弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~

荷居人(にいと)

文字の大きさ
上 下
29 / 55
番外編R18

番外編~後編・お酒を飲まれたら逆らえない~

しおりを挟む
「うっ」

トアの首元に噛みつけば痛みに顔を歪ませ、呻いた声。俺は今、物凄く楽しい。綺麗なトアに自分だけの傷をつけ、何をしてもトアは俺を満足させたいとこちらを見る。

ご褒美に愛に答えてやれば、嬉しそうにするからつい、噛んでしまった。その痛みにすら幸せそうに笑っていることをトアは気づいているのだろうか?

ふわふわとした感覚の中にトアをいじめたくてたまらない思考に囚われている。可愛くて愛しいトア。好きな子ほどいじめたいとはこういうことなんだろうか?

トアが痛がる度、それでいて傷つける度に見せる笑みに、俺のモノは興奮してしまったようだ。

入れてしまえば、トアは泣くだろうか?笑うだろうか?想像するだけで楽しい。とはいえ、俺の蕾はイきたくてもイけないトアのモノを欲している。

「このボタンなんだろな?」

「あがっ」

何もかもが楽しくて楽しくて、ふと気になった二つの内の一つのボタンを押した。鎖が勢いよく壁に消えていき、壁に張り付けられるトア。壁に思いっきり背が当たり、痛みで声が出たみたいだ。

「ああ、ごめん。痛かった?」

そう言いながら笑っている自覚はある。トアはそんな俺を見て、また痛みに耐えるようにしながらも微笑んだ。

うん、それでいい。

「あ・・・っ」

その反応を褒めるように頬を撫でてやれば、こちらを向ける視線に熱がこもる。目隠しもあるけど、この目に籠る感情が見れないのは嫌だからそんなことはしない。

ああ、このままじゃ逆にヤりにくいな。まだ鎖があった方が壁に近づきさえすれば、多少はトアにも自由が効いて、俺に入れれただろう。

どうしたものかとトアの胸をひっかいた。

「く・・・っう」

傷は癒えてない。大した長い爪じゃなくても傷の上を引っ掻けば痛いだろう。これはこれで楽しいな。

「トアの大事な部分、破裂しそうだね?」

「んぁ・・・っ」

ちょんとトアのモノを指でつついてやれば、身体を大きく震わせるトア。イけずじまいの先端から汁が溢れ始める。リングを外せばすぐにでもトアはイけるだろう。さっきもイってもおかしくない声が聞けた。

トアのモノ、本当に爆発しちゃいそうだ。トアのモノがなくなった時は俺が抱いてあげる役目になるななんてことを考える。

「もうひとつのボタンも押してみようか」

同じことを繰り返す気はないと、取り合えずもうひとつのボタンを押せば、トアの身体が解放された。

けど、傷つけられ、我慢を強いられた身体は力が入らないとばかりに倒れ込んで来て、俺に寄りかかる。トアの荒い息が耳元をくすぐった。

「重たいっ!」

「・・・っ」

トアを突き離せば、壁にぶつかりそのまま座り込む。トアからすれば力が抜かれ、支えていたものが外れたために、目の前の俺に倒れかかるしかなかったのだろうが、この時の俺は自分に許可なく触れたと理不尽な怒りが渦巻いた。

