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1章これがモブだと?
お家には帰るけど帰りません!
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そうこうして二人で親睦を深めながら一緒の馬車に乗る。
「あ、あの……?」
「出発しないの?」
「これは私のところの馬車ですが……」
「そうですね?だから行かないんですか?」
「そ、そそその……イエメンホブヤファスイル嬢はあちらの馬車では……家も反対方向ですし」
「もう結婚するんですよ?ミリーナでいいですわ。それに結婚するんだもの、もう私もミリーナ・ヒットですよね!」
決して公爵家に帰るのが怖い訳じゃないよ?私の中に眠るミリーナの恐怖心が異常なせいでもないよ?ただその嫌な予感がね?
「ミリーナ・ルーチェです……!」
「よし、認めましたわね!というわけで夫婦仲良く同棲いたしましょ!」
「はははめたんですか!?」
ふふん!私にかかればこれくらい!……と言いたいけど普通に間違えただけなんだよね。なんか頭からクリティカルヒットが抜けなくて……特に深い意味はないけど。
「大丈夫!旦那様にも特典はあります!」
「だ、旦那様……」
あれ?なんだかぽーっと惚けたように赤くなっちゃった。まあ、いっか。
「ずばり!今日私が着ているドレスを旦那様に差し上げますわ!あ、でも私の服は代わりに用意してくださいね!」
「し、使用済みをですか?」
「ええ、使用済みですよ」
やはりストーカーは使用済みを好むのか。それも愛故ね!うんうん。
「しし下着なんかは……」
意外に大胆だな、この人。尻隠して頭隠さずだったのに。さすがの私も下着をあげる勇気はない。だってミリーナは今や私であるわけだし。
「だめです!いくら私が旦那様のものになるからと言ってさすがにそれは恥ずかしいですから……ね?」
「あ……うあうあうああああ」
え、なんか鼻押さえて急に叫び始めた……こわっ!
「だ、大丈夫ですか?」
「うう……っは、鼻血が」
「ハンカチ……使います?」
さすが令嬢というべきか、ハンカチが常備されている。私はハンカチ忘れるタイプです。これから先が心配だけどまあなんとかなるでしょう……なるよね?
「だ、だめです!貴女様のものを私のもので汚すなんて!」
言い方!
「後で買って返してくださればいいですから!手で拭くおつもりですか!」
「貴女様のハンカチを汚すくらいなら手くらいいくら汚れても構いません!」
「ミリーナと呼んでと言ったでしょう!私のストーカーなら言うこと聞きなさい!」
「ストーカーをしてきたからこそ許されない領域がががががが」
「そんな領域知りません!」
強引に手を退けてなんとかハンカチを鼻に当ててやった。この勝負私の勝ちね!
「あ、あの……?」
「出発しないの?」
「これは私のところの馬車ですが……」
「そうですね?だから行かないんですか?」
「そ、そそその……イエメンホブヤファスイル嬢はあちらの馬車では……家も反対方向ですし」
「もう結婚するんですよ?ミリーナでいいですわ。それに結婚するんだもの、もう私もミリーナ・ヒットですよね!」
決して公爵家に帰るのが怖い訳じゃないよ?私の中に眠るミリーナの恐怖心が異常なせいでもないよ?ただその嫌な予感がね?
「ミリーナ・ルーチェです……!」
「よし、認めましたわね!というわけで夫婦仲良く同棲いたしましょ!」
「はははめたんですか!?」
ふふん!私にかかればこれくらい!……と言いたいけど普通に間違えただけなんだよね。なんか頭からクリティカルヒットが抜けなくて……特に深い意味はないけど。
「大丈夫!旦那様にも特典はあります!」
「だ、旦那様……」
あれ?なんだかぽーっと惚けたように赤くなっちゃった。まあ、いっか。
「ずばり!今日私が着ているドレスを旦那様に差し上げますわ!あ、でも私の服は代わりに用意してくださいね!」
「し、使用済みをですか?」
「ええ、使用済みですよ」
やはりストーカーは使用済みを好むのか。それも愛故ね!うんうん。
「しし下着なんかは……」
意外に大胆だな、この人。尻隠して頭隠さずだったのに。さすがの私も下着をあげる勇気はない。だってミリーナは今や私であるわけだし。
「だめです!いくら私が旦那様のものになるからと言ってさすがにそれは恥ずかしいですから……ね?」
「あ……うあうあうああああ」
え、なんか鼻押さえて急に叫び始めた……こわっ!
「だ、大丈夫ですか?」
「うう……っは、鼻血が」
「ハンカチ……使います?」
さすが令嬢というべきか、ハンカチが常備されている。私はハンカチ忘れるタイプです。これから先が心配だけどまあなんとかなるでしょう……なるよね?
「だ、だめです!貴女様のものを私のもので汚すなんて!」
言い方!
「後で買って返してくださればいいですから!手で拭くおつもりですか!」
「貴女様のハンカチを汚すくらいなら手くらいいくら汚れても構いません!」
「ミリーナと呼んでと言ったでしょう!私のストーカーなら言うこと聞きなさい!」
「ストーカーをしてきたからこそ許されない領域がががががが」
「そんな領域知りません!」
強引に手を退けてなんとかハンカチを鼻に当ててやった。この勝負私の勝ちね!
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