入り込んで寝ていたにゃんこ隊の中でもよく寝る姿が目撃されるシオンが何事かと驚いていた。
そして夢だったことにほっとしながら決意する。
絶対ねこの着ぐるみは作らせない!着ないことを!
おわり
あとがき
感想に猫の着ぐるみというネタをいただいたので……夢でしたが喜んでいただけたらと思います!
最後何気にずっと出したくて仕方なかったシオンさんの登場でした。
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