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モブ恋愛年齢制限なし
側近番外編1~影の側近は苦労人(モブ視点)~
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今の王に“お願い”をされた日から使われ始めて12年。あっという間だった。まさか、王とその兄の情事後の困った時のお助け人になるなり、情事後を見ないように被り始めた黒袋。目が遮られたところで困ることはない。
それだけの黒袋だったのに、まさか王命を受けると思わないじゃないないか。
『視界に不便がないなら、プライベート以外はそれ被るように。面白いから』
そんな冷めた表情じゃ全然面白そうに見えません。王命は絶対!けど、こんなの王命にすることじゃない。ぼそっと『影っぽいし』って聞こえてたからな!俺は耳もいいんだ。
気がつけば黒人と呼ばれ、普段気配を消していたのもあり、俺を知らない人が多いので、いざ俺を見れば警戒されるため、王自ら急に見えなくなったら頼れる従者黒人であるのだと進言された。
黒い袋を被るなんて誰でもできて不法侵入し放題だから、急に見えなくなることで、本物と断定させるつもりらしいが、できるかぁ!と叫びたくなった。でも、意外と王宮にいるやつらはちょろかったので、1秒でも瞬きしてくれれば消える・・・は無理でも隠れるか、気配を消して離れるなんて簡単だ。誰もが『本当に消えた!本物の黒人だ!』と騒ぐのでえらい迷惑だ。
瞬く間に“黒人”は広まる。本来の俺など忘れ去られていることだろう。忍者の末裔は元から影が薄いので、自ら積極に関わらなければ忘れられる。それこそ1ヶ月自己紹介を続けてようやく名前を覚えられるのだ。不憫。でも、名前はともかく、王には気づかれる。あの人、本当に怖い。
ちなみに今日はお休みだ。久々に黒い袋から解放され、息もしやすく空気もうまい。さすがの王も休みを消してまで情事をするから休憩時間終了後に来いなんて命令はされない。
家族はみんな下級貴族でありながら王の側近になれるなんてと喜んでくれたが、まさかほとんどの仕事が情事後の後片付けと知ればなんと思うだろう。兄殿下は知らないが、寝室のシーツとか洗って取り替えるの俺だからね?
だから執務室最初の出来事の際も、俺だからと止める手が弱かったんだろう。王様、実際俺だからと止める気なかったよね?とすら思ってる。黒い袋を持つようになったのはヤった後ですとあからさまなシーツを視界に入れたくなく、翌日から用意して被ったのが最初。毎日飽きもせずにするので気がつけば常備し、気がつけば被り続ける始末。
普通の仕事がしたい。けど、給金がこれでもかって言うくらいにいいからやめられないよな。他にも俺と違い優秀な側近候補がいるのに、今だに候補止まりで側近は俺だけだから睨まれて仕方ない。
まあ周りからは側近とされていたりするが実際はまだ候補。まさか影の側近ひとりだけが王から認められた正式な側近だと誰が思うだろう。
ってか睨むなら王様睨んで!候補でも仕事はあるんだからいいでしょ!?それに正式じゃなくても側近とそう変わらんでしょ!お前ら情事後の始末したい?譲るよ!?と言いたい。但し、兄殿下の裸体を見た瞬間、側近に選ばれても、死刑は確実と言える。俺にはわかる。そのための黒い袋が大活躍するのだから。
まあそんなわけで大活躍とはいえ、息のしづらい上に視界を真っ黒にしてしまう魔法の黒い袋から解放され、るんるん気分な俺は買い物を楽しんでいる。どこの店主もドアが開けば、『いらっしゃい』ではなく、『首を傾げる』。
一応プライベートだから気配なんて消してないのに、影が薄いから一般の人であれば気づかれない。王宮でさえ、気配消さずに気づくのは兵士やら騎士やら鍛えられた人ばかり。泣いていいかな、俺。
黒い袋被ったやつとか目立つじゃん?普通。あ、でも、最近、王様以外にもひとりだけ、気配消しても、俺を認識できるやつが・・・
「いらっしゃい」
まさか気づいていただけたのか!と期待すれば違う客が入ってきただけのようだ。ってあれ?
