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番外編年齢制限なし
番外編~前編・お酒を飲まれたら逆らえない(セトア視点)~
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「ごめん、トア、本当にごめん」
「あ、兄上、大丈夫ですから」
朝というには遅い、珍しく昼前に起きた兄上は、ぼーっと昨夜の兄上を思い出しながら兄上の寝顔を見ていた僕を見て、さっと青ざめて言った言葉は起きた時の挨拶ではなく謝罪。
兄上にされることは何でも嬉しいのにと言う僕の言葉は聞き入れられることはないだろう。仕方ないので、今日は存分に甘やかしてもらうことを決めた。いつも以上に甘やかさせてもらえるだろう。とりあえず身体が痛いので手当てしてもらって、着替えさせてもらおうかな?
僕を労る兄上を見ながら昨晩のことを思い出す。昨晩は同盟を結んだ隣国から届いた祝い酒を兄上と部屋で飲んでいた。
喉の通りもよく飲みやすい。僕も兄上もお酒に弱いことはないけど、プライベートの場であったために、限度も弁えず飲みすぎて、つまりは酔ってしまった。
それでも僕は強いみたいで、少し気分が向上する程度。だけど、兄上は違った。
「トアは可愛いなぁ」
「兄上っ!?」
急にそんなことを言い出して、僕の顔のあらゆる場所に甘やかすかのような優しいキスをしては、優しく頭を撫でられ、抱き締められる。もう甘やかしたくて仕方ないとばかりのそれに動揺してしまった。
子供の時のように持ち上げられそうになったのはさすがに死守したけど、甘やかされるのは大人なのにと気恥ずかしいけど、嬉しい。甘やかす手も止めず、酒を飲む手も止めない。
この時、酒を飲む手を止めていれば甘やかしモードな兄上で済んだのだろう。だけど、僕に後悔はない。
第二段階の酔いというべきか、兄上は甘やかす手を止め、急に酒瓶を持って立ち上がる。どうしたのかと思えば走り出して部屋を出ていくので慌てて追いかけた。
「だれもいなーい!」
いや、どこかに衛兵くらいはいるよ、兄上。と意味のないツッコミはしない。楽しそうに廊下を駆け回りながら酒を飲む兄上にひやひやした。酒が回って倒れたりしないだろうかと。
そんな心配を余所に、気になる部屋を開けては締め、また走って瓶を豪快に口につけて酒を飲むの繰り返し。王族の醜態はあまり見せるべきではないのだけど、驚いて見る衛兵を睨んでやれば問題はなさそうだ。言いません言いませんからとばかりに首を振る。
その繰り返しで疲れてきたなと思ったその時。兄上がひとつの部屋を見つけて中に入る。興味の出る部屋でも見つけたのだろうか?とその部屋に僕も入って気づく、拷問部屋。
だけど、ここは快楽の拷問部屋とは違う。ベットなんかなければ、縛り付けるための壁から生えるようにしてある長めの鎖の先には、手錠、足枷があり、その横にとってつけられたような二個のボタンには何の意味があるのかわからない。
他にも鞭や蝋燭、猿轡、目隠し用の布らしきもの、アナルビーズから簡単にはイかせないとばかりの調整リングと快楽拷問ではできない、痛みを与えるのが可能な拷問部屋であることを理解した。
置かれた薬物は雑さから危険性はないのがわかる。あくまで拷問用だろうと思う。
何故、兄上はこのような場所に?他にはない部屋ではあるから興味が向いたのだろうか。ここで第三段階の酔いに入っていた兄上に僕は気づかなかった。
空になったのか酒瓶がぱりんっと割れる音に驚けば、兄上がにんまりと僕に振り返り見る。
「トア、あれつけて」
兄上が指を差したのは手錠と足枷のある場所。兄上にも王族の血があるのだとわからせるかのように、威厳を感じる声。兄上に執着し、依存する僕だからか、同じ王族であり、王であるはずの僕はそれに逆らうと言う意思は持てなかった。
言う通りにしなければ、ただそれだけ。自ら本来罪人がつけるそれをつければ、満足そうな笑みを浮かべる兄上にいつもの甘やかす優しい瞳はそこにはなかった。
ぞくりと背筋から感じたそれは恐怖か、悦びか、昨晩の夜はこれでは終わらない。
「あ、兄上、大丈夫ですから」
朝というには遅い、珍しく昼前に起きた兄上は、ぼーっと昨夜の兄上を思い出しながら兄上の寝顔を見ていた僕を見て、さっと青ざめて言った言葉は起きた時の挨拶ではなく謝罪。
兄上にされることは何でも嬉しいのにと言う僕の言葉は聞き入れられることはないだろう。仕方ないので、今日は存分に甘やかしてもらうことを決めた。いつも以上に甘やかさせてもらえるだろう。とりあえず身体が痛いので手当てしてもらって、着替えさせてもらおうかな?
僕を労る兄上を見ながら昨晩のことを思い出す。昨晩は同盟を結んだ隣国から届いた祝い酒を兄上と部屋で飲んでいた。
喉の通りもよく飲みやすい。僕も兄上もお酒に弱いことはないけど、プライベートの場であったために、限度も弁えず飲みすぎて、つまりは酔ってしまった。
それでも僕は強いみたいで、少し気分が向上する程度。だけど、兄上は違った。
「トアは可愛いなぁ」
「兄上っ!?」
急にそんなことを言い出して、僕の顔のあらゆる場所に甘やかすかのような優しいキスをしては、優しく頭を撫でられ、抱き締められる。もう甘やかしたくて仕方ないとばかりのそれに動揺してしまった。
子供の時のように持ち上げられそうになったのはさすがに死守したけど、甘やかされるのは大人なのにと気恥ずかしいけど、嬉しい。甘やかす手も止めず、酒を飲む手も止めない。
この時、酒を飲む手を止めていれば甘やかしモードな兄上で済んだのだろう。だけど、僕に後悔はない。
第二段階の酔いというべきか、兄上は甘やかす手を止め、急に酒瓶を持って立ち上がる。どうしたのかと思えば走り出して部屋を出ていくので慌てて追いかけた。
「だれもいなーい!」
いや、どこかに衛兵くらいはいるよ、兄上。と意味のないツッコミはしない。楽しそうに廊下を駆け回りながら酒を飲む兄上にひやひやした。酒が回って倒れたりしないだろうかと。
そんな心配を余所に、気になる部屋を開けては締め、また走って瓶を豪快に口につけて酒を飲むの繰り返し。王族の醜態はあまり見せるべきではないのだけど、驚いて見る衛兵を睨んでやれば問題はなさそうだ。言いません言いませんからとばかりに首を振る。
その繰り返しで疲れてきたなと思ったその時。兄上がひとつの部屋を見つけて中に入る。興味の出る部屋でも見つけたのだろうか?とその部屋に僕も入って気づく、拷問部屋。
だけど、ここは快楽の拷問部屋とは違う。ベットなんかなければ、縛り付けるための壁から生えるようにしてある長めの鎖の先には、手錠、足枷があり、その横にとってつけられたような二個のボタンには何の意味があるのかわからない。
他にも鞭や蝋燭、猿轡、目隠し用の布らしきもの、アナルビーズから簡単にはイかせないとばかりの調整リングと快楽拷問ではできない、痛みを与えるのが可能な拷問部屋であることを理解した。
置かれた薬物は雑さから危険性はないのがわかる。あくまで拷問用だろうと思う。
何故、兄上はこのような場所に?他にはない部屋ではあるから興味が向いたのだろうか。ここで第三段階の酔いに入っていた兄上に僕は気づかなかった。
空になったのか酒瓶がぱりんっと割れる音に驚けば、兄上がにんまりと僕に振り返り見る。
「トア、あれつけて」
兄上が指を差したのは手錠と足枷のある場所。兄上にも王族の血があるのだとわからせるかのように、威厳を感じる声。兄上に執着し、依存する僕だからか、同じ王族であり、王であるはずの僕はそれに逆らうと言う意思は持てなかった。
言う通りにしなければ、ただそれだけ。自ら本来罪人がつけるそれをつければ、満足そうな笑みを浮かべる兄上にいつもの甘やかす優しい瞳はそこにはなかった。
ぞくりと背筋から感じたそれは恐怖か、悦びか、昨晩の夜はこれでは終わらない。
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