夏の記憶

如月さら

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外伝

5年後。。。vol.4

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まず、ミカエルは孝志の会社に電話し、保険の件でとアポイントをとった。

テムズ川沿いに建つ、シーコンテナーズ・ロンドンのロビーで待ち合わせをした。

「初めまして、ミカエルと言います」

「大日生命の佐野です。
ご連絡ありがとうございます」

「今日はミサキのことでお話しがあります」

仕事の話だと思い、作り笑顔で挨拶をした孝志だが美咲の名前を聞くと目を見開いた

「美咲は。。。美咲はどこに居るんですか?」

若干とり乱し気味の孝志をミカエルはBarに誘った。
待合せたのは16時だったので少し時間は早いが2人は階上のBarに移動した。

ミカエルはシャンパンを注文し、孝志も同じものを頼んだ。
シャンパンはちょっとそぐあないかもしれないが孝志は気を落ち着かせる為に、
ミカエルは舌が滑らかにすべるように。。。

夜にはきっと夜景が綺麗であろうこのBarにミカエルは美咲と来たいと思った。

「ミサキは私と一緒にアルハンブラを望むアルバイシンの家で暮らしています」

ミカエルは美咲と自分が出会った経緯を静かに話し始めた。

「私が美咲と出会ったのは、アルハンブラ宮殿の個人ガイドとしてでした。
観光局を通じて個人ガイドを申し込んできた割には、説明を聞くのもどこかうわの空で、時々思いつめた表情をし、とても心配になりました。
そして翌日ミサキはジプシーの引ったくりにあい怪我をしたのです」

そしてその怪我をした事で美咲が妊娠している事を知ったと孝志に伝える

「妊娠。。。」

「そうです。。。ミサキは何かの答えを出す為にグラナダにやって来たようです。。。たぶん。。答えは決まっていたようですが。。。怪我が治るまで私の家に滞在し、その後のバルセロナに戻りセイジと離婚しました」

「離婚。。。」

呻くように孝志が呟いた

「ミサキがバルセロナに戻る前に私は、この家で子供を産めばいいと提案しました。。。そしてミサキはコウキを私の家で産みました。。。」

「孝樹?。。。それはもしかしたら。。。」

ミカエルは静かに頷いた

「はい。。。たぶん父親はあなたでしょう」

孝志は押し黙り微動だにしなかった
思いつめたようにグラスを眺めている

ミカエルは続けた

「そして2年前に私達はファミリーになりました」

孝志がミカエルの方を向く

「ファミリー?」

「そうです、それまで私達はただの同居人でした。。。私はずっと以前からミサキのことを愛していました。。。でもミサキの心の中には貴方が住んでいました。。。」

孝志は黙ったままだ
ミカエルが少しの沈黙の後続けた

「ファミリーになった後もまだ貴方が住んでいます。。。そぅ、ファミリーに。。。私の求愛にミサキは答えてくれて2年前にジュリが生まれました」







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