夏の記憶

如月さら

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外伝

夏の記憶

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庭に作ったブランコで孝樹と樹里が遊んでいる

あれから2年が過ぎた

子供達が遊ぶ姿を眺めながら
3人目を身ごもり
大きくなりつつあるお腹をさすった
クリスマス前が予定日だ。
ふとミカエルのことを思い出していた
孝樹の時も、樹里の時もミカエルが優しい瞳で見守っていてくれた。。。
でも今は孝志がいる

2年前、孝樹の本当の父親とはいえ
いきなり2人の子供の親となり
かなり戸惑っていた孝志を美咲は知っている。
それでも懸命にそれを務め、優しく側に居てくれる愛する人。。。
あの時なぜ逃げたのだろう
青磁に妊娠したことを告げれば離婚に応じてくれただろうに

美咲は溺れるのが恐かったのだ
孝志を愛し過ぎて
自分をなくし
孝志に浸かりきってしまうのが
別に溺れても良いじゃないかと今は思う
でもあの頃はプライド？何かが邪魔をし
素直に孝志の隣に寄り添えなかった
寄り添うより前を歩きたかったのだと思う
でも、寄り添うことをミカエルが教えてくれた

祇園祭りの夜の逢瀬も
光り輝く夏の太陽の下のアルバイシンのパティオも

それは遠い夏の記憶

Fin

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