「誰が触れていいと言った?」

「あ、ぐああぁ・・・っ」

トアのモノを容赦なく踏みつける。裸足ではない靴の履いたその足で。痛みで呻くトアに、さすがに笑う余裕はないようだ。

ぐりぐりと怒りのまま踏みつければ、痛みに顔を歪めて、生理的な涙すら溢し始めるトアに、少しスッキリした。でもやめる気はない。

「トアの使い物にならなくなるかもね?」

「ひぐぅぅ・・・っ」

言葉を発する余裕もないみたいだ。踏むのも面倒になってきて足を離せば、ねっとりとついたのは先走ったトアの溢れ出る液。

踏まれたトアのモノは復活するか如く、飽きもせず勃ちあがる。痛みによる苦しみか、イけない故の苦しみか、足を離してもトアは苦しそうに息を荒くし、話さない。

その様子に怒りはどこかへ消えた。とたん、後者の苦しみ、もしくはどちらもの苦しみと考え、思い付いたことに笑みが浮かぶのがわかる。

実行するべく自ら下に着る物を脱ぐ。トアは虚ろな目を、でもどこか期待するようなその目を見て、やはり目隠しなんてものはいらないと感じた。

これからすることはトアにとってある意味辛くて苦しいことだろう。

俺は下半身を露出させれば、トアに股がり、慣らしてない蕾を気にすることなく、無理矢理開けてトアのモノを呑み込んだ。

「ん・・・くっ」

多少痛いが日頃ヤってきただけに、問題はない。リングの感触にいつもと違う違和感を感じつつも奥まで無事入る。

一息吐けば、上下に腰をあげ、落とすを繰り返す。込み上げる快感に俺のモノはもう限界だ。

「とあ・・・ふあぁぁっ」

「は、あ・・・ふ・・・」

あっけなくイった俺の精液はトアのお腹へかかり、トアはイけない苦しさ故かそれに目もくれず、ただ快感に耐えるように拳を握り、息を荒げる。

それでも容赦なく何度も腰を上下し、自ら中を締め付けても、トアの先走りをひそかに感じるだけ、やればやるほどトアは吐き出されない欲の苦しさに顔を歪めていった。

「あぁぁぁあぁぁっ」

そろそろかと一度トアのモノを抜いてリングを外せばすぐに勢いよく放たれた液。それは俺に振りかかり、ようやくイけたとばかりに叫び声とも言える喘ぎと共に解放されたトアは気を失ってしまった。

「はは・・・っ」

その姿にとても満たされて、脱いだものを着て、トアを抱え、精液まみれなど気にしないとばかりに部屋へ戻る。

服を全てゴミ箱へ捨て去り、互いの液だけ洗い流せば、拭くだけ拭いてトアをベットに放り込み、自分も潜り込む。今日は何故か溢れんばかりの力が沸き上がっていた。普段ならトアを軽々と抱えるのも、洗い流すだけのお風呂さえも難しいだろう。

隠されていた力でも解放された気分だ。それでもベットへ運ぶ頃にはその力も薄れてきたようで、放り投げるようになってしまったのは言うまでもない。

翌朝、正気に戻った俺がトアの傷だらけの胸を見て昨晩のことを思い出し、真っ青になるのは当然で、謝罪を繰り返し、しばらく普段以上に甘やかしまくることに。

それじゃ足りないと思ったものの、トアがあまりにも嬉しそうに甘え、満足そうにするので甘えてくるそれに水を差すようなことは言えなかった。甘えられたら甘やかす、甘えられずとも甘やかさなければならない使命感すら感じた。

取りあえずはお酒は飲み過ぎないにしようと誓う。確かにあの時は満足したと今でも言えるが、正気に戻った後、トアを傷つけた事実に胸が痛いのだから。

大事な弟をいじめる趣味なんて俺にはない・・・ない、はずだ。

解放してはいけないナニカを心の奥底へしまう。二度と呼び起こすことがないように。
しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

弟が兄離れしようとしないのですがどうすればいいですか?~本編~

荷居人(にいと)
BL
俺の家族は至って普通だと思う。ただ普通じゃないのは弟というべきか。正しくは普通じゃなくなっていったというべきか。小さい頃はそれはそれは可愛くて俺も可愛がった。実際俺は自覚あるブラコンなわけだが、それがいけなかったのだろう。弟までブラコンになってしまった。 これでは弟の将来が暗く閉ざされてしまう!と危機を感じた俺は覚悟を持って…… 「龍、そろそろ兄離れの時だ」 「………は?」 その日初めて弟が怖いと思いました。

ある日、人気俳優の弟になりました。

雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。 「俺の命は、君のものだよ」 初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……? 平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

からかわれていると思ってたら本気だった?!

雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生 《あらすじ》 ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。 ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。 葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。 弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。 葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

【完結】健康な身体に成り代わったので異世界を満喫します。

白(しろ)
BL
神様曰く、これはお節介らしい。 僕の身体は運が悪くとても脆く出来ていた。心臓の部分が。だからそろそろダメかもな、なんて思っていたある日の夢で僕は健康な身体を手に入れていた。 けれどそれは僕の身体じゃなくて、まるで天使のように綺麗な顔をした人の身体だった。 どうせ夢だ、すぐに覚めると思っていたのに夢は覚めない。それどころか感じる全てがリアルで、もしかしてこれは現実なのかもしれないと有り得ない考えに及んだとき、頭に鈴の音が響いた。 「お節介を焼くことにした。なに心配することはない。ただ、成り代わるだけさ。お前が欲しくて堪らなかった身体に」 神様らしき人の差配で、僕は僕じゃない人物として生きることになった。 これは健康な身体を手に入れた僕が、好きなように生きていくお話。 本編は三人称です。 R−18に該当するページには※を付けます。 毎日20時更新 登場人物 ラファエル・ローデン 金髪青眼の美青年。無邪気であどけなくもあるが無鉄砲で好奇心旺盛。 ある日人が変わったように活発になったことで親しい人たちを戸惑わせた。今では受け入れられている。 首筋で脈を取るのがクセ。 アルフレッド 茶髪に赤目の迫力ある男前苦労人。ラファエルの友人であり相棒。 剣の腕が立ち騎士団への入団を強く望まれていたが縛り付けられるのを嫌う性格な為断った。 神様 ガラが悪い大男。  

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

処理中です...