上 下
11 / 40

第11話想像力

しおりを挟む
なんとかモンスターの体勢を崩すことはできたがすぐに立ち上がってしまう。

僕達は一旦距離をとる。

『なんとかダメージを与えることはできてるんだけどかなり攻撃してやっと怯んだか』

再びモンスターが炎の玉のようなものを飛ばしてくる、しかもさっきよりも大きい。


その攻撃をなんとか避ける。

『このままずっと戦いを続けてたら体力勝負になっちゃう』

『どうにかして早く決着をつけないと』

『モンスターの弱点みたいなのがあればいいんだけどどこにあるんだろう?』

『私がモンスターに近づいて攻撃をしようとした時は弱点らしいところは見当たらなかったけど』

『いやきっと弱点がどこかにあるはずなんだ』

そう思いながらモンスターの身体全体を見る。

『もしかしたらモンスターの目が弱点かもしれない』


単なる希望的な憶測でしかないが、他のかたそうな体の部位と比べると攻撃は通りやすそうだ。

『それで問題なのはどうやってあのモンスターに近づくかだ』

いくらモンスターの弱点がわかったと言っても近づいて攻撃ができなければ意味がない。

もちろんモンスターだって自分の弱点ぐらい分かっているだろうし、そうやすやすと近づかせてくれるわけはないだろう。

『何かモンスターに近づくための作戦を練らないと!』


そう思いつつ何も作戦を思いついていないにも関わらず、攻撃をしようとする。

それからしばらく攻撃しては距離を取り 攻撃しては距離を取りというのが何回か続いた。

そのモンスターの攻撃を避けつつどうやって弱点に向かって攻撃をするかを考えていた。

『そもそもモンスターにどうやって攻撃をするかが問題だ!』

『もちろん僕の拳で殴って攻撃をするというのもできなくはないと思うがそれではとどめの一撃にならないような気がする』

せめて僕も武器を持っていたら話はもう少し変わっていたのだろうが。

『武器!』

『そうだこの方法なら!』

『ナギ!魔法で僕に合った武器を作ってくれ!』

「でもなんでいきなり私武器なんて作ったことないわよ!」

『いいから早く武器を作るまでの時間は僕が稼ぐから!』

「わかったやってみるその代わりモンスターの相手頼んだわよ!」

『うん!』

『破れた服を頭の中で物質を想像して魔法の力で治せるんだったら頭の中で剣の形を想像して作り出すこともできるはず』

『だから僕はナギが武器を作り終わるまで近づけさせなければいい』

さっきよりも走るスピードを上げてモンスターの意識を僕の方に向ける。

するとすぐに僕との距離を詰めて来ようとする。

『接近戦で確実に倒そうとしてきてるのか』

お互いに攻撃しては避けて攻撃しては避けてというのがしばらく続いた。

するとそのモンスターが右手に大きな炎の玉を作って左手には光の大きな玉を作り二つの球を一つにまとめて融合させる。


するとモンスターがその玉を投げつけてきた。

後ろにジャンプしてその攻撃を避ける。

するとその大きな玉は少し遅れて爆発した。

ドドドドンという大きな爆発音が再び周りに鳴り響く。

今までの攻撃で一番大きい爆発だった。

なんとかその攻撃を避けきることができたが地面に少し遅れて青く光る電流が流れる。

『危なかったあともう少しあの地面に近かったら感電して動けなくなってたかも』

『そうだナギは!』

急いでナギの方に顔を向ける。


すると無事に攻撃を避け僕の武器を作ることに専念してくれているようだ。

ほっと胸を撫で下ろした後再びモンスターのほうに顔を向ける。

距離を詰めて攻撃をしてくるのかと思ったが僕に対して攻撃をするのではなく、ナギとの距離を詰めて攻撃をしようとする。

『ナギ!』

攻撃を避けることができずモンスターが首を閉めようとする。

それと同時にナギが手に持っていた剣を地面に落とす。

『ナギを助けないと!』

すると僕の手の紋章が強く青い光を放った。


そのモンスターの右足に向かって勢いよく頭突きをするように突っ込んだ。 

その頭突きの攻撃は見事にモンスターの右足に直撃してバランスを崩した。

僕は起き上がる隙を与えないように拳で モンスターの顔面を間髪入れかんぱついずに殴り続けた。

だが振り落とされてしまう。

すかさずナギがさっき地面に落とした剣を拾い構える。

そのモンスターも僕のさっきの連続攻撃を食らったからなのか、かなりダメージが蓄積しているようで足がふらついている。

『さっきみたいに強くモンスターに突っ込んでまたバランスを崩させるか』

『いやモンスターもその攻撃には十分警戒するだろうし同じ手は効かないはず』

