10 / 12
10
しおりを挟む
「パパ、我慢……できそう?」
テーブルいっぱいの料理、サラダ系もあるけど脂っこいものが多いのはパパの好みだろうか。これは思った以上にダイエットが難しいのでは……と思ってパパを見て尋ねれば、パパの顔色が悪い。
「……気持ち悪い」
「パパ⁉︎大丈夫?」
「臭いが色々混ざりすぎて気持ちが悪い。こんなの初めてだ……うっ」
「すぐに臭いのきついものをお下げします。お食べになるのはラフィエル様のみにされますか?」
「いや……お腹が減っているのは確かだ。さっぱりしたものを頼みたい」
「かしこまりました」
メリーがパパの言葉にすぐ反応して臭いのきついものを下げることとなった。まあ僕も今までろくな食事を食べてこなかったせいで脂っこいものとかは食べられる気がしなかったし、パパがここまで顔色が悪いなら全然下げてもらって問題ない。
そしてすぐにフルーツ類のものだったり、野菜をメインに使った料理、冷麺などが用意された。まあ先程までのより断然カロリーを抑えられた食事になりそうだけどそれでもこれ全部となればいくら運動してもダイエット成功は程遠いだろう。
「パパ、好き嫌いはない?」
「ああ、食べれないものはない」
「なら僕が選ぶからそれ以外は食べちゃだめだよ」
「わかった。メリー、ラフィが選んだものを俺の分としてくれ」
「かしこまりました。ラフィエル様、指を差していただければお皿に盛り付けますので私めにおっしゃってください。それと栄養素関連にも通じてますのでよければ選ぶ過程で健康面でのアドバイスもさせていただいてよろしいでしょうか?食事制限をするにしても必要な栄養素はとっていただきたいので。それと普段の量を把握してますので、一気に減らすより少しずつ減らすのがよいかと思うのです。リバウンドもありえますから。その加減もよければお教えさせていただきたく」
「確かに僕はパパのことよく知らないし……」
パパが食べすぎないようはりきってはいたけど、メリーの言葉には納得ものだった。パパの普段の食事量もよく知らず僕基準で食べる量やものを決めるのはよくない。それに、選ぶにしても僕ができるのは見てカロリーが低そうなのを選ぶくらいだ。
ちょっとはりきりすぎて空回りかけていたかもしれない。パパも僕に反対しないから余計に。
「メリー、あまりラフィをいじめるな。これから知っていけばいいんだ。俺もラフィについては知らないことの方が多いのだから」
「パパ……」
「いじめたつもりはなかったのですが……私はラフィエル様の専属ですからフォローをしたかっただけなのです。お気を悪くされたのなら申し訳ございません」
「ううん!寧ろ言ってくれてよかったよ!パパのためでもあるもんね!」
メリーが僕をいじめようとしたわけじゃないのは言われなくたってわかる。悪意のある人間はもっと嫌な感じがするものだから。パパもわかってそうなのに人が悪いなあ。でもそんなパパを知れるのも嫌ではないんだけどね。
「そう言えばさっきからキュウジンはどうした」
「キュウジンは少々頼み事をお願いしておりまして」
「頼み事だと?」
「後ほどわかることなのでまずはお食事を」
「まあお前たちなら悪いようにはしないか」
キュウジンの方が上の立場に思えたけど、メリーの態度を見る限りそうとは限らないのだろうか?頼み事とはなんだろう?と気になりはしたけど、パパは余程信頼しているのか、それ以上に追及はしなかった。
パパがいいなら僕も気にしないでおこうと思いようやく食事が開始する。僕はメリーにアドバイスをもらいつつパパとの食事の時間を楽しんだのは言うまでもない。ただ僕自身はパパの食事の半分も食べられず心配されてしまったのだけど。
テーブルいっぱいの料理、サラダ系もあるけど脂っこいものが多いのはパパの好みだろうか。これは思った以上にダイエットが難しいのでは……と思ってパパを見て尋ねれば、パパの顔色が悪い。
「……気持ち悪い」
「パパ⁉︎大丈夫?」
「臭いが色々混ざりすぎて気持ちが悪い。こんなの初めてだ……うっ」
「すぐに臭いのきついものをお下げします。お食べになるのはラフィエル様のみにされますか?」
「いや……お腹が減っているのは確かだ。さっぱりしたものを頼みたい」