「黒人・・・?」
「あ、はい。よくわかりましたね?」
そう、こいつだ。最近側近候補として名をあげながら最有力者で、王自身も表の側近にするべきかと悩まれている。実力は言わずともなんだが、王がそうしようかと悩んだ理由は視界を遮っても、俺と同じく問題ないと知ったから。選ぶ基準に文句を言いたい。
候補共、正式に認められたいならまず目がなくても動けるようになればいい。なんて言って信じてもらえるだろうか。睨む前に考えろと思うが。
ってか本当に俺だとよくわかったものだ。最近側近候補にあがったばかりだし、俺の顔など見たこともないだろうに。
「気配が同じだ」
「なるほど」
どうやら王様や俺と同じように気配を読み取るのがうまいようだ。んー、実は気配消してるようで消しきれてないのだろうかと思い始めてしまう。王様だけならなんか王様特殊能力みたいなのありそうだし、気にしなかったんだけど、俺より若いだろうこいつに気配消しても度々声をかけられるのだから修行が足りないのかもしれない。
それにしても気配を読み取れるとは俺と同じで特殊な末裔か何かなのだろうか?王様からは代々伝わる公爵家の高位貴族らしいが。
「顔、初めて見た」
「普段は王命で隠してますからね」
「なぜ?」
「守秘義務がありますので、申し訳ございません」
「いや、すまない。王命と聞いて察するべきだった」
「気にしないでください」
ただ、ろくでもない理由を告げたくなかっただけです。なんて言えない。
にしても、王様ほどじゃなくても綺麗な顔だなぁと思うし、睨み付けるような目付きは、若くとも威厳を感じて側近候補としてはいいんじゃないかと思う。それに、水色の髪はともかく、蒼い瞳はどこか兄殿下に似ている気がするんだよなぁ。
「どうかしたか?」
あ、見すぎてしまったようだ。最近人を視界に入れないからついつい。気づいている人から見れば困るよな。
「いや、貴方の瞳が陛下の兄上様の瞳に似ているなと」
「ああ、私は王族の血が流れてますので、その影響かと」
「ああ、なるほど」
王様の悩む理由がわかった。兄殿下とお揃いの瞳が気に入らないのだ。だからこそ視界は遮れても迷うのだろう。別に瞳くらい許してやれよと、思わなくもない。ふむ、側近候補は本来実力と本人の希望があってようやく候補にあがる。こいつだって正式に側近になりたいに違いない。他の候補者と違い、俺を睨むような目付きではあっても、睨みたいわけじゃないとわかる上に、度々声をかけてきては大抵俺を心配した言葉。
結構好感が持てるので、どうせなら協力してやりたい。
「お客さん、買い物するのかい?しないのかい?ってかあんた、いつからいたんだい?」
「あ、買います、買います。この方が来る前からいましたよ!」
ずっと側近候補を見て考えすぎていたらしい。この人と話していたことで、店主も存在に気づいてくれたようだ。気のせいか側近候補の頬が赤いような気がしなくもないが、まあ不躾に見続けてしまったし、見られ続けたのが慣れなかったのかもしれない。
「包帯?怪我でもしているのか?」
「あ、違います違います。これは貴方を陛下が側近にするためにプレゼントするものです。」
「どういう・・・?」
この側近候補は高位の貴族でありながら下の者を心配してくれる優しいお人だ。誤解を解いて言うも、そりゃわからないだろう。まさか瞳のせいで側近になれないなんて言う気はないのだ。恐らく包帯で、目を隠すことを心がければ簡単に側近になれるだろう。
「まいどあり」
混乱している側近候補に、失礼ながらも腕を引っ張り、店を出れば、目を隠すように包帯を巻いていく。何か言われるかと思ったが、巻くために顔を近づけてから固まったように動かなくなり、随分大人しい。されるがままな状態だ。
最後に包帯を結んで離れたものの、固まったまま。というか、やはり頬が赤いような?ああ、高位貴族様だし、顔を近づけられるようなことが今までなかったのかもしれない。照れてるのかな?嫌悪されるよりかはずっといいけど。
「側近候補様、プライベート以外は目を隠してください。そうすれば、陛下の側近にその内なれますから」
「あ・・・一体どういう・・・」
どうにか意識が戻ってきたようだ。でもよくわからないままなのは仕方ない。側近にでもなれば次第に理解するだろうけど。