『だけどモンスターを確実に倒すためには僕が今持ってるこのずば抜けた身体能力を生かすしかない!』

そう考えをめぐらしているとモンスターが僕に向かって勢いよく拳を振り下ろしてくる。

『今だ!』

僕はモンスターが振り下ろしてきたその腕の上に乗り一気に駆け上がる。

『これで終わりだ!』

手に持っている剣をそのモンスターの大きな目玉に向かって勢いよく突き刺した。

「うおおおーーー!!!」

それと同時にモンスターが大きな唸り声を上げる。

「無事に倒せたみたいね」

僕達はそのモンスターの素材を回収してダンジョンの外に出た。


『クロリスも何か剣とか買っておいた方がいいんじゃない?』

街の中を歩きながらナギがそう言ってくる。

『私が毎回毎回戦っている最中に剣を作れるとも限らないんだし』

『確かにそれはそうだね』

『毎回毎回拳だけでモンスターと戦うわけにもいかないもんね』

『ていうかモンスター相手に拳一つで戦えてる時点で 普通じゃない』

『前にも言ったような気がするけどクロリスの場合もともとのステータスの数値が私の2倍ぐらいあって、それに勇者の加護の力が乗っかるから化け物じみた力になるんだと思う?』

『そういえば勇者の紋章の力って言えばナギの手にもあったよね勇者の紋章?』

確認をするようにそう言った。

『私の手にも紋章は現れてはいるんだけど一回もまだその力を使えてなくて』

『あれかな僕の紋章の力を発動させる時と一緒でなにか条件みたいなやつがあるのかな?』

『さあそれはまだわかんないけど』

そんな話をしながら街の中を歩いていると一つの武器屋が目にとまった。

『そうだそうだ僕の武器を買うかどうかっていう話ししてたんだ』

元々はその話だったはずだ。

僕達は一旦足を止めその武器屋に並んでいる武器を見ることにした。


「どんな武器をお探しですか?」

お店の中に並んでいる武器をじっと見ていると、女の人がそう声をかけてきた。

「短い探検たんけんの武器ってありますか?」

ナギがそう言葉を返す。

「それでしたらこちらなんていかがでしょうか?」

そう言いながらナギに一つの武器を手渡してくる。

さすがに見た目が赤ちゃんである僕に武器を持たせるわけにはいかないので、触り心地を確認することはできなかったが、見ため的には良さそうな武器だった。

『触り心地どんな感じ?』

実際に触ることはできなくてもナギにその感覚を教えてもらうことならできる。

そんなことを何度か繰り返していろんな武器を見て回ったが結局一番最初に勧められた武器を買うことにした。


面白かった。

続きが気になる。

と思っていただけたかたはお気に入りめ登録よろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

弓使いの成り上がり~「弓なんて役に立たない」と追放された弓使いは実は最強の狙撃手でした~

平山和人
ファンタジー
弓使いのカイトはSランクパーティー【黄金の獅子王】から、弓使いなんて役立たずと追放される。 しかし、彼らは気づいてなかった。カイトの狙撃がパーティーの危機をいくつも救った来たことに、カイトの狙撃が世界最強レベルだということに。 パーティーを追放されたカイトは自らも自覚していない狙撃で魔物を倒し、美少女から惚れられ、やがて最強の狙撃手として世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを失った【黄金の獅子王】は没落の道を歩むことになるのであった。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する

平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。 しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。 だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。 そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜

平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。 だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。 一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...