「かしこまりました」
メリーがパパの言葉にすぐ反応して臭いのきついものを下げることとなった。まあ僕も今までろくな食事を食べてこなかったせいで脂っこいものとかは食べられる気がしなかったし、パパがここまで顔色が悪いなら全然下げてもらって問題ない。
そしてすぐにフルーツ類のものだったり、野菜をメインに使った料理、冷麺などが用意された。まあ先程までのより断然カロリーを抑えられた食事になりそうだけどそれでもこれ全部となればいくら運動してもダイエット成功は程遠いだろう。
「パパ、好き嫌いはない?」
「ああ、食べれないものはない」
「なら僕が選ぶからそれ以外は食べちゃだめだよ」
「わかった。メリー、ラフィが選んだものを俺の分としてくれ」
「かしこまりました。ラフィエル様、指を差していただければお皿に盛り付けますので私めにおっしゃってください。それと栄養素関連にも通じてますのでよければ選ぶ過程で健康面でのアドバイスもさせていただいてよろしいでしょうか?食事制限をするにしても必要な栄養素はとっていただきたいので。それと普段の量を把握してますので、一気に減らすより少しずつ減らすのがよいかと思うのです。リバウンドもありえますから。その加減もよければお教えさせていただきたく」
「確かに僕はパパのことよく知らないし……」
パパが食べすぎないようはりきってはいたけど、メリーの言葉には納得ものだった。パパの普段の食事量もよく知らず僕基準で食べる量やものを決めるのはよくない。それに、選ぶにしても僕ができるのは見てカロリーが低そうなのを選ぶくらいだ。
ちょっとはりきりすぎて空回りかけていたかもしれない。パパも僕に反対しないから余計に。
「メリー、あまりラフィをいじめるな。これから知っていけばいいんだ。俺もラフィについては知らないことの方が多いのだから」
「パパ……」
「いじめたつもりはなかったのですが……私はラフィエル様の専属ですからフォローをしたかっただけなのです。お気を悪くされたのなら申し訳ございません」
「ううん!寧ろ言ってくれてよかったよ!パパのためでもあるもんね!」
メリーが僕をいじめようとしたわけじゃないのは言われなくたってわかる。悪意のある人間はもっと嫌な感じがするものだから。パパもわかってそうなのに人が悪いなあ。でもそんなパパを知れるのも嫌ではないんだけどね。
「そう言えばさっきからキュウジンはどうした」
「キュウジンは少々頼み事をお願いしておりまして」
「頼み事だと?」
「後ほどわかることなのでまずはお食事を」
「まあお前たちなら悪いようにはしないか」
キュウジンの方が上の立場に思えたけど、メリーの態度を見る限りそうとは限らないのだろうか?頼み事とはなんだろう?と気になりはしたけど、パパは余程信頼しているのか、それ以上に追及はしなかった。
パパがいいなら僕も気にしないでおこうと思いようやく食事が開始する。僕はメリーにアドバイスをもらいつつパパとの食事の時間を楽しんだのは言うまでもない。ただ僕自身はパパの食事の半分も食べられず心配されてしまったのだけど。
78
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~
クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。
いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。
本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。
誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
俺は完璧な君の唯一の欠点
白兪
BL
進藤海斗は完璧だ。端正な顔立ち、優秀な頭脳、抜群の運動神経。皆から好かれ、敬わられている彼は性格も真っ直ぐだ。
そんな彼にも、唯一の欠点がある。
それは、平凡な俺に依存している事。
平凡な受けがスパダリ攻めに囲われて逃げられなくなっちゃうお話です。
異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる