夏の記憶

如月さら

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52そしてバルセロナへ

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「美咲。。。美咲。。。」

優しい青磁の声で起こされ、眼が覚めると外はすでに暗くなっていた。

「あっ。。。青磁。。。お帰りなさい」

「うん、ただ今。。。美咲もお帰り」

緩くハグをされ優しい青磁匂いに包まれる急に涙が出てきた

「美咲。。。どうしたの?」

「ごめんなさい。。。青磁。。。。。。。。
別れて下さい。。。」

美咲は泣きじゃくりながら青磁に哀願していた。

「。。。。」

青磁は美咲の顔を覗き込んだまま固まってしまった
無理もない、やっと帰ってきたと思ったら離婚を切り出されたのだ

「ちょっと。。。ごめん。。。」

そうゆうと、青磁が書斎として使用している部屋に入ってしまった。
美咲もどうにしていいか分からず
リビングに移動して日本茶を入れた。
青磁にもお茶を入れ書斎をノックすると
返事がない、そおっとドアを開けると
机に向かって仕事をしているようだ。
静かにお茶を机の上に置いて立ち去ろうすると

「ありがとう」と声がかかった

「いえ。。。」

と、言った瞬間極度の緊張の為か
吐き気が襲ってきた
バタバタと洗面所に駆け込むと
驚いた青磁が後をついてきた
水を流し処理をしていると

「美咲。。。?」

「私、妊娠しているの」

その言葉で青磁はすべてを理解したようだ
翌日からホテルに泊まるからといって
簡単に荷物をまとめて出勤して行った。
その後は弁護士が入り、美咲の希望するままに離婚か進んでいった。
本来なら、美咲が慰謝料を払わなくてはいけないような状況だが
財産分与として、しばらくは仕事をしなくても暮らせるように豫貯金もすべて美咲の名義に書き換えてくれた。
東京のマンションもだ
後日、弁護士に聞いた話では
青磁はかなり前から予感がしていたようだった
また、青磁に子供を作る能力がないことを美咲に対してかなり悪いと思っていたらしい
美咲には幸せになって欲しいと伝えてきだ。

手続きの最中、休暇を利用してロンドンから孝志がやってきた
美咲はあえて孝志には離婚のことや妊娠したことも黙っていた。
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