夏の記憶

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孝志からの電話は、相変わらず着信拒否設定にしているので、孝志からは毎日メールが届く
たわいもないメールだが美咲にとっては
欠かせないものとなっていた。

そんな時だ、美咲は身体の異変に気がついた。。。
バルセロナへの転居や手続きの忙しさで最初は風邪をひいたのだと思っていた
ずっと微熱が続き食欲もない
青磁も
「疲れたんだよ。。。少しのんびり過ごすと良いよ」
と言い、週末以外は毎日メイドが来るように
手続きをしてくれた。
1週間ほどグズグズとベッドの中で過ごしていた美咲は生理が来てないことに気がついた。。。
日本を出国する数日前に、お別れするつもりで孝志に会った時、排卵日付近なのを知っていながら孝志に抱かれた。
何度か言ってはみたが、孝志は美咲を抱くのにあまり避妊をしない
あの日も避妊はしなかった。。。
青磁も避妊をしないので(わずかな可能性でも子供が欲しかったのだ)
あまり美咲は気にとめていなかったが。。。

そっとお腹を触ってみた
孝志と私の赤ちゃん。。。
何も考えずに産みたいと思った
でもすぐに青磁のこも考えた。。。
どうしたら良いのだろう
まったく青磁の子どもの可能性がないわけでもないのだ。
バルセロナに到着した夜、激しく青磁に抱かれていたのだ。

グラナダに行きたいとふと思った
アルハンブラ宮殿が観たい
観光用ではない、本物のフラメンコが観たい
誰も知る人の居ないところで考えたかった。。。

学生のころ、ゲルニカの次に感動したグラナダの景色

美咲はフラットのコンシェルジュに頼んで、グラナダまでの航空券・ホテルとアルハンブラ宮殿の入場予約を取ってもらい
青磁に出かける旨のメールをし
出かけることにした