「側近になればその内わかります。私は貴方と一緒ならお仕事も頑張れると思ったので、側近になるために包帯外さないでくださいね?私結構貴方が好きなんです」
側近の大変さを理解する同士がほしいし、この人なら共感してくれそうだし、側近候補に会えば睨まれてばかりだからこの人の好感は半端ない。
まるで告白だななんて思いながらも、まあいいかと返事のない側近候補の前から去る。名前聞き忘れたなとは思うが、次見かけた時、包帯を外すか、外さないかで返事はわかるというもの。側近になった時聞けばいい、今日はいい収穫をしたと、残りの時間は、一人で買い物を満喫した。
「両・・・想い」
去った後、そんな呟きを側近候補がしていたなんて知らないし、計画通り側近になった後、余計苦労を背負い込むことになることなんて俺は知らないのだ。
それだけの黒袋だったのに、まさか王命を受けると思わないじゃないないか。
『視界に不便がないなら、プライベート以外はそれ被るように。面白いから』
そんな冷めた表情じゃ全然面白そうに見えません。王命は絶対!けど、こんなの王命にすることじゃない。ぼそっと『影っぽいし』って聞こえてたからな!俺は耳もいいんだ。
気がつけば黒人と呼ばれ、普段気配を消していたのもあり、俺を知らない人が多いので、いざ俺を見れば警戒されるため、王自ら急に見えなくなったら頼れる従者黒人であるのだと進言された。
黒い袋を被るなんて誰でもできて不法侵入し放題だから、急に見えなくなることで、本物と断定させるつもりらしいが、できるかぁ!と叫びたくなった。でも、意外と王宮にいるやつらはちょろかったので、1秒でも瞬きしてくれれば消える・・・は無理でも隠れるか、気配を消して離れるなんて簡単だ。誰もが『本当に消えた!本物の黒人だ!』と騒ぐのでえらい迷惑だ。
瞬く間に“黒人”は広まる。本来の俺など忘れ去られていることだろう。忍者の末裔は元から影が薄いので、自ら積極に関わらなければ忘れられる。それこそ1ヶ月自己紹介を続けてようやく名前を覚えられるのだ。不憫。でも、名前はともかく、王には気づかれる。あの人、本当に怖い。
ちなみに今日はお休みだ。久々に黒い袋から解放され、息もしやすく空気もうまい。さすがの王も休みを消してまで情事をするから休憩時間終了後に来いなんて命令はされない。
家族はみんな下級貴族でありながら王の側近になれるなんてと喜んでくれたが、まさかほとんどの仕事が情事後の後片付けと知ればなんと思うだろう。兄殿下は知らないが、寝室のシーツとか洗って取り替えるの俺だからね?
だから執務室最初の出来事の際も、俺だからと止める手が弱かったんだろう。王様、実際俺だからと止める気なかったよね?とすら思ってる。黒い袋を持つようになったのはヤった後ですとあからさまなシーツを視界に入れたくなく、翌日から用意して被ったのが最初。毎日飽きもせずにするので気がつけば常備し、気がつけば被り続ける始末。
普通の仕事がしたい。けど、給金がこれでもかって言うくらいにいいからやめられないよな。他にも俺と違い優秀な側近候補がいるのに、今だに候補止まりで側近は俺だけだから睨まれて仕方ない。
まあ周りからは側近とされていたりするが実際はまだ候補。まさか影の側近ひとりだけが王から認められた正式な側近だと誰が思うだろう。
ってか睨むなら王様睨んで!候補でも仕事はあるんだからいいでしょ!?それに正式じゃなくても側近とそう変わらんでしょ!お前ら情事後の始末したい?譲るよ!?と言いたい。但し、兄殿下の裸体を見た瞬間、側近に選ばれても、死刑は確実と言える。俺にはわかる。そのための黒い袋が大活躍するのだから。
まあそんなわけで大活躍とはいえ、息のしづらい上に視界を真っ黒にしてしまう魔法の黒い袋から解放され、るんるん気分な俺は買い物を楽しんでいる。どこの店主もドアが開けば、『いらっしゃい』ではなく、『首を傾げる』。
一応プライベートだから気配なんて消してないのに、影が薄いから一般の人であれば気づかれない。王宮でさえ、気配消さずに気づくのは兵士やら騎士やら鍛えられた人ばかり。泣いていいかな、俺。
黒い袋被ったやつとか目立つじゃん?普通。あ、でも、最近、王様以外にもひとりだけ、気配消しても、俺を認識できるやつが・・・
「いらっしゃい」
まさか気づいていただけたのか!と期待すれば違う客が入ってきただけのようだ。ってあれ?
