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1章これがモブだと?
これはどうすれば?
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急にミリーナの父……いや、今では私の父に抱き締められてどうするのが正解かと困った事態に。生憎とここには父と私の二人だけで助け船をくれそうな人物はいない。
ミリーナの記憶では父とそこまで仲良かったようには思えないのだけど、え?本当なんなの?あ、まさか話を聞かなかった仕置きとして抱き潰すつもりとか?いや、さすがにないか。
「お父様?」
「ミリーナ……今から私は変なことを言うが聞いてほしい」
「はぁ……」
もうどうしたものかと抱き締め返すこともなくため息のような返事で返せばより一層抱き締める力が強くなった気がした。やっぱり私抱き潰される?なんだかお父様力強いし……ってか胸板痛い。か弱いミリーナの体労って!りんごをぶしゃっと潰すように潰す気なの!?
……あ、これ、まさかの悪役令嬢は肉親に殺されちゃうパターン?
「ミリーナ……会いたかった」
「???」
なんて思ってればなんか生き別れ親子の感動シーンみたいなこと言われた。会いたかったも何も私じゃないけど元々のミリーナに今朝会ってるよね?もしかしてミリーナの記憶と思ってたけど違うの、これ。
というか涙声?え、泣いてる?泣く要素どこ?胸板押し付けられて見れないけど明らかに泣いてるよね?
「おかしいと思っていたんだ。ミリーナはあんな子じゃなかったはずだと!」
「お、お父様?」
どうしよう、なんかお父様が壊れた。
「ミリーナ、私だけはわかっているからな。今まで気がついてやれなくてすまない」
お父様、ごめんね。寧ろ私が何言ってるかわからない。やっぱり話聞かなかったの相当頭にきてたんだろうか?頭に血が上りすぎてなんか抜けちゃいけないもの抜けちゃった?
「お父様、私心から反省します」
だからとりあえず戻って。私ついていけない。私がわからずともついていくのは旦那様の背中だけだからね!うーん、もうベタ惚れかもしれない、私。
「………だから、ミリーナは反省する必要はない」
あ、また聞いてなかった。え、反省しなくていいの?なんで?理由聞いてなかったって言ったら反省が足りん!ってまたおかしくなっちゃうかな?でも反省しなくていいって言われてるし………。
「なら、話は終わりと言うことで……」
「まだ終わってない」
まあ正直元々何の話だったかすらも忘れたし、してなかった気もするからそりゃ逃げられないか。知らぬ間に父も涙ながらに離れてくれてたからもういいかなと思ったんだけど。
……ってか涙どころか鼻水まで?わ、私につけてないよね?鼻水。思わずそんな心配が泣く父の手前で脳裏を掠めた私は最低な娘だったかもしれない。
ミリーナの記憶では父とそこまで仲良かったようには思えないのだけど、え?本当なんなの?あ、まさか話を聞かなかった仕置きとして抱き潰すつもりとか?いや、さすがにないか。
「お父様?」
「ミリーナ……今から私は変なことを言うが聞いてほしい」
「はぁ……」
もうどうしたものかと抱き締め返すこともなくため息のような返事で返せばより一層抱き締める力が強くなった気がした。やっぱり私抱き潰される?なんだかお父様力強いし……ってか胸板痛い。か弱いミリーナの体労って!りんごをぶしゃっと潰すように潰す気なの!?
……あ、これ、まさかの悪役令嬢は肉親に殺されちゃうパターン?
「ミリーナ……会いたかった」
「???」
なんて思ってればなんか生き別れ親子の感動シーンみたいなこと言われた。会いたかったも何も私じゃないけど元々のミリーナに今朝会ってるよね?もしかしてミリーナの記憶と思ってたけど違うの、これ。
というか涙声?え、泣いてる?泣く要素どこ?胸板押し付けられて見れないけど明らかに泣いてるよね?
「おかしいと思っていたんだ。ミリーナはあんな子じゃなかったはずだと!」
「お、お父様?」
どうしよう、なんかお父様が壊れた。
「ミリーナ、私だけはわかっているからな。今まで気がついてやれなくてすまない」
お父様、ごめんね。寧ろ私が何言ってるかわからない。やっぱり話聞かなかったの相当頭にきてたんだろうか?頭に血が上りすぎてなんか抜けちゃいけないもの抜けちゃった?
「お父様、私心から反省します」
だからとりあえず戻って。私ついていけない。私がわからずともついていくのは旦那様の背中だけだからね!うーん、もうベタ惚れかもしれない、私。
「………だから、ミリーナは反省する必要はない」
あ、また聞いてなかった。え、反省しなくていいの?なんで?理由聞いてなかったって言ったら反省が足りん!ってまたおかしくなっちゃうかな?でも反省しなくていいって言われてるし………。
「なら、話は終わりと言うことで……」
「まだ終わってない」
まあ正直元々何の話だったかすらも忘れたし、してなかった気もするからそりゃ逃げられないか。知らぬ間に父も涙ながらに離れてくれてたからもういいかなと思ったんだけど。
……ってか涙どころか鼻水まで?わ、私につけてないよね?鼻水。思わずそんな心配が泣く父の手前で脳裏を掠めた私は最低な娘だったかもしれない。
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