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「パパ、我慢……できそう?」

テーブルいっぱいの料理、サラダ系もあるけど脂っこいものが多いのはパパの好みだろうか。これは思った以上にダイエットが難しいのでは……と思ってパパを見て尋ねれば、パパの顔色が悪い。

「……気持ち悪い」

「パパ⁉︎大丈夫?」

「臭いが色々混ざりすぎて気持ちが悪い。こんなの初めてだ……うっ」

「すぐに臭いのきついものをお下げします。お食べになるのはラフィエル様のみにされますか?」

「いや……お腹が減っているのは確かだ。さっぱりしたものを頼みたい」

「かしこまりました」

メリーがパパの言葉にすぐ反応して臭いのきついものを下げることとなった。まあ僕も今までろくな食事を食べてこなかったせいで脂っこいものとかは食べられる気がしなかったし、パパがここまで顔色が悪いなら全然下げてもらって問題ない。

そしてすぐにフルーツ類のものだったり、野菜をメインに使った料理、冷麺などが用意された。まあ先程までのより断然カロリーを抑えられた食事になりそうだけどそれでもこれ全部となればいくら運動してもダイエット成功は程遠いだろう。

「パパ、好き嫌いはない?」

「ああ、食べれないものはない」

「なら僕が選ぶからそれ以外は食べちゃだめだよ」

「わかった。メリー、ラフィが選んだものを俺の分としてくれ」

「かしこまりました。ラフィエル様、指を差していただければお皿に盛り付けますので私めにおっしゃってください。それと栄養素関連にも通じてますのでよければ選ぶ過程で健康面でのアドバイスもさせていただいてよろしいでしょうか?食事制限をするにしても必要な栄養素はとっていただきたいので。それと普段の量を把握してますので、一気に減らすより少しずつ減らすのがよいかと思うのです。リバウンドもありえますから。その加減もよければお教えさせていただきたく」

「確かに僕はパパのことよく知らないし……」

パパが食べすぎないようはりきってはいたけど、メリーの言葉には納得ものだった。パパの普段の食事量もよく知らず僕基準で食べる量やものを決めるのはよくない。それに、選ぶにしても僕ができるのは見てカロリーが低そうなのを選ぶくらいだ。

ちょっとはりきりすぎて空回りかけていたかもしれない。パパも僕に反対しないから余計に。

「メリー、あまりラフィをいじめるな。これから知っていけばいいんだ。俺もラフィについては知らないことの方が多いのだから」

「パパ……」

「いじめたつもりはなかったのですが……私はラフィエル様の専属ですからフォローをしたかっただけなのです。お気を悪くされたのなら申し訳ございません」

「ううん!寧ろ言ってくれてよかったよ!パパのためでもあるもんね!」

メリーが僕をいじめようとしたわけじゃないのは言われなくたってわかる。悪意のある人間はもっと嫌な感じがするものだから。パパもわかってそうなのに人が悪いなあ。でもそんなパパを知れるのも嫌ではないんだけどね。

「そう言えばさっきからキュウジンはどうした」

「キュウジンは少々頼み事をお願いしておりまして」

「頼み事だと?」

「後ほどわかることなのでまずはお食事を」

「まあお前たちなら悪いようにはしないか」

キュウジンの方が上の立場に思えたけど、メリーの態度を見る限りそうとは限らないのだろうか?頼み事とはなんだろう?と気になりはしたけど、パパは余程信頼しているのか、それ以上に追及はしなかった。

パパがいいなら僕も気にしないでおこうと思いようやく食事が開始する。僕はメリーにアドバイスをもらいつつパパとの食事の時間を楽しんだのは言うまでもない。ただ僕自身はパパの食事の半分も食べられず心配されてしまったのだけど。
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