1 / 29
序章~気楽に考えられるのはタイミング次第~
悪役令嬢転生に文句はないけれど
しおりを挟む
私は華の女子高生南由宇!好きなものは恋愛もののライトノベルで、最近はまっているのは悪役令嬢への転生もの!なんだかんだと活躍してヒドイン(誤字ではない)からヒーローを奪われずに済んだり、ヒーローとともにざまあしたりとわくわくもんだよね!
さて、そんな私がなぜ今そんな話をしたのかと言うとその夢の悪役令嬢になっていたからである。これ、悪役令嬢の記憶も受け継いでいる感じでなんとか混乱せずに済んだのはよかった。
よかったけど………
「あなたとの婚約は破棄させていただく」
既に断罪前どころか断罪シーンとはどういうこと!?夢も希望もないよ!あ、でも婚約破棄後の悪役令嬢の話とかも面白かった……いやいや、今自分がそれをされている時点でそんな呑気になってていいの?だめでしょ!
こうも現実逃避してしまうほど焦るのは悪役令嬢の記憶のせい。明らかに悪役を貫いていたから。自分の婚約者である王子様の隣にいた女性に嫉妬をぶつけて……まあいじめ抜いたわけである。
何の言い訳もできない。が、それもこれも王子様がその子を特別視してるのが丸分かりだったせいだ。そうだ、そうだよ!いきなりのことで忘れてたけどこれ私がしたことあったなんちゃらかんちゃら……うん、名前忘れたけど乙女ゲームのあれだ!
ならあれはヒロインでプレイヤーだった私は……悪役令嬢さん、ごめんよ。私も敵のひとりだった。大丈夫、償いとして君の幸せのために私頑張る……と言いたいけどさすがに無理だわ。
「ミリーナ、聞いてるのか」
「へ?」
「……はぁ……もう一度言う。君は私と婚約破棄してエドウィン・ルーチェ伯爵と婚約が決定している」
「はぁ……わかりました」
んー、やっぱだめだわー。悪役令嬢がストーカーされ毛嫌いしていた人とわかっていてさせる婚約は避けられない。台詞だけで顔こそ出てなかったけどストーカーモブって……そんなぞぞぞっとするようなあれなんだろうか。
死ぬよりはマシなのか、死ぬ方がマシなのか……まあなんとかなると信じよう!
「随分素直だな……?」
「まあ不貞を働く婚約者よりかはマシですね。浮気をするならもう少しわかりにくくしてください。仮にも将来国の長となられるなら」
「な……っ」
ふふん、確かに悪役令嬢はヒロインに酷いことをしてきたけれど、元々はわかりやすすぎる王子様が悪いのだからこれくらい言ってやってもいいわよね?
アドバイスよ、アドバイス!下手な浮気は大切な人すらも傷つけますよってね!
うん、なんか少しスッキリした!
「では、アデュー!」
「「「「は?」」」」
あ、これは令嬢っぽくなかったな。なんて思いながら王子様以外にようやく声を出した周囲の人たちからそそくさと逃げるようにその場を去った。
なーんでこういう乙女ゲームの婚約破棄ってたくさんの人がいる前でしようとするのか、実際経験するとバカみたいに思えてくる。
とりあえずそれはそれとしてストーカーモブがどんな人かお手並み拝見です!
さて、そんな私がなぜ今そんな話をしたのかと言うとその夢の悪役令嬢になっていたからである。これ、悪役令嬢の記憶も受け継いでいる感じでなんとか混乱せずに済んだのはよかった。
よかったけど………
「あなたとの婚約は破棄させていただく」
既に断罪前どころか断罪シーンとはどういうこと!?夢も希望もないよ!あ、でも婚約破棄後の悪役令嬢の話とかも面白かった……いやいや、今自分がそれをされている時点でそんな呑気になってていいの?だめでしょ!
こうも現実逃避してしまうほど焦るのは悪役令嬢の記憶のせい。明らかに悪役を貫いていたから。自分の婚約者である王子様の隣にいた女性に嫉妬をぶつけて……まあいじめ抜いたわけである。
何の言い訳もできない。が、それもこれも王子様がその子を特別視してるのが丸分かりだったせいだ。そうだ、そうだよ!いきなりのことで忘れてたけどこれ私がしたことあったなんちゃらかんちゃら……うん、名前忘れたけど乙女ゲームのあれだ!
ならあれはヒロインでプレイヤーだった私は……悪役令嬢さん、ごめんよ。私も敵のひとりだった。大丈夫、償いとして君の幸せのために私頑張る……と言いたいけどさすがに無理だわ。
「ミリーナ、聞いてるのか」
「へ?」
「……はぁ……もう一度言う。君は私と婚約破棄してエドウィン・ルーチェ伯爵と婚約が決定している」
「はぁ……わかりました」
んー、やっぱだめだわー。悪役令嬢がストーカーされ毛嫌いしていた人とわかっていてさせる婚約は避けられない。台詞だけで顔こそ出てなかったけどストーカーモブって……そんなぞぞぞっとするようなあれなんだろうか。
死ぬよりはマシなのか、死ぬ方がマシなのか……まあなんとかなると信じよう!
「随分素直だな……?」
「まあ不貞を働く婚約者よりかはマシですね。浮気をするならもう少しわかりにくくしてください。仮にも将来国の長となられるなら」
「な……っ」
ふふん、確かに悪役令嬢はヒロインに酷いことをしてきたけれど、元々はわかりやすすぎる王子様が悪いのだからこれくらい言ってやってもいいわよね?
アドバイスよ、アドバイス!下手な浮気は大切な人すらも傷つけますよってね!
うん、なんか少しスッキリした!
「では、アデュー!」
「「「「は?」」」」
あ、これは令嬢っぽくなかったな。なんて思いながら王子様以外にようやく声を出した周囲の人たちからそそくさと逃げるようにその場を去った。
なーんでこういう乙女ゲームの婚約破棄ってたくさんの人がいる前でしようとするのか、実際経験するとバカみたいに思えてくる。
とりあえずそれはそれとしてストーカーモブがどんな人かお手並み拝見です!
12
お気に入りに追加
2,005
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

ヤンデレお兄様から、逃げられません!
夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。
エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。
それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?
ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹

悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる