婚約破棄された悪役令嬢にはヤンデレ婚約者が宛がわれました

荷居人(にいと)

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2章元婚約者と旦那様

プレゼント

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「おかしい……明らかにおかしい」

そう呟くのはあの日からミリーナの記憶とは違い変わり果てたお父様。あの日は結局黒い人に脅されるがままにお父様は婚約をなくそうという働きはしなかった。

ちなみにいただいた日記擬きは大事に保管しております!いつか同じくらいの分厚い愛をお返ししたいものね!

……とまあそれはそれで黒い人は最後に念を押すようにお父様を脅した後颯爽と窓から消えた。二階から飛び降りるの怖くないのかなと思ったけれどきっと慣れてるのかな?じゃなきゃ二階からでも普通怖いよね?ね?

まあそんなわけでそれから翌日から旦那様からたくさんのプレゼントがわんさかわんさか。金銭にも余裕ありますよってアピールなら素晴らしいことだと思う。

命に次に大事だよね、お金って。でもこれがだんだん日に日にレベルアップして伯爵どころか公爵でもそう簡単に手に入らない品物になっていっているからお父様が壊れちゃったの。

下手したら王家でもきついぐらいの金額のものから国宝級と言われたものまであるんだから驚くよね。でも考えたらってだけの身分しかない人よりよっぽど頼りになるってことじゃない?それだけのことができるってことは。

お金もあればそういった交友もあるってことで……お父様は難しく考えすぎよね。

「このダイヤモンド……すごく大きいわ」

「……それは鑑定士から値段をつけるのも恐れ多いダイヤモンドらしい」

最近では旦那様のプレゼントは全てお父様によって雇われた鑑定士に鑑定されている。見るからに価値あるものを知らずにいる方が怖いらしい。でも知らない方が幸せなこともあると思うけど。

でも値段をつけるのも恐れ多いって……本当旦那様何者?きっといつか話してくれるよね。

「これは滅多に作られないというぬいぐるみらしく、マニアでは有名な人物が作った最高級のくまらしい」

「最高級のくま……」

普通にテディベアよね?………これは、離したくなくなるほどの触り心地……!しかも腕に収まるこのフィット感やばいわ!さすが最高級のくま………!

「これは客を選ぶ有名デザイナーが手掛けた世界にひとつだけの国宝級ドレスだ」

「わあ……綺麗!」

まるでドレス自体が宝石のように輝いてる。着るのがもったいなく感じるほどに、飾って置きたいほどに美しいと表現できるドレス。これを着た日には誰もが目を向けずにはいられないに違いない。実際私自身ドレス単体だけで目が惹き付けられるもの。

さすが有名デザイナー………いや、それよりも旦那様そんな有名人たちに用意してもらえるってどれだけの伝手があるの?私の前じゃあわあわする人が……そんな旦那様も素敵だけどね?

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