上 下
30 / 40

第30話ダンジョン攻略

しおりを挟む
次の日僕達はいつものようにギルドに向かった。


「何のクエストを受けましょうかね?」

そう言いながらモモさんがクエストボードに貼られている紙を見渡す。

「そうね私はある程度簡単なやつなら何でもいいわ」

「それはまた条件の出し方が曖昧ですね」

そう言って再びクエストボードの方に目を向ける。

「それならこのクエストなんてどうですか?」

ナギにそのクエストの紙を渡す。

その紙にはこう書かれていた。

ダンジョン攻略クエスト、このクエストはダンジョンの中にいるボスモンスターを討伐とうばつして頂きます。

報酬金貨330枚

「このクエストだったら3人で余裕でいけるんじゃない?」

「そうですね報酬もなかなか良さそうですし」

「勇者様はこのクエストでいいですか?」

「うん、今モモさんが言ってくれたみたいにこのクエストだったら3人でいけば問題なさそうだしね」

「それじゃあこのクエストにしましょうか」

そのクエストの紙をカウンターまで持って行って代わりにそのダンジョンに行くまでの地図をもらう。

ギルドを出て早速ダンジョンの方へと向かう。



「それにしてもダンジョンに行くのってなんだか久しぶりな気がします」

「最近忙しかったしそのせいもあるんじゃない?」

ナギが軽く言葉を返す。

「まぁ今回のダンジョンも私達3人ならきっと余裕でいけるんでしょうけどね」

「モモさんそんなこと言ってるとモンスターに隙を突かれてやられるわよ」

「きっと大丈夫ですよ私の回復魔法と那岐山の効果力魔法と勇者様の最強の力があれば」

『モモさんのその絶対的な自信はどこから来るんだろう?』

「勇者様の強さからです」

そう言葉を返してくる。

「勇者様はピンチに追い込まれた時ほど強くなるみたいですね」
 
『それはこの勇者の紋章の力のおかげであって僕の力とはそんなに関係ないよ』

「本当にそうでしょうかね?」 

『どういうこと?』

「私は少なからず勇者様の意思の力でもあると思いますよ」

「クロリスの場合は勇者の紋章の力が発動しなくても十分化け物みたいに強いんだけどね」

ナギがなんてことなさそうにそう言った。

「そうですね勇者様の場合勇者の紋章の力も借りる必要ないぐらい強いんですね」

『化け物ぐらい強いかどうかはわかんないけどこの力でみんなを守れるんだったらそれでいいかな』

そんな雑談をしながら歩いていると目の前に大きなダンジョンが見えてきた。

「目的の場所はここであってるみたいね」


そう言いながら地図と場所を照らし合わせて確認する。

「慎重に中に入りましょうか」

『うん』

そう返事を返してナギの後ろについていく。

「そんなに暗くはないみたいだけどいつモンスターが私達を襲ってくるかわかんないから慎重に歩くわよ」

「わかりました」

モモさんがそう言葉を返したと同時に僕達の方に向かってコウモリが飛んできた。

「ひい!」

『モモさんコウモリとか苦手なんですか?』

「いえ別にそういうわけではないんですけどいきなり来られるとびっくりするんです」

さらにダンジョンの中を進む。


「さっきから結構歩いてますけどモンスターと遭遇しませんね?」

「モンスターと一度も遭遇しないでボス部屋に行けるんだったらむしろそっちの方がありがたいんだけど」

『まあ確かにそれなら僕も余計な戦いをしなくていいんだったらそっちの方がいいし』


そんな話をしながらダンジョンの中を慎重に歩いていると何かのモンスターの群れがこっちに近づいているようだった。

一度立ち止まりそのモンスターの動きを観察する。

近づいてくるとそのモンスターの群れがゴブリンの群れだとわかる。

「うあああーーー!!!」

僕達の姿を確認すると同時に叫び声をあげて襲いかかってきた。

そのモンスターの攻撃を冷静に避け距離をとる。


「この数だったら私達3人で余裕で行けそうですね」

モモさんが丁寧に敵モンスターの攻撃を避けながらそう言ってくる。

『後ろの方にゴブリンの巣が隠れてなければの話ですけどね』

僕は手に持っている剣を構え直しゴブリンをバッタバッタと切り倒して行った。

「うあー」

一体のゴブリンが合図をするようにそう声を上げると一箇所に集まった。

するといきなり何体かのゴブリンが弓矢を構え僕達に向かってその矢を放つ。

『2人とも避けて!』

僕はその矢を後ろにジャンプして避けた。

だが僕は再びゴブリンが弓矢をセットする前に距離を詰め一体のゴブリンを倒した。

2人も僕に続くように攻撃をする。

「うあああーーー!!!」

最後の抵抗と言わんばかりにゴブリンが襲いかかってくる。

だがその攻撃を避け素早くゴブリンを倒していく。