「黒人・・・?」
「あ、はい。よくわかりましたね?」
そう、こいつだ。最近側近候補として名をあげながら最有力者で、王自身も表の側近にするべきかと悩まれている。実力は言わずともなんだが、王がそうしようかと悩んだ理由は視界を遮っても、俺と同じく問題ないと知ったから。選ぶ基準に文句を言いたい。
候補共、正式に認められたいならまず目がなくても動けるようになればいい。なんて言って信じてもらえるだろうか。睨む前に考えろと思うが。
ってか本当に俺だとよくわかったものだ。最近側近候補にあがったばかりだし、俺の顔など見たこともないだろうに。
「気配が同じだ」
「なるほど」
どうやら王様や俺と同じように気配を読み取るのがうまいようだ。んー、実は気配消してるようで消しきれてないのだろうかと思い始めてしまう。王様だけならなんか王様特殊能力みたいなのありそうだし、気にしなかったんだけど、俺より若いだろうこいつに気配消しても度々声をかけられるのだから修行が足りないのかもしれない。
それにしても気配を読み取れるとは俺と同じで特殊な末裔か何かなのだろうか?王様からは代々伝わる公爵家の高位貴族らしいが。
「顔、初めて見た」
「普段は王命で隠してますからね」
「なぜ?」
「守秘義務がありますので、申し訳ございません」
「いや、すまない。王命と聞いて察するべきだった」
「気にしないでください」
ただ、ろくでもない理由を告げたくなかっただけです。なんて言えない。
にしても、王様ほどじゃなくても綺麗な顔だなぁと思うし、睨み付けるような目付きは、若くとも威厳を感じて側近候補としてはいいんじゃないかと思う。それに、水色の髪はともかく、蒼い瞳はどこか兄殿下に似ている気がするんだよなぁ。
「どうかしたか?」
あ、見すぎてしまったようだ。最近人を視界に入れないからついつい。気づいている人から見れば困るよな。
「いや、貴方の瞳が陛下の兄上様の瞳に似ているなと」
「ああ、私は王族の血が流れてますので、その影響かと」
「ああ、なるほど」
王様の悩む理由がわかった。兄殿下とお揃いの瞳が気に入らないのだ。だからこそ視界は遮れても迷うのだろう。別に瞳くらい許してやれよと、思わなくもない。ふむ、側近候補は本来実力と本人の希望があってようやく候補にあがる。こいつだって正式に側近になりたいに違いない。他の候補者と違い、俺を睨むような目付きではあっても、睨みたいわけじゃないとわかる上に、度々声をかけてきては大抵俺を心配した言葉。
結構好感が持てるので、どうせなら協力してやりたい。
「お客さん、買い物するのかい?しないのかい?ってかあんた、いつからいたんだい?」
「あ、買います、買います。この方が来る前からいましたよ!」
ずっと側近候補を見て考えすぎていたらしい。この人と話していたことで、店主も存在に気づいてくれたようだ。気のせいか側近候補の頬が赤いような気がしなくもないが、まあ不躾に見続けてしまったし、見られ続けたのが慣れなかったのかもしれない。
「包帯?怪我でもしているのか?」
「あ、違います違います。これは貴方を陛下が側近にするためにプレゼントするものです。」
「どういう・・・?」
この側近候補は高位の貴族でありながら下の者を心配してくれる優しいお人だ。誤解を解いて言うも、そりゃわからないだろう。まさか瞳のせいで側近になれないなんて言う気はないのだ。恐らく包帯で、目を隠すことを心がければ簡単に側近になれるだろう。
「まいどあり」
混乱している側近候補に、失礼ながらも腕を引っ張り、店を出れば、目を隠すように包帯を巻いていく。何か言われるかと思ったが、巻くために顔を近づけてから固まったように動かなくなり、随分大人しい。されるがままな状態だ。
最後に包帯を結んで離れたものの、固まったまま。というか、やはり頬が赤いような?ああ、高位貴族様だし、顔を近づけられるようなことが今までなかったのかもしれない。照れてるのかな?嫌悪されるよりかはずっといいけど。
「側近候補様、プライベート以外は目を隠してください。そうすれば、陛下の側近にその内なれますから」
「あ・・・一体どういう・・・」
どうにか意識が戻ってきたようだ。でもよくわからないままなのは仕方ない。側近にでもなれば次第に理解するだろうけど。
「側近になればその内わかります。私は貴方と一緒ならお仕事も頑張れると思ったので、側近になるために包帯外さないでくださいね?私結構貴方が好きなんです」
側近の大変さを理解する同士がほしいし、この人なら共感してくれそうだし、側近候補に会えば睨まれてばかりだからこの人の好感は半端ない。
まるで告白だななんて思いながらも、まあいいかと返事のない側近候補の前から去る。名前聞き忘れたなとは思うが、次見かけた時、包帯を外すか、外さないかで返事はわかるというもの。側近になった時聞けばいい、今日はいい収穫をしたと、残りの時間は、一人で買い物を満喫した。
「両・・・想い」
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