「ふうなんとか無事に片付いたわね」

ナギがそう言って一息つく。

そして再びダンジョンの中を進む。

「ダンジョンクエストの紙に書いてあった通り少し普通のダンジョンと比べると大きいですね」

「でも道が複雑じゃないから助かったわ」

そんな話をしながら足を進めていくと再び前から何かが近づいてくるのが分かった。

『2人とも一回止まって!』  

2人にそう声をかけてその近づいてくるものの正体が分かるまで待った。

近づいてきたのは大型モンスターだった。

そのモンスターは野生のモンスターのような見た目をしていた。

「ぐおおおーーー!!!」

そのモンスターがゆっくりと、僕達のほうに顔を向けると、威嚇するようにそう叫び声をあげる。

『ナギは右側から攻撃をして、モモさんは左側から攻撃をしてください』

「分かりました!」

「わかった」

「ぐおおおーーー!!!」

モンスターが再びそう叫び声を上げながら鋭い爪を振り下ろしてくる。

僕はその攻撃を避けてすかさず剣を振り下ろすが、モンスターの体が硬くカンという音とともに剣がはじかれてしまう。

モンスターの攻撃が来る前に一度距離をとる。

『普通に攻撃するだけじゃそんなにダメージは通らないか』

『私が攻撃をするからクラリスはその後に続いて攻撃をして!』

『わかった』

ナギに何か作戦があるのかと思いとりあえず言われた通りに攻撃に続くことにした。

「ファイヤーボール」

その攻撃はモンスターに直撃した。

『よし今だ!』

一気に距離を詰め再びモンスターに向かって剣を振り下ろす。

「うおおおー!」

剣がモンスターの弱点に直撃して叫び声を上げる。


『みぞおちらへんを重点的に攻撃した方がダメージが通りやすそうだ』

「2人とも今私が持っているスキルで能力を底上げします」

「身体能力強化攻撃力強化防御力強化」

モンスターも本気を出してきたようでさっきの2倍ぐらいのスピードで攻撃をしてくる。

慎重にその攻撃を避け隙を突いて攻撃する。

『ここだ!』

僅かな隙を突いて一気に攻撃を畳み掛ける。


「ぐおおおーーー!!!」

最後の攻撃と言わんばかりに叫び声をあげて攻撃してくる。

『これで終わりだ!』

スキルでガラガラをものすごいでかい棍棒の形に変えそのモンスターをぺちゃんこにした。

なんとか無事にモンスターを倒すことができほっと胸を撫で下ろした。


面白かった。

続きが気になる。

と思っていただけたかたはお気に入り登録よろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する

平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。 しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。 だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。 そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

最弱テイマーの成り上がり~役立たずテイマーは実は神獣を従える【神獣使い】でした。今更戻ってこいと言われてももう遅い~

平山和人
ファンタジー
Sランクパーティーに所属するテイマーのカイトは使えない役立たずだからと追放される。 さらにパーティーの汚点として高難易度ダンジョンに転移され、魔物にカイトを始末させようとする。 魔物に襲われ絶体絶命のピンチをむかえたカイトは、秘められた【神獣使い】の力を覚醒させる。 神に匹敵する力を持つ神獣と契約することでスキルをゲット。さらにフェンリルと契約し、最強となる。 その一方で、パーティーメンバーたちは、カイトを追放したことで没落の道を歩むことになるのであった。

弓使いの成り上がり~「弓なんて役に立たない」と追放された弓使いは実は最強の狙撃手でした~

平山和人
ファンタジー
弓使いのカイトはSランクパーティー【黄金の獅子王】から、弓使いなんて役立たずと追放される。 しかし、彼らは気づいてなかった。カイトの狙撃がパーティーの危機をいくつも救った来たことに、カイトの狙撃が世界最強レベルだということに。 パーティーを追放されたカイトは自らも自覚していない狙撃で魔物を倒し、美少女から惚れられ、やがて最強の狙撃手として世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを失った【黄金の獅子王】は没落の道を歩むことになるのであった。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...